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揚ヶ産廃

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空気はきんと張り付いているのに、西陽がぼやけて影を奪う瞬間が好きで、やっぱり蜃気楼に溶けちゃいたいかも、なんて思った刹那から白張りの床に突き落とされる。紆余曲折があって、"いろんな辛いこともあったけど"急がば回れで、回収できるほどの執着も愛も残骸も持てるのでしょうか。捉えすぎた真実も、染み付いてしまった妥当も、まるだしでは嫌悪してしまうからオブラートに包むけどすぐに溶けちゃうとろとろどろどろゆめみたヘドロ月の裏側でないていた〈それは砂糖でできた偽物〉座面を張り替えただけで呪いは解けて、お手製の脱け殻から頂戴したステッキが道標になる。跡形も無くなったジンジャーブレッドを再生して、愛の消費に絶やされた魔女の家が、今日も悪魔の帰りを待っている。

カルキ臭い幸せの象徴に唾を付けて、骨を埋める程に完璧になれなかった街たちにキスの憂鬱を降らせる。土壌の匂いや磯の錆、そんな片鱗は大抵の人生に綴られているはずだ。生きているだけで尊いなんて一番責任のない言葉を、 他人の誕生に乗じて特別を描いて、他人の軌跡に馳せて唯一を穢して、そんなんで残ったものなんて。(ここまでは分かりきった形骸でしょう?)

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