現場、経営それぞれの暗黙知を尊重し合う関係

1. 「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で来ているんだ!」
御存知、踊る大走査線の青島刑事の名セリフだ。

なぜこのセリフが受けたのだろうか。

それは、会議室で法律やいろんな理屈を下に指示を出す本庁のエリートよりも、現場の人間の方が事件についていろんな情報や経験を持っているというと他業種に従事する多くの日本の視聴者も感じているからだろう。

2.(1) こういった個人の技術やノウハウ、洞察といった経験や勘に基づく知識のことを暗黙知という。

日本人が文章や数値で表現できる形式知を重視する欧米人よりも暗黙知を重視する傾向があると経営学者の野中郁次郎氏と紺野登氏は共著「知識創造経営」の中で言う。

この暗黙知というのは、現場サイドだけでなく経営サイドでもある。

例えば新規出店・撤退、大量採用・リストラ、人事・給与制度の導入、方針転換による部門間の売上比率の変更といった経営事項に関しても、過去のデータや表面的な理屈だけではない現在の経営環境や業界の動向等を考えた判断には洞察眼や経験といった暗黙知が求めると思う。

(2) だから少なくとも自社では決して経営サイドが現場の暗黙知を疎かにしているわけではない。

むしろ、現場の暗黙知の重要性を認識している。だから緊急時以外は社長が現場に出たり、日常業務に口を出すことは基本的に控えているし、今後もその方針を変えるつもりはない。

「トップに出来る事はトップに、現場に出来ることは現場に!」が自分のモットー。

それは社長と隊員という立派な成人同士がそれぞれの職務を責任を持って実行する。決して社長は隊員の親でもなければ召使いでもない。見方によってはドライとも言えなくもないが、契約によって結ばれた気持ちのいい関係が自分の理想とするところ。

というわけで自分は隊長に部門の現場に関してはお任せしている。


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