時の試練を経たもの

1. 昨日、移動の車内で20年ぶりにスティーヴィーワンダーのアルバム「インナーヴィジョンズ」を聴いた。

学生時代、渋谷駅前の某有名レンタル店でバイトをしていたときに、バイト仲間から奨めてむらった作品だ。

レッチリがカバーしたハイヤーグランドを始め、汚れた街、くよくよするなよ、いつわり、そして個人的に好きな曲であるゴールデンレディといった名曲ぞろいで確かグラミーを取った1973年のアルバムだ。

今が2018年だから45年前の作品なのに、全く色あせはしない。気は衒っていないが、聴けば聴く程にじみ出る旨味があるというか。

やはり時の試練を経たものには何かしらの安定感がある。

2.(1) それは企業でもいえるのではないか。

今年、去年できた会社は時流に助けられている感はあるが、何十年と続く会社は、いい時だけでなく、悪い時を乗り切った歴史がある。

その逆境を乗り切るには、付け焼き刃では計れないよさがあるはず。

2代目以降の経営者や経営後継者にはその良さを受け継ぐ特典がある。これは創業社長がどう逆立ちしてもかなわないメリット。

でもそれを逆にいうと、先代の経営者達が連綿と作り上げてきた良さを受け継ぐ責任があるということ。

自分の代で変えるにしても、その良さを尊重出来る人でなければ継ぐ資格はないと思う。

(2) 自分もまた2代目社長。会社の歴史はまだ創業後23年、株式会社にしてから21年だが、それでも、警備会社でありながら不況の20年を乗り切ってきた歴史がある。

その自社の有する良さは一言でいえば地域に根ざした実直さだと思う。

質の高い低いかかわらず、仕事に対して真面目であること。但馬人のもつ真面目さ、実直さ、があったからこそこの会社は警備業という差別化しにくいサービス業であるにもかかわらず、20年も続いた。先代の人柄が反映された部分もあったのだろう。

自分が継いでから兵庫県南部の仕事が増えた。セコム関連がメインだ。そのセコム担当者いわくうちは苦情が少ないという。

これもこの会社が持つ実直さが有効に働いているのだろう。これを生み出した組織風土は但馬人の気質が影響しているとは思うが、例え商圏を広げても、もっといえば将来仕事を変えたとしても実直さを生み出す風土は残していきたい。

それが、後継社長である自分の使命だと思っている。

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