興味本位でSMショーパブに行ってきたレポ

まぁ何を言ってるか分からねーと思うが、私も何を言っているかわからねー。

知らない世界は知識として知ってみたい好奇心旺盛な性格なので、SMショーパブ!?!?と興味をそそられたオタクくんのレポです。
今回はそのSMショーパブに行った事があるフォロワーを捕まえて行ってきました。

女性1時間1000円で鏡月、ウイスキー、ブランデーの飲み放題あり。フリータイムが2000円で同じ飲み放題があるリーズナブルな店でした。

長いし読みにくい文章だと思うけれども「どんなもんなん?」というフォロワーは見てくれ。




◾︎初めて踏み入れる土地◾︎


まず店内に入るとライトが赤・赤・赤!
いかにも妖しげ。いや怖……と震えながらフォロワーにしがみつく子犬のような私。
店内も暗めだが、店内は赤のライトではなく薄暗いバーのような明るさで毒々しさはなかった。
店内のお姉さん達はボンテージや透けている黒ワンピースに身を包んだ格好で、お尻丸出しで露出が高い。
大変えっちです(ありがとう)。
ボンテージで締めあげられた上半身は細くて、足元はピンヒールを身にまとっておりスタイルがいい人しかいない。

こんな華奢なお姉さんたちがSMショーをするのか……?とジロジロ見てしまったがマァそういう店である。店内はほとんどが男性客。
この人はMなのか?それともS……?とそんなことを考えながら座席を見渡すと、腹がスーツのベルトに大きく乗るほど肥えたおじさんが上半身裸で座っている事に気づく。
イヤイヤ何事?と思わず目ん玉をかっぴらいた。

平々凡々に生きているのでそのような光景は酔っ払いぐらいしか聞いたこともないし、なんなら普通に不審者だと通報されてもおかしくないのではないだろうか。
上半身裸体おじを見ているとやがてボンテージのお姉さんがその裸体に落書きをはじめる。乳首を目にみたて、へそ周りを囲うように口を描く。裸体に完成された現代の福笑いである。そしてそのおじさんが突然席を立ち、意気揚々と踊り出す始末。このおじさんはMなのか酒が入っているのかわからないがとりあえず嫌がってはいない事はわかる。
なんて所に来ちまったんだベイベーとガクガク震えながらフォロワーの腕を引っ掴んで震える私。
隣では何も動じずタバコを吸うフォロワー。
震える子犬に成り下がる私には心強すぎる仲間である。
そんな所に店員のスーツを身に纏ったイケおじが座席にやってくる。
私たちが座っている長椅子の座席には女の子2人、おじさん1人、そして我々2人の並びで腰掛けていた。
その我々に向かってイケおじはタバコの煙を吐き出しながら「ショーなんですが痛いやつか、甘いやつか、エッチなのどれがいいですか?」なんて問いかける。
何故なのか全員「痛いの!!」と答える。
まぁまぁなドSである。
ちなみに私は「痛いのとえっちなの!!」と欲望に忠実に答えたらイケおじはなんとも言えない感じで笑っていた。乾いた笑いでさえ様になるイケおじである。ちなみにフォロワーはガハハ!と盛大に声を出して笑っていた。ちくしょうめ。




◾︎そしてショーが始まった◾︎

程なくするとスポットライトが落とされ、ショーが始まった。少しアップテンポなジャズのような音楽が流れだす。
普段は店員であるボンテージのお姉さん同士がショーをするらしいが、今回は道を歩いていたガチ素人のお姉さんが「やってみたい!」と立候補してショーをするらしい。
そんなんアリなんか?と思いながらも、ここはアンダーグラウンドな店である。まぁそういうこともあるか……とぼんやり状況を受け入れた。
この界隈の常識やルールはわからないのである。
なにせレベル1の冒険者なので。

今から始まるショーに胸を高鳴らせながら釘付けになっていると先程のゲストであるお姉さんの後ろ髪をイケおじが掴み、2人揃って観客へお辞儀をする。
まるで主人と犬。そんな感想を抱く。
やがてゲストのお姉さんの髪を掴んだままイケおじは膝の裏を革靴で小突いて膝を地面につかせ、彼女を四つん這いにさせた。
そしてそのまま四つん這いの彼女のワンピースをゆっくり艶めかしい手つきで肩甲骨までめくった。
彼女がびくりと体を震わせているのは期待なのか恐怖なのか、はたまた歓喜なのかはわからないがその背中に灰皿を置く。
「エッエッ、何するの……!?」とドキドキしながら見ていると薄い銀色のシガーケースからタバコを取りだし、ベストからジッポを取りだして火をつける。
美味そうに吸い込んだ煙が口元から出ていくのが大変様になり、アダルティな空気感が店内を包んでいく。
私はと言うと「灰が肌に着くんじゃないか」「根性焼きとかしないよね……?」とドキドキしながら見ていると吸い終わってから無事灰皿は近くの机へと避難されたので少し安心した。まぁさすがにそうよな。

服を脱がされたお姉さんはブラとパンツ姿で観衆の目に晒された。
お世辞でも細いとは言えないその体はぼよんとお腹の肉が可愛らしいひょうたんのようになっていたが、驚くべきことはそこでは無い。

めっっっっちゃ下着がえっち!!!

お尻がまるまる透けてる黒の下着で思わずめん玉をひん剥いた。いやはや、人の下着の趣味である。まぁ多少エッチな下着が好きな人はいるだろうと少しだけ落ち着かせたが心音はBPM115くらいの早さを叩き出していた。刺激が強い。童貞にでもなった気分である。
その後はしなかやに見せつけながら赤い縄で上体、後ろに回された腕を縛り上げていく。これがまた大変エッチな手つきでブラのワイヤーと肌の間に親指をひっかけなぞっていったり、下腹部に手を伸ばして骨ばったゴツゴツした手がグリグリと上から押し付けて派手に彼女が喘ぐ。



目を輝かせながらエロ同人と性に奔放な友人から得た知識を目前で見た私はワクワクしながら行く末を見守る。
ゆったりと縄で縛られ、立ったまま首輪のように赤い縄が壁に括り付けられる。
そしてイケおじが彼女の前にたち、ベチン!と破裂音。
ビンタである。
ちなみにショー前にイケおじが言っていたが耳に空気が入らないように頬を打つのがコツだそうだ。
鼓膜破れるからなんかな。知らんけど。

突然のビンタにギョェ!と震えながらフォロワーにしがみつく。フォロワーは意にも介さずショーをガン見。心臓に毛でも生えてるのか私が臆病なのか。間違っているのは俺の方が世界の方か。なにもわからない。
そして何度かビンタした後、緩慢な動きで跪いたかと思いきや赤と紫のそれぞれの蝋燭に火をつける。
SMでよく聞くヤツだ!と思いながらじっと見ていると彼女の太ももに垂らしていく。

イヤイヤイヤ絶対熱いって!!!!!

ソワソワしていると白い太ももに赤が落ちて、彼女がボサボサになったボブヘアを揺らしながら「あぁ…っ♡」と喘ぐ。

え、えぇ……?喜んでる……?

こちとら熱さを想像してビクッと体を震わせていると言うのに。
Mであろう彼女は喜んでおり、その喘ぎ声には甘さも含まれていて「嫌がってるんじゃないんだ……」とわかるほどの恍惚の笑みを浮かべている。
知らない宇宙があるな、などと他人の痴態を眺めながら酒を啜った。今ならブラックオークションに出ているモブおじたちの気持ちがわかる気がする。

その後は繋がれた赤い縄の首輪を解いて寝転ばせ(後頭部の髪を掴んで寝かせてた。)、顔を革靴で踏みつけてビビり散らかした。そして近くにかかっていた1本鞭を取り出しては体を鞭でなぞりはじめる。
「ヒェッ……」とちいかわのように震えながら彼女の行く末を見守る私。
酒を啜っているはずなのに酒の味がしなかったのは薄めに入れてくれているからなのか、目の前の刺激的な世界のせいなのか。
くすぐるように肢体をなぞった後、イケおじが口元を歪ませながら鞭をしならせる。ビュン!と空を切る音と肌に当たった乾いた音がまぁまぁデカくて私は震えながらフォロワーにしがみついた。
私がヒンヒン言ってたら、フォロワーは隣で笑いながらショーをガン見していた。
私は汗でしっとりした手でフォロワーの服を掴みながら鞭で打たれながら喘ぐ彼女をオロオロ見守る事しか出来ない。一生で体験することがない光景である。

やがて「足開いて」とイケおじが命令する。恍惚な表情でおずおずと足を広げる彼女。ちいかわのようにプルプル震えていると、その股付近に振り下ろされる1本鞭。

イヤ!!絶対痛いって!!!!

私が男なら玉ヒュンってやつを感じたかもしれない。
まぁ私にはそんなものは着いていないし、そんな部分を叩かれた経験などないし想像もつかないがとにかくハラハラする。
小学校時代に縄跳びとか太ももに当たっただけでも痛かったのをぼんやり思い出すが、鞭なんてその倍以上の痛みであろう。怖すぎる。
あんあん喘ぐのを眺めているとイケおじが寝転んでいる彼女のすぐ側でしゃがみ、顎を持ってクイッと上を向かせると「気持ちいい…♡」と喋る女性。
イケおじに「もっと大きな声で」と言われてさらに大きな声で「気持ちいい♡気持ちいい……っ♡」と喘ぎ始める始末。すげー世界だ。

やがて足首を縄で縛り、イケおじが少し離れたところに椅子を持ってきて座る。
長い足を広げて「おいで」と手を広げるところに膝でヨタヨタ歩きながらご主人様であるイケおじの元へと近づこうとする犬である彼女。
たどり着いたかと思うとぎゅっと抱き締めて頭を撫でながら、耳元に軽くキスをする。
アフターケアと言うやつだ、とまたどっかの知識で手に入れた情報をシナプス回路を繋がせながら見ていると「ありがとうございました」とイケおじが顔を上げる。
そこには先程までの歪んだニヒルな笑みはなく、店内に響く拍手だけが響く。最初はだらしなく思えた体つきなのに、ショーが終わるとなんだかとっても美しく見えた。
ショーってすげ〜と思いながら「頑張った彼女にチップを渡したい人はどうぞ!」というアナウンスに耳を傾け、英世を財布から取りだして彼女のブラの肩紐にねじ込んだ。ちなみにフォロワーはキラキラした目でパンツに挟んでいた。

後に知った事だが、鞭は薔薇鞭というものを使うのがほとんどで1本鞭はかなり痛いらしい。
とんでもねードMのお姉さんだ……。


◾︎好奇心は猫をも殺すとは言いますが◾︎


ショーが終わり、人が程々にはけた頃合いにやはり蝋燭は熱いのだろうかと疑問を抱く。
今日は元々働いていたという女の子が遊びに来ていたらしく、その彼女に答え合わせをするべく蝋燭の事を聞いてみたら「してみる?」と。
見た目はパッと見清楚なセミロングの若いお姉さんである。
このお姉さんもここで働いていたと言うからにはMかSの性癖を持ち合わせているのであろう。
好奇心には勝てないので怖いものの、どんなもんか気になるしな!と思って私は「え!やります!!!」と元気よく答えた。

「垂らされるのと垂らすのどっちがいい?」

可愛らしい、ほんとに鈴の音が転がるような声で聞かれたが聞いている内容は凄い。
しかしながら、私はこの界隈ではレベル1の冒険者である。

「熱そうだから垂らされるのはちょっと……」
「じゃあ私に垂らしてみて、反応見て垂らしてみる?」
「アエェ!?アッ、ハイ!!!」

くすりと笑われたが好奇心には勝てないので素直にそれに従うことにした。フォロワーにも着いてきてとお願いして同じく席を立つ。
フンフンと鼻歌でも歌いそうな勢いで着いて来てたな…と後で思い出したけど私には当時その余裕はなかった。なんせ人様に蝋燭なんか垂らしたことがない。
ドキドキしながら赤い蝋燭に火をつけてもらい、垂らし方を教わったがゆっくり垂らすらしい。

いつの間にか来たイケおじが蝋燭を私の手から取り「皮膚が薄いところは痛いんですよ。つまり抓ったら痛いとこですね」とのんびりとした口調で女の子の内側の腕に赤い蝋燭を垂らしていく。

発言と行動がアンバランスで私はもう本日何度目かというほどに目ん玉をかっぴらいた。私がポテトヘッドなら目は常に取れていた。
「ハェッ!アッエッ……!!」と謎の奇声を発し、焦りながらもその様子をガン見した。その様子を見て笑うフォロワー。しかしそれをドヤす余裕は無い。
女の子がたまに「んんっ!あ…!」と耐えるように眉根を寄せるがやはり声色には甘さが混じる。
反応を見てと言われたものの、女の子はバタバタと足をバタつかせていてとっても熱そうなのである。あと今日初めて知ったが蝋燭ってのはどうやらすぐ固まるらしく、あまり垂れもしない。
垂らし方を目の前で教えられ、緊張と好奇心の狭間に胸を高鳴らせる私はイケおじから蝋燭を受け取った。

しかし怖すぎてヒンヒン奇声をあげて騒ぐ。手足がガクガク震えるとかではなく、マジでヒンヒン騒ぐだけのマナーモード野郎である。それを見てキュートアグレッションを発動させて喜ぶフォロワー(酷い)。

女の子がうるうると瞳を揺らしながらチワワのように見つめてくるので良心の呵責に苛まれながらゆっくりと蝋燭を傾ける。蝋燭を握る手は緊張により手汗でべちょべちょである。
「ああああ!ごめんなさい!ごめんなさい!!」と騒ぎながら白い腕に垂らしていくのがマジで悪いことをしてる気分になるが、女の子が「ん…っ♡」と喘ぐので脳がバグる。
ある程度垂らしたあと火を吹き消し、慌てて彼女の腕から固まった蝋燭をペリペリと剥がすと「ありがとう♡」とこれまた甘さを含む声色で言われるもんだから混乱し続けるしかない。

「痛かったですよね!?ごめんなさい」
「ううん、気持ちよかった…♡」
「ヒェ…」

この世界、とんでもねーかもしれねー。
ポカンとしているとイケおじに蝋燭が移る。
ショーでも使ったジッポをベストから取りだしながら火をつけ、私の手をするりと恋人繋ぎした。
ショーの時は私が座っていたのであまり分からなかったがこのイケおじ、かなり上背がある。背に比例してかマジで手の大きさが全然違う。
目前の予想だにしない出来事にビビり散らかしているとその赤い蝋燭を傾けられる。

「ヒェッ、怖い!うううう!」と情けない声を上げながら覚悟を決めるもののとっても怖いのである。産まれたての子鹿のように震えながら自分に傾けられる蝋燭。
「ひぇ…!」と、顔を顰めながら迫り来る刺激に身構えるが意外とこれが熱くない。
拍子抜けしながらポタポタと落ちてくる蝋燭を受け止めていると手首の血管辺りに垂らされた。

「ウワ熱ッッッ!?え!?アツ!!」

普通に熱い!!!!!!

揚げ物の時にパチッと跳ねた油の方が段違いに熱いくらい。とはいえ火傷するほどの熱さではなくとも普通に熱いんだわこれが。
それをゲラゲラ笑うフォロワー。絶対に覚えてろよ!!と思いながらガン見するも呑気なフォロワーには意味をなさない。
冒険者レベル1の私に勝ち目は無いということである。来店時はあんなに頼もしく見えたフォロワーが恨みがまじく思ったね。マジで。

その後は一緒に来たフォロワーも蝋燭を垂らされていたけども、全くの無反応でだったのでイケおじが「水かきの部分は熱いんですよ」と言いながら試していたけどそれでも無反応だった。
「わァ〜ほんとだ〜」なんてちいかわみたいな声でケロッとしているのがつまらん。もっと痛がれよクソ!

ちなみにフォロワーはこの店で蝋燭を垂らした事も垂らされた経験もあり、なんなら薔薇鞭も打ったことがあるらしい。経験値が私とは段違いである。
(沽券に関わるので補足しておくと、フォロワーも私もそういう面白いことが好きなだけでそういう性癖の持ち主ではない)

赤い蝋燭体験を終え、ベリベリと剥がしながらフォロワーを指さし「アイツ!アイツを痛い目に合わせて!!アイツ悪いやつ!!!」と騒ぐもガハハと笑いながら酒を煽るフォロワー。完全な負け戦である。
そして隣にいるイケおじが私の腕についた蝋燭を剥がすのを手伝ってくれるので、ふとした疑問をぶつけてみることにする。

「紫の蝋燭の方が熱いんですか?」
「ああ、あれは僕の私物なんですよ」
「しぶつ」

私物で蝋燭を…?と私の脳の処理速度を易々と超えていくがここはSMショーパブ。そういう性癖をお持ちの人が働いているのである。
ぽけっとしているとイケおじが椅子をふたつ持ってきて私を座るように言う。

おっ、ついにフォロワーに垂らすって事か!!

意気揚々と座ってドヤ顔をかますと、左真隣の椅子にイケおじが座る。
そして閉じている私の両足に、イケおじの長い左足が私の両足に乗って動かないように抑えられた。人間本気で驚くと声も出ないらしい。
3秒くらい遅れて脳みそが現状を理解しはじめる。

「ヒェ!!!ワ!ヒェッ!!!」

情けない声を上げながらオドオドしていると、先程私に赤い蝋燭を垂らされた女の子もフォロワーも笑っているではないか。しかしこちとら必死である。
初めてなの優しくして♡とか言えるような余裕も胸を高鳴らせるマゾな心もないのである。夢小説でそういう台詞10000回くらい見たけどあれ絶対余裕ある人間しか言えないって!!と後で思った。
そして未知の世界にビクビクしてるとイケおじがじっとこちらを見つめてくる事に気づく。

エッ…何……!?何!?

半ばパニックになりながら見るとダンディなかんばせがこちらをじっと視線を合わせてくるのだ。
チラチラ目線を合わせるものの、あんまりにもじっと見るもんだから気まづくて堪らず目を逸らした。
ただ怖いとかそんな威圧感はなくて、マジでじっと見つめられているだけである。
私にはわからないが、空気だけはある程度読めるので多分Mの子はあれでスイッチ入るんだろうなとも思った。なんだろう。押しつぶされそうな威圧感は無いけれど有無を言わせない雰囲気はあった。

そのうちイケおじの左手が私の右手をこれまたスマートに恋人繋ぎみたいに繋いできた。
絶対に蝋燭垂らされるマンVS垂らされるとは思っていなかった私VSダークライ。クソテロップである。
得体の知れない(正確にはどのくらい熱くて痛いのかどうかも知らない蝋燭を垂らされる)経験に怖すぎてぎゅっとイケおじ握るが、ガッチリと握られていて「あ、これ絶対にされるやつだ」と悟った。
まあやってもガッチリ掴まれているのでどうせ逃げられないけど、不思議なことに圧や恐怖はなかった。
多分本気で嫌がったらやめてくれたと思うので、さすがはプロというかその辺の塩梅が上手いんだと思う。

私には子犬よろしく震える事しか出来ない…とシワシワになった。今ならピカチュウ探偵の気持ちがわかる気がする。やがて緩慢な動きでイケおじが腕の内側を反対の指でスっとなぞってくる。
フェザータッチってやつだ…!とこれまたどっかで見たことを思い出しながら触れている肌を見る。
するといつの間にか紫の蝋燭に火をつけたイケおじが私の腕に蝋燭を傾けられ、絶対熱いやつや!!!!!!と私は衝撃に備えて体に力を込めた。

「……あれ?熱くない…?」

想像よりも全然熱くない。ちなみに仏壇用とかの白い蝋燭はめちゃくちゃ熱いらしい。
ポタポタと落ちる紫色が腕の内側を染めていくのを眺める。赤い蝋燭で経験を経たのか案外へっちゃらなのだ。
赤い蝋燭よりは熱いものの暴れるほどじゃないな?と鼻を鳴らして余裕をぶちかましていたら、手首の血管と親指の付け根にも垂らされて「熱ッッッ!?」と声を上げた。即落ち二コマか?
皮が薄いところや骨が近いところはマジで痛い。

普通に熱い!!!!何事!?!?

熱い熱いと言いながらも手が拘束されているので逃げることも叶わず。
「ヒェッ!」ともう何度目かの奇声を上げているとイケおじの手にも蝋燭が跳ねた。
エッシャツとか汚れない!?と思いながらも熱さに騒ぐことしかできない私。特段イケおじは動じていなかったので慣れてるんだろうな…と後で思った。
それにしても普通に熱いで、アレ…ウン…。
一通り垂らされたあと「これが蝋燭ってやつか」と新たな世界を知った私は、知的好奇心が満たされて満足していた。
何か掻き立てられる欲や新たな扉が開いたのか?と聞かれればNOである。なんか面白いもの見れちゃったな!という気持ちだけはあるが。

そんなことを考えていると、途端にイケおじにぎゅっと抱きしめられる。

「はえぇ…」と、どういう感情なんだお前は?と言いたくなるような困惑の混ざった情けない声を上げながらとりあえずイケおじの背中に手をちょっとまわす。シワにならないだろうかとかそんな事を考える余裕は無い。
マジで何が起こってるんだ、とスペキャである。
そのままヨシヨシと撫でられて、首元に頬ずりされたる。擽ったいというよりはまるで可愛いものを愛でるかのような、そんな戯れだった。
ふと触れあった耳たぶが冷たかったので「わ、つめた」と思ったが声に出すことは出来なかった。まじでスペキャなので固まっているだけである。
訳も分からずヨシヨシされていると、ちゅっと軽いリップ音が耳元で聞こえてイケおじが離れた。えっちなイケおじである。
ぽかんとしながらフォロワーを見ると、フォロワーは全然こっちを見ずに酒を煽っていたのでさすがのイケおじも「いや全然見てないやん」と笑っていた。全くもってその通りである。
ちなみに少し時間が経ってから気づいたが、さっきのショーのようにアフターケアと言うやつをされていたんだと思う。

その後は私が蝋燭を垂らしたお姉さんが隣のおじさまにピロンとスカートを捲られスパンキングされていたり(そのお姉さんもお尻が丸々透けているパンツだったので、もしかしてそっちの性癖の人はパンツ透けてるのかもしれない)、ゆるっと話したりと穏やかに過ごした。
全く知らない世界ではあるし、私がそうなることは無いが面白い世界だなといい刺激になった。




◾︎現へと帰る◾︎


帰る時間になって荷物を持ってフォロワーと席を立とうとすると、あの蝋燭を垂らした女の子が「また会えたら嬉しい」とぎゅっとしてくれて可愛かった。
それと同時にこんな可愛い女の子なのに性癖がアレなんだなぁ…と、しみじみ思った。
かくいう私も腐女子であるのでやべーやつには変わりない。ただの一般人から見れば好奇の目は向けられるだろうし。自分の物差しの外の事は、程度はあれどすぐに上手く飲み込めないものである。

終電も近いので立ち上がって出口へ向かおうとするとぬっと長身が視界に入る。あのイケおじである。
両手を広げて「また来てください」というのでぎゅっとして貰ったが、身長差がヤバすぎて胸板しか目に入らんかった。聞いたら179cmらしい。デケ〜。

ちなみに私は男性が苦手なので、触れられるのも基本的には無理である。人とぶつかりそうで危ない!とかで腕を引っ張られるとかでも嫌だったりする。
男性に触れられると後で思い出して嫌悪感が生まれることもしばしばある。
今回が特殊だっただけで普通にセクハラされたらぶん殴る自信しかないし、カチキレてまうでな。ワハハ!

しかし今回の件については、ぎゅっとされたり触られても特に不快感もないのでマジで不思議な感覚である。
まぁそれもこれも向こうは仕事というか、雰囲気作りというか、スイッチのオンオフというか、そういうのが上手いんだろうな〜〜〜と1つ知見を得た。知らんけど。
まあでも嫌な人は嫌だろうし、その辺は上手いことやってくれるんちゃう?知らんけど。

ちなみに下の階は拷問ショーパブになっているらしく三角木馬やアイアンメイデンの簡易版があるとの事。知らない世界は沢山あるなぁと思いながら、今度行こうとフォロワーと話して解散した。行って純粋に楽しかった。

入る前も入った後もあんなにプルプル震えていたものの、出ていく時にはまるで霧が晴れたかのようにスッキリとしている。
まあ体験してよかったのか?と聞かれれば別に体験しなくてもいいとは思うが、面白くはある。
アンダーグラウンドな世界に興味がある人は行ってもいいかもしれない。

まぁそんな感じでした。レポ終わり!
長くなりましたが読んでくれてありがとうございました!

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