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存在しない事件についてのWikipedia記事の思い出

これは、フィクションであっても、凄惨な事件のWikipediaの記事は面白いという日記だ。

この話を読むにあたって、前提条件として『鳩羽つぐ』というバーチャルYouTubeがいる事を、知っておいていただきたい。

普通のバーチャルYouTubeとは違い、楽しくファンと雑談をするわけでも無ければゲーム実況をする訳でもない、ホームビデオのような日常の断片の動画を作成し、投稿していたユーザーだ。

このなんともミステリアスな動画の数々を見た深読み大好きなインターネットユーザーから、さまざまな仄暗い裏設定(誘拐説や死亡した少女説など)を空想されカルト的人気を誇っている。
そんな美少女キャラクターに、少しだけ関係する話だ。


どこのサイトで知ったかは覚えていないのだが、恐らく怪談について語るような掲示板か、オカルト系の話題を纏めているサイトであったと思われる。

Wikipediaに悪戯で作られた、鳩羽つぐが誘拐された事件という設定の記事があるという話題だった。
鳩羽つぐは前述のとおり、誘拐された少女という裏設定があるのでは?という深読みがよくされるキャラクターであった為、彼女が誘拐されるような二次創作が多かった。

私の鳩羽つぐへの興味は無関心寄りの好き
(可愛いイラストなんかが目に入ると可愛いなぁと思うが、わざわざサーチするほどではない)
程度であったが、実在の事件のWikipedia記事を読むのが大好きな根暗であったので、偽物の事件でもどのように書かれているのか興味を持ち、検索して現在は削除されたページの魚拓を見てみたのであった。

https://archive.is/SDWff

読めば読むほど衝撃だった。
Wikipediaにページを作るのはルール違反とはいえ、「そうか、こういう表現方法もアリなのか!」という気づきで脳がゾクゾクと震えた。

下品な言い方をすると、いやらしい表現や暴力表現はないのにものすごい興奮をおぼえた。
不気味で不可解な事件に巻き込まれた少女。それがこの子かぁ……という知的好奇心が満たされる感覚だったのだろうか。


みさきというオリジナルホラーモキュメンタリー小説や、存在しない暴力事件の被害者にキャラクターがなってしまう二次創作読んだことがあったが、これほどの衝撃はなかった。

個人的に微妙な箇所(怪文書元ネタそのままな所など)はあるが、非常に創作意欲をくすぐられた、良い文章だ。


私はこれを読んだあと、同じようなモノが自分も作りたい!とへんな創作意欲が沸き、好きな子供キャラクターが読者に誘拐されてしまうWikipedia記事調のSSを作った。
(二次創作+リョナっぽい作品なのでここにはリンクを貼らないでおきます。読みたい方はTwitterの固定ツイートのリプツリーにあるからそこから読んでください)

とにかくWikipediaの事件のページを読み、さまざまな事件の要素を組み合わせた。

短い、700文字もないショートショートにはなったが、あまり有名ではない事件のWikipediaの記事はあっさりしているのでなかなかリアリティがあったと思う。
それに私は当時、Twitterの140字全て埋めることすら難しいほどに、文字を書く事ができなかったのだ。


皆さんも、架空の事件のWikipedia記事という設定の創作を作ったら、教えてほしい。
私はそれが読みたいです。

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