外資コンサルの考え① 「アップオアアウト」

アップオアアウトとは

アクセンチュアの人と面談の機会があったので、外資コンサル特有の考えのうち、「アップオアアウト」の考えをここでは紹介したいと思う。

「up or out」と英語にしたらイメージがわくだろうか。

upは成長する、outは出ていく。つまり、成長して会社に必要な人材として残るか、それとも別の会社に転職するか。

勿論、ご存じの通り、有能であるがゆえにヘッドハンティングで転職する人もいるが、一定数ついていくことが出来ずに退職する人も存在する。終身雇用制度が崩壊しつつあるとはいえ、いまだ窓際社員という言葉が知られている日本企業では馴染みのない存在かもしれない。

なぜ外資コンサルはシビアなイメージなのか

外資コンサルではよりこの割合が高いのは、抱えているクライアントの属性によるところも大きい。

海外進出する企業、はたまた、日本に進出する企業を対象にしているイメージは持っていただけるだろうか。

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2021年の予想GDPは、アメリカ21.92兆米ドル、中国16.49兆米ドル、日本5.10兆米ドルとなっている。日本は世界第三位だからすごいじゃないかと安心してはいけない。GDPは、国内で生み出された付加価値総額なので、世界11位の人口を抱える日本のGDPが大きいことは格段驚くことではない。

注目してほしい点は、各国、特にアメリカと中国のGDP成長率の高さだ。これが、先ほどの日本企業にはない外資コンサルの特異性に繋がる。

外資コンサルのクライアントとなる日本企業が海外進出を図る場合、アメリカや中国のような成長が著しい地域に進出することは想像に難くない。また、日本進出を図るクライアントも、十分な資本を持つグローバル展開を図れる企業であることから、同様の国に本社機能を持つということが多い。

それらの地域では図に示したように、高いGDP成長率を誇る。ということは、企業としての売り上げなどにみられる成長率も比例するように高いわけだ。成長率が停滞している日本経済を担う日本企業とは、バックグラウンドや舞台が異なるのだ。

これが、日本企業に慣れ親しんでいる人から見た外資コンサルのシビアさの背景だ。そのような中では、日本のGDP成長率的な成長を果たす人材は、落ちこぼれてしまう。

勿論、彼らが優れていないわけではない。日本社会でのみならば、高倍率の就職枠を勝ち取った彼ら彼女らは非常に優秀な人材なのである。しかし、今まで生きてきた日本社会とは異次元のスピードで成長する市場を相手にするのは、さらに相当な自己成長が求められるのだ。

以上が、今回紹介した「アップオアアウト」の考えの背景だ。

ここまで読んでくださりありがとうございました。グローバルな視点というものについて触れる機会になればうれしく思います。

また別の記事でお会いしましょう。

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