見出し画像

ピノキオピーさんの曲、いいですよね

 おはろん。最近聞く曲は米津、YOASOBI、Adoの三点セット、しらすです。

 音楽には「ボーカロイド」というジャンルがある。私が中学生のころはあまり聞いていなかったものの、今では当たり前にある「歌ってみた動画」にはまったとき、たまたまボーカロイドが歌う歌、そしてその曲がかっこいいなと思って高校生のころドはまりした。

 今ではタイトルすら懐かしい『千本桜』や「カゲプロシリーズ」、「kemu voxx」など様々なボカロを聴いていた。当然どれもそれぞれのカッコよさがあって好きだった。その中でも今でも好きであるのが、ボカロPのピノキオピーさんの曲だ。曲の雰囲気がすべて独特で、歌詞の言葉選びも繊細なうえに韻をめちゃくちゃ踏んでいる。

 本稿では、ピノキオピーさんの曲を聴いたことがあまりないという方にお勧めをいくつか紹介する。王道なものから個人的に好きなものまで幅広く。

 それでは、今日もご覧あれ...。

すろぉもぉしょん

 ピノキオピーさんを知っている方なら、「ピノキオピーさんといえばこの曲!」という人もいるくらいの作品。かくいう私も、ピノキオピーさんの存在はこの曲で知った。かつてニコニコ動画でランキングを片っ端から見まくっていた時に見つけた曲なのだ。

 本曲は、まるで誰かの人生の夢を見ているような感覚になる作品。どんな人間もきっと同じような道をたどり、同じようなことを考える。風邪をひいてしまった深夜にふと考えるのだ。嬉しいこと、悲しいこと、恥ずかしいこと、怒ったことなど色々なことが人生単位であったとして、それはそういうものだと受け入れるしかないし、みんなそうやって生きている。だからこそ、歌詞中では「恥の多い生涯なんて 珍しいもんじゃないし 大丈夫だよ」と優しく語りかけてくれる、そんな歌だと思っている。

アルティメットセンパイ

 パンチの強いキャラ「アルティメットセンパイ」に驚かれると思うが、そんなことよりまず曲がカッコいい。特にサビの疾走感は私が最も気に入っている箇所だ。

 色々他人がやらないようなことをやってみるものの、歌詞通り「鳴かず飛ばずの毎日を もがいているセンパイ」。自分のやっていることの正しさを、「上下左右」の「謀略」のせいもあって確信できない。それでも、たとえどれだけ不器用だとしても、どれだけ遠回りでも、自分の意志はあるんだぞ!夢はかなえてやるんだぞ!そんな前向きな歌であると感じている。

 歌詞そのものがポジティブかどうかはわからないが、私はこの歌を聴いて何度も元気づけられた。挑戦心というのは必ずどこかで人の心を動かすものだと思えた。

 勉強の休憩に聞くのが吉。

ぼくらはみんないみふめい

 世の中にあるもの、いる人、当たり前のように思えて実は不思議なんだなと思わせてくれる一曲。MVも招き猫、仏像、だるまなど独特な世界観を提供する。

 この世界はいつまで存在するんだろう、僕らはいつまで安泰なんだろう、周りの人は本物なのだろうか。色々な疑念を我々に投げかける。「夜が明ける、朝目覚める、首痛める、この体に自分がいる」「月が登る、星が光る、虫が跳ねる、それを見てる、あれいつまでここにいるんだっけ、いつまでここにいられるんだっけ」

 こうやって色々なことを不思議に思ったり、考えても無駄かもしれないことを「それでも君と笑っていたい」と、自分の中で大事なことだけは忘れず生きていたい。そんな曲。


きみも悪いひとでよかった

 今まで紹介した曲とは少しテイストが異なる、純粋にいい曲。転調や曲の雰囲気、歌詞の中身の調和で、私は初見で涙してしまった。鳥肌不可避。

 曲のタイトルである「悪いひと」というのは、我々のような「夕焼けが綺麗」だと言える人、「犬がかわいくて」と思える人。机上の空論のような素晴らしい人でない人。普通の人のことを「悪い人」というピノキオピーさんのセンスに乾杯。そして、「僕と同じくらい悪い」というみんな結局いい人ってわけじゃないんだと、ささやいてくれている、そんな優しさに包まれる一曲だ。


週刊少年バイバイ

 少し昔の曲。サムネイルからわかる通り、漫画家の苦悩のようなものを書いた一曲。

 早口で淡々と初音ミクの口から語られる漫画家としての人生の苦悩。

 サビで繰り返される「違う違う違う違う違う違う違う、じゃん!」のインパクトといい曲全体の疾走感といい、気づいたら終わっているような感じ。Cメロでは三拍子になり、物寂し気になる。

 癖の強い一曲なので、好き嫌いが分かれそうではあるが、漫画家という職業の想像上の仕事姿を一望できる、そして、やはりどこか「人生こんなもんでしょ」という威勢のいい諦観が混ざっている。それがピノキオピーさんなのかもしれない。

まとめ

 ボーカロイドというジャンルは、プロの音楽家とは違う良さ、具体的には個性を広げることに対する恐れのなさ、がある。私が思うピノキオピーさんの良さとは、少し書いたが「世界ってこういうもんだね、とあきらめを覚える一方で、本当に大事なものだけ忘れなければ素晴らしい」といったようなことを優しい言葉で伝えてくれるところだと思う。

 ぜひ、一度聞いてみてほしい。


いつも最後までお読みいただきありがとうございます。少しのサポートがブログなどクリエイト活動の励みになります。