ゴールデンカムイ考察 佐一寅次梅子編

実写は杉元と梅ちゃんの関係掘り下げがありそうなので、実写映画前に原作の佐一と寅次と梅ちゃんの関係をおさらい。

佐一の家
祖父母と、父母と佐一ひとり息子祖父と父は大工。
※村人に損な役回り押し付けられる=休日にほぼ無償で修理修繕頼まれるけど断れない。
大工なので収入は中より少し上くらい。

梅子の家
父は不明、母はいる。兄夫婦が家にいるのでお嫁に出なければならない立場。
結婚相手を選ぶ立場なので、村で1、2の金持ち?

寅次の家
梅ちゃんに金をあげるために戦死が選択肢に入るということは、遺族年金と家の財産遺産は梅ちゃんと息子に入るということだから、祖父母と父母はすでに亡くなっているらしい。
少なくともそれを合わせたら梅ちゃんの治療費に足りると思ったから、戦死を選択したということかと。寅次から治療費が賄われたから目の治療ができた。

佐一と梅子
婚約していたけれども、佐一の祖父から結核が広がり一家村八分に…なのだけれども、そうなる前に結婚していたかもという可能性が。
佐一の父は外に働きに行く仕事なので、天候悪い日以外は朝から日暮れまで家にいない。本来なら佐一も14、15歳くらいから働きに出ているはずなのにずっと家にいる=働いていない。
いつから始まったのか不明なので何とも言えないけれども、少なくとも親が稼げなくなったらと思うと必死に働きに出るはずが、何もしていないのは確か。
母も父も佐一が何もしなかったことによる過労で死期が早まった。
佐一が家の手伝いをしていれば母はそこまで悪化しなかったかもだし、佐一が働きに出ていれば父が働けなくまで悪化することも無かった。両親どちらかはすぐには死なずに済んだかも知れない話。

対比で石川啄木が出てくるけども、石川啄木は病弱の家系で本人も病弱だったからあまり働けなかったけど、看病はやりきったから自身も……
佐一の家は少なくとも祖父も父も肉体労働している辺り、父方は体格良くて健康な家系。
結核の発病条件がストレスと過労、心労、栄養失調なので、父母が健康ならば発病しない。
年齢的に40代だとしても。佐一の家は大工なので、村では中の上くらいの収入だからこそ、梅ちゃんの両親は寅次ではなく佐一との結婚を進めた。金はあるので栄養状態悪くはない。

佐一父が死亡して家を出たのはファンブック年表によると1899年、佐一が生まれた年は寅次が寅の次の年卯年生まれで佐一も同じ年生まれだと仮定すると1879年なので20歳の時。婚約するにしても18歳19歳くらいからなので話が出たのは、2年くらい。

佐一が第一師団に入ったのが1903年なので、梅子と寅次が結婚したタイミングは寅次の3年間の兵役終わり?
寅次は兵役終わってすぐ再召集されたことに。

寅次と梅子
寅次が「俺のほうが…」と言ったけれども、軍で佐一と会ってコンプレックス再発っていうのはキツイ。
唯一勝てるところが「アイツは働いていない。不真面目」というところだったので、軍でそれなりに真面目にやっているところを見て自信を失くした。

寅次が佐一に「梅子を頼む」って言ったのは戦場での働きで敵わないと思ったからもあるけれども、金がないので目が見えなくなってきている梅子に対する、兄夫婦のプレッシャーに耐えられなくなったから、戦死で遺族年金+家と土地の売却を考えた。

梅ちゃん→佐一
少なくとも梅ちゃんは「この人ダメになる連れて行って」と言ったのに、無下にされたので、その時点で佐一に対する諦めはついてる。

まぁ…女からしてみればコッチの気も知らないでフラれたので、後のことは知ったこっちゃない。

月島も自分のことしか考えてなかったから、いご草ちゃんにフラれたわけだし。
でも、この時の月島は17歳くらいで親と離れたばかりで浮かれてたから、相手の両親にまで気を回せ。というのは酷なもので、でも女は惚れた男と一緒になるのに両親を捨てなければ…ということを考えなくてはいけない。
そこ「いご草ちゃんに両親の幸せか惚れた男かの選択迫ったのはお前だぞ」と遠回しに鶴見中尉が月島批判したところ。
じゃあ父からの脱却はどうしたら…の部分は結局最悪の結果しかないのだけども。
そこは鶴見中尉が島の人間に「お前らのせいでこうなった」とちゃんと罪を自覚させている。

佐一20歳目前で両親公認で「結婚すれば〜」と言われていたのに、結婚したら一生付き合う梅ちゃんのお家の事情に興味ないの、それはない。としか…兄夫婦が住んでいて家を出るしかないから「連れて行って」なのだし。
寅次が亡くなっても、再婚相手が決まるまで寅次の家にいて母が時々様子を見に来てたいわけだし。

梅ちゃんと佐一が一緒に駆け落ちしたらどうなっていただろう…梅ちゃんがこっそり内職で稼いで、佐一の理想の梅ちゃん像を演じてる姿を想像したら、ヘタなホラーより悍ましい話だなと。
惚れた男相手に自分で決めた道だから、永遠に佐一の理想を演じ続けるしかないっていう。
佐一の理想は働くことなんて考えないで一緒に干し柿食べて遊んでいた時期の梅ちゃんだから。
少なくとも干し柿の思い出最後に梅ちゃんも寅次も家の手伝いが忙しくなって、佐一の家には来なくなっただろうし、そこに祖父母の結核が重なって更に疎遠に。

佐一がマトモに稼ぐ気があったなら、金塊争奪なんて胡散臭い儲け話に首突っ込んだりしない。
すでに寅次が細かく計算してて、戦死すれば治療費は年金と家の財産で足りると思ったんだろうなと。
佐一に北海道行き勧めたのも佐一が金稼いでいるその間に「良い人と再婚しててくれ」だったのかも知れないし。その通りになったけど。
でも、相続税は考えられてなかっただろうから、再婚相手が治療費の半分出してくれるという条件で再婚したのかも?
お陰で、お金と誠意のある良い人と再婚できた。

愛か金かと言うけれども、自給自足だけじゃ生活できないご時世、金がなければ生活できないし子の生死に関わるから、女は金がない男相手に愛を優先する余裕はないという話でもあるかと。

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