ゴールデンカムイ アニメまとめ1

アニメで端折られた部分ではなく、演出に違和感のあったところを、なぜ違和感があるのか解説。というか覚え書き。


アニメ1期 

セリフのタイミング問題1

「俺は不死身の杉元だ」
最初からセリフ追加されてますけど、造反組野間が野戦病院で杉元を見たと…
杉元どの怪我で野戦病院行ったのだろう…最初のシーンの後なのか前なのか。

サブタイトル通り、この怪我で野戦病院に行って「不死身の杉元」と呼ばれるようになったのだったら、首撃たれた時点では不死身の杉元ではないので「俺は不死身の杉元だと」言ってるのおかしくないか?と。

野戦病院で医者にこの傷で生きてると言われたから「不死身の杉元」と自分でも名乗るようになったはずなのですし。

罠にかかった囚人の「ヘ?」
アニメのでは顔芸+「ヘ?」の声つきですが、原作は視線誘導の外の吹き出しに入った「ヘ?」なので、顔芸のみ。

間延び感凄い。


マキリの話終わったアシリパさんの顔アップ。
マキリの話してるときは顔が緩んでいたので、次の質問に備えて気を取り直しただけの顔ですが、アニメではアップ顔の解釈が違う。
父のこと思い出してちょっとセンチに→次の質問なので、物凄くテンポ悪い…

瞳揺らすくらいなら、止め絵+カメラワークだけで他に枚数回して欲しい…


尾形の銃剣引抜き。
ここの辺りの心理的駆け引きは、動画で見たかった。

原作の流れ
尾形がくくり罠あるの分かっていて探って「無いな」と油断したところで銃が引っかり焦る尾形に、杉元が奇襲かけて成功したと思ったら、避けられ逆に奇襲かけられたから、杉元の思考がフリーズして銃剣引き抜かれたというシーン。

一見アニメもそのままですが、尾形が銃剣引き抜く所はゆっくり目じゃないとならない。

前半の奇襲成功したと思ったら、避けられて懐に入られたから思考がフリーズして、銃剣引き抜く隙ができた。

アニメだと音「シュラッ」ですが原作の描き文字は「シュラァ」なので。

アニメの銃剣引き抜きだと、抜ききる前に、杉元に腕掴まれて投げられてもおかしくない。それを逆動作でわざとやったのが尾形が腕折られるシーン。


人間用の罠を仕掛けた。
罠が多ければ多いほど獲物が取れる確率が上がる。 

見開き2ページに渡ってのアクションで、最後のコマだけスローという罠…

次のコマの銃剣止め絵はカットされてしまいましたが。あれがないと、緊迫感と緩急がない。

わざとなのか、わざとじゃないのか分からない。
最初のVS羆ので、これっぽっちもアクション描く気は無いんだな。なので。

以降アクションはテキトー、キャラクターの動きはモッサリの連続

上座下座問題
アシリパさんが自分の家(母方の祖母の家に)に、杉元連れてきた所。
アシリパさん現在住んでいる家なはずなのに、下座ってどゆこと?

母方の祖父が村長ということは、跡継いだアシリパさんの父は婿養子…だとすると、アシリパさんの母の実家ではなく、生家…

アイヌは祖父母と同居しないらしいですが…だからって客として?
それとも、アシリパさん、すでにここに住んでないのか?と匂わせ過ぎ。

いや、そこは、普通に原作通りにしようよ。
尾形育ちがいいと思ったのは、フチの家の下座で行儀よく待っていたからなのですし。 
家の上座が分かっているからこそ。

そこそうなると、作画激ムズですけど、杉元の隣に並ぶためにアシリパさん下座なのはどうにも、フチに彼氏紹介してるみたいで気持ち悪いので。並ばせるなら、せめて逆アングルからの上座にして欲しい。

円盤ブックレットに、アイヌの家は囲炉裏挟んで右上座、左下座とあったので、そこまでして二人並ばせたいのかと…狂気すら感じる。


2期 

あんこう鍋問題

原作は明け方ですが、アニメは満月の夜…

そこどうなのだろう…普通人の家に忍び込むならば、日が完全に沈んでから、日が登る前に事を済ますわけで、わざわざ明るい満月の夜に人の家忍び込むなんて、全然忍んでないじゃないかと…

満月ならばランプ点けずに、月明かりだけで事が済みそう。

家の縁側は南向きなので、満月が高い位置にあるときは、月明かりでめちゃくちゃ明るい。

アイヌの家の向きには拘るのに、日本家屋の縁側の向きには拘らないスタッフ…

縁側は、月見と日向ぼっこのためにあるんですし。

欠けている話で、満月という皮肉?

明け方…丑の刻参り、旗手の旗、かわたれ(彼誰)時、鶴見さんと朝帰り、幼少期は鳥裁けない尾形と、ニワトリ捌いて仏間に血を撒く現在の尾形。
文字では「鶏肉」と言っちゃってる…トリニクって何の肉?

尾形の小刀についているのがニワトリの血なのは、鳴かれたら困る時間帯だから…
そして父に捧げる処女の仔羊の代わりは勇作さんとニワトリ…

人の一生
夜明け誕生、朝子供、昼青年…

朝日に背を向ける子供尾形と、昼の日差しに背を向ける尾形。

朝日、旗手の旗、死神落語、怪談(階段)話、カインとアベルの呪い

要素多すぎにしても、死神落語と明け方だけは外したらダメだろうと…
 
逆にこの回、情報として原作の何が要素として残っているのだろう。

仏間と、自刃セット(小刀と白布)、火鉢とランプ。簀巻きにされて転がされた花沢師団長。勇作さんとの階段話と、舞台設定だけ…


1 期 アシリパさんと杉元の出会い
2 期 あんこう鍋
3 期 イヌドロボー

満月三部作になってるので、満月は置いといても、ランプ消えたと思ったらまた点いた。
また点いた時には前より明るい。
死神が枕元に立つと…

消(け)える〜消(け)える〜帰(けえ)る 

帰(けえ)るは、北関東や、東北、北海道でも…

死神の所へ帰(けえ)る

尾形の怪談な語り口と、鶴見中尉との馬車の中のやり取りは、何回も聞いてしまうほど好きなのですが、この語り口には一瞬明かりが消えるベタな演出無いと物足りない。

何かが欠けまくっている回…

そして、ひとり語りなはずなのに、誰目線か分からない、唐突な尾形母の聖母子は何なのだろう…


発言者間違い。

同梱版のほう、大蛇回ですが、白石のセリフを尾形が言ってる。

00年代くらいの女性向け漫画だと吹き出しの<が無い漫画が多かったので、アニメ化の際、発言者間違いは結構あった気がするんですけど<ついていてそれは無いだろと… 

当時の漫画の描き方の教え方が変だった。絵隠しても誰のセリフか分かるようにみたいなので、誰の発言か考えないと分からない漫画多かった。

今は一周回って、セリフのしっぽはきっちりつけましょうに…多分。

だから、原作途中からセリフに顔アイコン付くように…セリフに尻尾ないのだけでいいです。ぶっちゃけ。

アシリパさん以上に、ヘビにガクブルする尾形という面白回なのに台無し。
ヘビと口にするのも嫌な尾形…それとも、セリフ少ないから強制的にセリフ言わされたパワハラなのか…

ほら、猫は蛇が嫌いと……


3期

トナカイ狩り
マントinはしなくてもいいですが、少なくとも狩場に到着するまで、尾形とアシリパさんは密着してないとダメなのでは?

昔TVで、山に入る際、複数で来たことを獲物に悟られないように、服交換してるような猟師のドキュメンタリー観た気が。
二瓶谷垣も互いの匂いつけるために洗いっこしたはずで、アシリパさんと尾形互いの匂いがついてないと意味がない。 
やりたくないのは、分からないでもないですが…狩猟漫画なので…そこは…密着するくらいは。
どさくさ紛れに、イチャついてるだけではない決して…いや、そうだけどさ!!
逆にそこで離れてると、事前に互いの匂い存分に付け済みなのか?とあらぬ誤解を周囲に…主にキロランケ…

にしても、原作キロランケ回想でアシリパさん前にしたソリの並びの時、尾形が空間空けて虚無の顔してるの面白すぎ。

多分アシリパさん前だと色々アウトなのだと…

じゃあ、やっぱりアシリパさん前はナシの方向で…尾形が色々持たない…


セリフのタイミング問題2

コレは円盤ブックレットにも…
白石助けた杉元がセリフを笑いながら言うか、後から笑うか…

後から笑うなら、吹き出し上で先じゃないと…
アニメはヒロインを爽やかに助けたヒーローみたいな。
確かに白石は非戦闘ヒロインポジションですが、遠目に見ても白石は白石なので「白石いるなら、アシリパさんいる」と意気揚々と助けた原作杉元はドコヘ…

大雪山では、鹿撃ち損じたらアシリパさんと尾形にW叱責されるからと、白石助けなかったクセに。
アニメは更に皮肉効いてて、二人に責められない状況なら、平気で撃てると…

いや、そこも尾形の銃声で鹿散り散りにいなくなったのに、どこから都合よく杉元がじっくり狙って撃つまで待っていてくれる鹿が出てきたんだ。と…

最早そういうギャグなのかと。

きっと、多分そう。
 

スピード問題2
矢を受けた尾形が崩れ落ちるところ、アシリパさん主観の超スローなはずなのですが…

そしてキロランケが倒れる所はスローではなく、止め絵から一気に…そして少しバウンドかと。

止めてから急加速的な演出と、シャッタースピードの違うスローの使い分け。

動き始めの止め絵はそこが始点のスロー、動き終わりかけの止め絵はそこから一気にみたいなの。

ソフィア…キロランケに気がついて笑いかけるとか鬼…キロランケと寝た罪悪感はどこへ…ウイルクの話上の空だったというのに。  

そして「太った」と前フリしているのにも関わらず、ソフィアの戦闘シーンでベルト描き足すのはどゆこと?と…
ソフィア太ったのもありますけど、ベルトあると、絵的な縦ライン分割になるので、戦闘シーンにおいては不要と絵的な要素も。
ベルトして動いたらキツイほどにお腹の肉ついてますし…

面倒くさい漫画って、考証もそうですがそいうことかと…
演出とカメラワーク、演技と心理描写が異常に細かい。

わざとやってるのか、そうでないのか… 
アシリパさんと、杉元は最初からキャラ設定が違うのでアレですが。
割を食うのは、扱いが中途半端な尾形…


小説原作だと、キャラクターデザイン以外は、世界観イチからなので演出は自由にできますが、漫画はそれ自体が映像作品か絵コンテなので、できるところは漫画の演出通りに。


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