見出し画像

お酒とビタミン

体内に入ったお酒は、アルコール脱水素酵素、アルデヒド脱水素酵素、チトクロームP450などの酵素を介して無毒化されますが、それらの酵素群のアシスタントとなっているのが下記のビタミンです。健康な大学生にウイスキーを飲ませ、その後経時的に採血をしてビタミン濃度とアルコール濃度を測った研究や、アルコール症患者と健常者を対象に生化学的検査を実施した研究などから、お酒を飲むことでこれらのビタミンが消費されることがわかっています。

ビタミンB1・B2・ナイアシン・B6
ビタミンC ビタミンE

また、アルコール症患者の肝臓の生検や剖検試料のビタミンA濃度を測定すると、脂肪肝、アルコール性肝炎、肝硬変と肝臓の病変が進むにつれてビタミンA濃度が低下していきます。


『最新ビタミン学〜基礎知識と栄養実践の手引き』より


さらに上記のビタミン以外でも、亜鉛・モリブデン・鉄が不足すると上述のアルコール代謝に活躍する酵素群の働きが弱まってしまいますし、アルコールを多量に摂取した時には、葉酸の吸収が阻害されること、マグネシウムやリンの排泄が増加することなどが明らかになっています。『百薬の長』もなかなか扱いが難しいですね



ここから先は

0字

栄養問答

¥3,000 / 月
このメンバーシップの詳細

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?