情報を守るのも警備の仕事

1. 昨夜、太田尚樹 著「尾崎秀実とゾルゲ事件」を読んだ。

朝日新聞の記者で第二次世界大戦前夜の近衛文麿政権のブレーンとして政治の中枢にいた男、尾崎秀実。彼は同時にゾルゲと繋がりのあるコミンテルンのスパイだった。

ソ連がドイツと日本の両面と戦うことを防ぐため、日本のトップシークレット情報をコミンテルンを通してソ連だけでなくゾルゲを通じてアメリカにも垂れ流し、政府の判断を対ソではなく、対米戦争に誘導する。

コミンテルンの構成員が政府の中枢に入れてしまい、しかも国民の命運を握る情報の垂れ流しができてしまう。

ここまで甘いのは、もはや尾崎秀実も含め国民性のレベルで情報に対する認識が甘いのではないかと思ってしまう。

2. でもそれも少しづつ変わりつつあるようだ。

最近、経営のヒト・モノ・カネに加え、情報というキーワードをよく目にするようになった。

警備業務には情報保護は直接的には含まれていない。

しかし近年、個人情報保護法の関係上、警備の仕事、とりわけ施設警備においても電話での問い合わせに対し、警察からと言えども、施設内のユーザー名を公表出来ないなど、情報に対する管理が厳しく問われるようになっている。

今からの時代、警備業の仕事は警備業法上の業務に限らず、情報保護もまた必須になってきたといえる。

顧客の財産をお守りするのが民間警備業。

情報もまた財産だと認識を警備に携わる人間はより意識すべきと言える。

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