組織内の仲間意識が引き起こす弊害に対処するには

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ほんまでっかTVでおなじみの脳科学者、中野信子氏は著書「ヒトは「いじめ」をやめられない」の中で、進化の過程で身につけた集団行動を促進させる向社会性が同時にいじめの要因になると脳内物質のオキシトシンやセロトニンといった用語を使って主張している。


ヒトは厳しい環境下、猛獣達から身を守り、食料を調達したり育てるためにお互い協力する必要があった。その中で本当に怖いのは集団の和を乱す身勝手な言動をする内部のメンバー。
その人間に制裁を加えることで集団の結束を守ろうとする。

つまり仲間の絆を大切にすればするほどいじめが助長される。

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特に日本人は地震や津波が多発する日本列島の中で稲作を育てる農耕民族。
なので自分勝手な人間に対する制裁意識が例えばアメリカ人と比べてもはるかに強いため、いじめもまた起きやすい。


2. (1)

そんな日本人が集まる組織の中でいじめを防止するには、メンバー個人の努力だけでなく組織の人的な流動性を高めることが必要だと彼女は提言する。

やはり現場でのメンバーの固定は、メンバー間の親密感が強くなるゆえ、イジメも起きやすい。
男の場合、それがパワハラ・セクハラといった直接的な形で現れ、女性の場合、無視とか激しい陰口と言った間接的な形で。

その点、自社のような警備業の場合、1人現場の場合はそういった弊害は起きにくいが、例えば3人体制の現場やイベント警備や片側通行の警備なんかは複数体制なため、そのへんのケアが必要になる。

そういうこともあり、隊員には複数の現場や業務をこなしてもらうように誘導している。

そうすれば、各現場内の人間関係の固定化がある程度防止され、風通しもよくなると思うからである。

でもまだまだ甘い部分があるのでさらなる対策が必要だろう。


(2)

業務の質を高め、本物の警備を実現するには集団の凝集性(集団が構成員をその集団の一員として動機付ける度合い)を高めることが必要。

その観点からミーティングや昼食会を行なっている。

でもそれによって生じる弊害にも気を配らないと離職率を高めるだけでなく、上記のようにパワハラが起き、会社そのものの信用性が地に堕ちることとなる。

要はバランスなんだろうなあ。

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