今後問われる「警備」

今朝、喫茶店でモーニング取りながら「人口減少時代における警備業務の在り方に関する報告書」を読んだ。

その内容をかなりざっくりいうと1,技術導入をためらう多くの警備業者に対するICT,IoT,ロボット等の情報提供や技術導入等の支援の必要,2,イベント等における講習会の見直しやボランティアとの連携強化の必要,3,eラーニングの導入や教育時間数など警備員教育の見直しや検定制度の見直し等警備教育の合理化の促進,4,優良な警備業者を褒めて発注者側に発信する等中小規模警備業者の付加価値向上への支援の必要,である。

確かにこの前述べたように服装や立ち振る舞いといった見える部分をしっかりしていくことが顧客やユーザーに安心感を与える側面はあるので警備の質の見える化による警備の付加価値の向上といった提言は共感出来た。

ただその提言にいたるまでの理屈に少し違和感を感じた。この報告では警備業者の人手不足の原因として社会保険未加入や給与面等の待遇面の悪さを指摘しており、その背景には警備業者間の価格面での過当競争があると指摘している。最近は少し価格が上昇したが依然厳しいのは事実だからそこまではいい。

ただその一方で発注者側へのアンケートで警備に何を求めるかとの質問に対し「業務品質」が「価格」を上回っている。よって警備料金のみならず、警備業務そのものに対しても警備の見える化をするなど付加価値向上を支援すべきと結論付けている。

はたして本当にそういいきれるのか。確かに文字通り品質を第一に求めるお客様も一定数いることは確かである。しかし少なからぬ発注業者の本音は価格なのではないか。そりゃ金が第1だよだなんて思っていても言いたくない業者なり人はいるでしょう(笑)。

そのことは主な取引業者に何回か行ったアンケートで品質重視ですよ、八鹿警備さんはいいサービスを提供してくれますよといいながらそれを価格に反映してくれない業者が結構いたこと等自分が仕事をしていく中で実感したことや他の業者との話でそう感じるのである。

それかそもそも相手は防犯・防災・初動対応を本質とする警備を求めているのか、もっというとウチを含めて本当に警備業者といえるのという問題がある。

そりゃ確かに警備業者は法律に則り、警備教育もしているし業務としての警備もやってはいるだろう。

でも実態として主な日常業務は警備業者は取引先業務を補助するある種派遣業的な業者になっているのではないか。だから多くの警備業者はAIやlot機能の監視装置や警備ロボットの導入に対して消極的なのではないか。はっきりとした根拠があるわけではないがいままで警備業に携わった実感としてそう思うことがある。

そう考えると警備業務の見える化をいくら必死にしてもそれが価格や本来の警備業務への需要に反映されることが難しいといわざるをえない。だってこの場合、相手の多くは警備を含めたお手伝い業を求めているのだから、それも安く。

ただインバウンドの外国人客や都市部の飲食業や現場系業務に従事する外国人がどんどん増えていること、今後特に朝鮮半島の有事の際に多くの難民が国内に流入する懸念があること、東京オリンピックを皮切りに国際的テロが国内でも起きて行く懸念があること、それに国家財政の困窮化により警察官の増員が厳しくなること等を考え合わせると長期的には日本の治安は悪くなる可能性が高くなるので本来の警備に対する需要は高まる可能性は高いというか高まらざるを得ないと思う。

それを今の「お手伝い業」のおっさん・おばさん・おじいさん方が担えるとは到底思えない(いっておくが決しておっさん・おばさん・おじいさんを馬鹿にしているわけではない。むしろお手伝い業的には今の若い人より遥かに優秀である)。

そのことを考えると今後警備会社として本来の警備をしていく、もしくはしようとする覚悟があるのか、あるとしてそれを人でするのかAI・ロボットでするのか、ということを真剣に考えないと行けない時代がきたんだなあと思った。つまりは本物の警備の意味を。






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