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好きなコンテンツの祭りに参加したかったんだなと思った話

『リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版』のストーリーの大筋に関係のない、かつ公式前情報(告知映像や新テニスの王子様34巻の許斐剛先生インタビュー)で明言されている程度のネタバレがあります。
映画の全ての情報を遮断している方は恐らく読まない方が良いでしょう。


先日、『リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版』を見た。
Decide、Gloryの2バージョンを1日で見た。


私の以前書いてきた文章を読んだことがある方ならわかるかと思うが、私はずっとテニスの王子様シリーズというコンテンツを追い続けている、一人の登場人物に執着するオタクだ。

私の執着している忍足侑士さんも、この映画に出演するらしい……という情報はキャッチしていたので、上映日前からずっと観に行きたいと思っていたのだが、入場特典が彼の時に行く為にずっと観る機会を伺っていた。
あの有名なアニメ監督である新海監督が褒めたりしているのをTwitterで見たりして、どんどんと観たい気持ちが高まる毎日を送っていたが、彼のポストカードが貰える可能性のある公開から3週後にやっと観に行く事ができたのだった。

※ちなみに入場特典は10種類のポストカードをランダムで1枚貰えるというものだ。
色々なキャラクターを欲しがる人がいる訳なので仕方ないのだが、自分で引ける確率が10分の1なのは非常にキツい。


2021年 9月18日。
この日は都内は大雨、台風が関東に近づいて来ている日で「ついていないねぇ」なんてことを同行者の友人と話しながら映画館のロビーまで移動していた。
歩くたび跳ねる水で靴下が濡れて足首が冷たかったことをよく覚えている。


ちなみに友人のテニプリの知識はアニメ少し見ていた程度らしい。

キャラクターの名前は青学メンバーや初期目立っていた伊武や亜久津などは分かるが、都大会以降はニコニコ動画の空耳の知識程度かなとよく話していた。

いつも私が友人の好きなアニメ映画のランダム特典ゲットのために映画を見たりしていたので今回私もランダム特典のゲットの為に映画館まで来て貰った。
つまりファンムービーのメインターゲットから外れた人間だ。


劇場で、係員さんに銀の袋に入った特典を手に入れ、早る気持ちを抑えつつ開けてみると、そこには見慣れた顔のイラストがあった。

私の恋慕する人、侑士さんが10分の1の確率でやってきてしまった!

あまりにも嬉しくて劇場内のエスカレーターを逆走しそうになったりと変なミスをしてしまい、友人に心配された。私は運が悪いようで良い女のようだ。


映画の総評だが、私はテニスの王子様シリーズのファンであるから評価が甘口になってしまうが、良いものだったと思う。
友人からもお世辞かもしれないが「なんだかすごかった…」という感想を頂けた。


CGは絶対楽園追放のようなセルルックの方が良いと思うが、予算など考えると仕方ないのかもしれない。

侑士さんはかなり原作に似せていると思う。
テニプリのアニメ絵が少し苦手な私として、そこはかなりありがたかった。

侑士さんはポリゴンモデルになっても素敵だ。

しかし、やはり最近のアニメ絵寄りのCGと比べると違和感が拭えなくストーリーに少し集中出来ない事が多々あった。

だが、テニスシーンはテニス選手の動きをモーションキャプチャしたらしく、非常にリアルだ。
テニスシーンだけ浮いている気もするが、主題であるテニスをきちんと作り込むのは良いことだと思う。少しテニスするシーンが少なかった気もする。

……ミュージカルシーン減らしてテニスさせませんか?

ストーリーはなかなかハチャメチャ、伏線もコレどうなった!?(私が頭が悪いから拾い切れていないだけかもしれない)なところがあった。

しかし、要所要所挟まるミュージカルシーンやドタバタギャグのインパクトが強すぎて、頭から伏線がポロッと抜けていく気がする。

大筋はかなり王道なストーリーなのになんでこんなハチャメチャな映画になってしまったのだろうか。
(答:テニプリの映画だから)


映画が始まる前にDecide版では手塚国光、Glory版では跡部景吾が劇場にいる私たちに話しかけてくる時点で、映画の世界に入り込むための工夫がされていると思う。
手塚国光と跡部景吾には感謝を伝えたい。

ちなみに跡部景吾のファン以外は多分Decide版を見た方が良いだろう。
Decide版では全国大会でリョーマが戦った幸村精市に心配され、手塚国光と青学メンバーに背中を押される。
そんな自然な展開が見られるからだ。


私の好きな忍足侑士さんは少ししか出てこないが、それでも一瞬映るたびに嬉しかった。
特に横顔が綺麗だ。眼鏡のテンプルの隙間から見える切長の目が美しい。

彼にセリフや、もう少し彼らしいシーンがあったら嬉しかったが、高望みかもしれない。

彼は、実写映画の際も一言二言しかセリフが無かったし、新テニでは活躍が少ない人なのだ。




見終わったあと、ずっと友人と柳生……と話す程度には柳生比呂士くんの出番にインパクトがあった。
最後のミュージカルシーンでとても印象に残るようなソロ部分を歌いあげていたからだ。
しかもGlory版の場合、エンドロール後のオマケのキャラソンメドレーでもソロ曲が含まれてたし、優遇具合がものすごい。(PVも柳生比呂士くんメイン!)
柳生比呂士くん、ちょっと羨ましい。

侑士さんもこのくらいインパクトがあることさせて貰えたら嬉しいけれど、彼はアンニュイ美少年なので、今のままでいいのかもしれない。

彼は声も小さいし、多分スッと澄ました顔でいてくれる今のままのほうが彼らしく居られるだろう。




関係のない話なのだが、この映画を二回観た後日の夜はよく眠れて、かなり精神の状態か安定するようになった。

浮き沈みはあるが、その浮き沈みがかなり浅い。
翌日から不運続きだがなんとかなっている。
ぶつけて足の爪を折ってしまっても、スマートフォンの画面がカバーとプロテクトフィルムをつけていたのに割れてしまっても、積んでいた漫画を読んでいたら手を切ってしまっても、なんとか希死念慮からは逃れられているのだ。

恐らく私は、ここ1年ほどずっと『何かお祭り事』に参加したかったのかもしれない。


久しぶりの好きなコンテンツのお祭りは、とても楽しかった。
またお祭り事に気軽に参加できる世の中になって欲しいと願うばかりだ。

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