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ジョージアの戦士たち Hangout Tbilisi #20

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ジョージアのスポーツ

こんにちは、Siontakです。ジョージアは夏が始まりあと二か月は終わりそうもありません。避暑にトビリシ脱出を考える日々です。
さて、今週の世界の旅人たちの連載テーマはスポーツ。各国のスポーツについて紹介するとのこと。

ラグビー

ジョージアのスポーツといえば記憶に新しいところでは去年の日本ラグビーワールドカップ、12か国の代表国の一つにジョージアも入っていました。ジョージアのラグビーは世界ランキングでは日本と実力が伯仲する国です。

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ワールドカップ中、ジョージアのとあるビールブランドはラベルデザインをワールドカップ仕様にしていました!鳥居をゴールに見立てて日の丸のようにラグビーボールが飛んだデザインはなかなか秀逸です。それだけジョージア人の日本で行われたラグビーワールドカップが注目されていたのでしょう。

動画を見るとジョージアのラグビー人気が伝わるかもしれません。

相撲

これも忘れてはいけない、ジョージアと日本の最初の文化の架け橋といってもいいほどで、栃ノ心関の活躍は日本にジョージアを知らしめた最大の功労者だと思います。

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2018年の凱旋帰国時はジョージアの相撲ファンクラブの面々と空港まで出迎えに行ってきました。ピンボケですみませんが、栃ノ心関の左隣にいる人はなにをかくそう、史上最初のジョージア人力士、元黒海関です。
栃ノ心関最近は体調が振るわないのとコロナによる無観客試合ではありますが場所中は多くのジョージア人が栃ノ心関の応援をしています。

柔道

栃ノ心関は相撲部屋を決める前までジョージア代表に選ばれるほどの柔道選手でした。ジョージアの柔道はソ連時代から強豪選手を輩出しており、リオ五輪では銀1、銅1とやや振るわなかったものの、今年の東京五輪では雪辱を晴らそうと大いに気合が入っていたと聞きます。
ジョージアが柔道が強い理由の一つにジョージアには柔道に非常によく似た格闘技「チダオバ」があるからと言われます。

相撲が古来より祭りのときに神前に奉納するものであるように、チダオバも夏祭りなどではおがくずをしいた土俵をつくり、優勝者には羊が送られるそうです。日本語でモンゴルやトルコのレスリングをわかりやすくモンゴル相撲、トルコ相撲と呼んだりするように、ジョージア語ではレスリングのことや日本の相撲のことをチダオバと呼んだりするようです。日本の国技が相撲であるようにジョージアの国技のようなものかもしれません。

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現在現役の力士は栃ノ心と臥牙丸の二人、これからも頑張ってほしいものです。こちらは毎年数回ジョージアの相撲ファンクラブが開くトビリシ場所のファン相撲の様子。日本人も参加歓迎とのことです。

ジョージアの格闘家=戦士説

ここまで挙げたスポーツに共通するものがなにかというと”組み合う”ことなんですよね。ラグビーは格闘技ではありませんがスクラムを組んだり、タックルする点では柔道相撲チダオバと近いスポーツです。


ジョージアは古来よりヨーロッパとアジアを繋ぐシルクロードの回廊にあり、幾多の侵略を受けてきました。ペルシア諸王朝、東ローマ帝国、モンゴル帝国、オスマン帝国、ティムール帝国などなど歴史上に名だたる大国の侵略に対し、小国ジョージアの民はその度に勇敢に戦ってきたことを、その勝ち負けにかかわらず、誇りにしてきました。村の男たちは農作業を終えると仲間同士で相撲(チダオバ)をとっては武を競い合い、危急の際にはいつでも戦える備えをしていたといわれます。
今でこそバスケットボールやサッカーなど世界的に人気のスポーツの観戦が流行っていますが、ジョージアの男たちには元来強い闘争本能が宿っているのかもしれません。そういわれるとジョージアの男たちは喧嘩っ早いのかと思われるかもしれませんがさにあらず、酔った上での口論でも滅多に暴力沙汰になることはありません。一度手を出したら最後、面子をかけた仲間同士の大きな抗争になってしまうことを互いに知っているからだと、僕は聞いています。ジョージアへの侵略は今も続いているとジョージア人は言います。2008年の南オセチア戦争は事実上ロシアによる侵略戦争ととらえることもできるでしょう。
なにかの拍子に突然「キレて」しまって刃傷沙汰などが起きてしまう現代日本の病理を知らないジョージア人は日本のことを仁義を重んじるサムライの国だ、我々ジョージア人と同じく誇りを一等大事にする国だと誉めてくれることがたびたびあるのですが面映ゆいというか、一人反省してしまいます。

レスリング

ジョージア人がソ連時代から強豪を輩出してきたのはアマチュアレスリングでもあります。リオオリンピック男子フリースタイル57kg級では日本のエース樋口選手を下してジョージアのウラディミール・ヒンチェガシヴィリ選手が優勝しました。
昨年NHK BS1ドキュメンタリーでヒンチェガシヴィリ選手を追う番組が放送されました。僕はこの番組の現地コーディネートを担当し、ジョージアのレスリングを目の当たりにすることができました。

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