試合内容は思ったほどひどくはなかったにせよ、道は険しく長い王者への挑戦。2/25 VS横浜Fマリノス。

こんにちは、お疲れ様です。
ほんの30分前にですね、明治安田生命Jリーグ第2節、横浜Fマリノス戦が終了しました。
現地組の方は天気が悪い中、お疲れさまでした。

スコアは開幕戦と同様の0-2の敗戦。
開幕から連敗スタートとなったわけですが、この試合を振り返っていきたいと思います。
レッズのスターターは開幕戦と変わらず。
GK西川、4バックが右から酒井、ショレ、ホイブラーテン、明本。
中盤が敦樹と岩尾。
2列目が右からモーベルグ、小泉、大久保。
トップにリンセンの4-2-3-1でした。
対する横浜も開幕の川崎戦から変更なし。
GKがオビンナ。
最終ラインが右から松原、畠中、角田、永戸。
中盤が喜田と渡辺。
2列目が右から水沼、西村、エウベルでトップがアンデルソン ロペスでした。

前半は完全に押されました。
とにかく横浜の圧力がすごかった。
SBは中央にまで支配力を持ってるわ、インサイドはガンガンプレスしてくるわでボールを運ぶことも出来ず、出鼻はペースを握られました。
それでも、西川のセーブと最終ラインの対処で何とか凌ぐと段々とボールも運べるようになってきました。
前半13分には相手のプレスを逆手にとった西川からのパントで酒井が抜け出すなどひっくり返す動きも見られていました。
しかし、その5分後に被弾。
アンデルソンロペスが下がってきたところに付いていったホイブラーテンのクリアミスから繋がれて左に展開。
オーバーラップした永戸がアーリーめで入れたボールが流れて一番奥の西村へ。
その西村の折り返しを最後はアンデルソンロペスに頭で押し込まれました。
前荷重になる守備で楔を競りに行ったホイブラーテンを責めるのはどうかとも思いますが、そこからの対応が不味かったですね。
永戸にほぼフリーでクロスを上げられ、明本は西村のポジションを見ていなかったのかかぶってしまい、チェックに行くのが遅れ、西村のクロスに対してホイブラーテンのポジショニングは誰に付いているのか分からず、敦樹は競り負けて前を取られるという初歩のミス。
小さくともこれだけミスが続けば王者は見逃してはくれませんでした。

しかし、このゴールの後もレッズは腰が引けずに前に出続けてましたね。
リンセン、小泉は良く走ってましたし、モーベルグ、大久保にパスが入った時に両SBのオーバーラップが必ず付いてきて攻撃の形は整理されたのかなと感じました。
特に前半30分からは完全にレッズの時間で決定機こそありませんでしたが、完全に五分五分のように見えました。

後半に入り、レッズはリンセンに代えて慎三さんを投入。
これが今日の一番良かった点ですかね。
とにかく、パスの収まりどころが出来たと事でショートカウンターの起点が出来ました。
前半はボールを奪うと、前線のリンセンはDFラインの裏に走ることが1stチョイスでした。
もちろん、コンセプトの速くDFラインの裏を突くという動きなので何の問題も無いんですが、いかんせん1人で何とか出来るタイプにも見えないリンセンが最前線で孤立しているように見えるのも確かでした。
これが、慎三さんが奪ってからの楔を受ける形に変わったことでサイドが活性化しました。
特に7分のモーベルグが抜け出したシーン。
あれは決めてほしい。
あれが決められないのでは結果に繋げるのは厳しすぎる。

・・・・・昨シーズンは、あそこで抜け出したのはKY7だったんだよなぁ。

なんて”たられば”は止めにしまして、起点が中央に出来たことで厚みを増したレッズは足の止まったマリノスに大攻勢をかけていきます。
攻撃の核は奪ってからのカウンターが主でしたね。
奪ったボールを1度センターの慎三さんに当てて、サイドに開いたら、その裏をSBが追い越していき、インサイドに落とすとそこからサイドに展開するといった具合で横浜を押し込んでいたと思います。
サイドアタック時は中にしっかりと3人揃うことがほとんどだったので、この点でもスコルジャ監督のやりたいフットボールが浸透しているようでした。
最後の局面で点が入らなかったのは大きな課題ですが、王者相手に押し込む時間を作れたのは結果的に見ればよかったのかなと思います。

さて、試合は結果的に21分にモーベルグを下げた時点で終了していた感じでしたね。
慎三さんに入ってもそこからの崩しの局面を担えるクオリティが下がれば、攻撃の圧力は下がります。
勝負に出たのか40分に敦樹に代えて松崎を投入することでバランスを崩し、最後の最後でヤンマテウスに被弾しての0-2でした。

同じスコアではありますが、前節と比較したら数段良かった試合だったと思います。
一時は同点に追いつけるのではないかというところまで行ったのは収穫だと思いました。

しかし、引いた眼で見れば、大きな大きな差が開いているなとも感じました。
第一に中盤の差です。
横浜はキャプテンの喜田と売り出し中の渡辺。
途中から出てきたのは日本のホープとさえいえる藤田。
こちらは、敦樹は確かに将来を有望視される選手だと思いますし、現代フットボールに適応した才能を持っていると思います。
ですが、その隣が岩尾でははっきり言って勝負になりません。

岩尾をすごく褒める人がいるんですが、正直、スコルジャ監督のコンセプトにあってるとは到底思えません。
何故なら、スコルジャ監督のフットボールは現代のオーソドックススタイルで求められるのはインテンシティだからです。
一昔前であれば、テクニックがフィジカルを凌駕している時代がありました。
ですが、時代は移り変わり、今のフットボールで中盤のポジションに求められるのは強さです。
次が速さ。
最後に個性として上手さが来るのがトレンドなんです。

レッズにはある種の”司令塔信仰”があるのは私も理解しています。
歴代のチームで絶対的なパサーがレッズの攻撃をけん引してきたからです。
ウーベ バインから始まり、広瀬 治、小野 伸二、山瀬 功治、長谷部 誠、ロブソン ポンテ、山田 直樹、柏木 陽介。
個性あふれる名手たちがいて、ゴールが生まれてきたのは事実です。
ですが、もうそれは過去なんですよ。
上手いだけの選手が生き残れる時代ではないんです。
岩尾がパスだけではなく、技術だけでなく、力強さや速さがあって、パスを出した後にスプリントが出来るのであれば、何も言いません。
ですが、彼にはそれが出来ない。
これではどれだけハイプレスをしようと攻撃では枚数が足りずに迫力が不足しますし、守備では一歩目が遅くなったり、体で負けるために穴になりやすい。
ただでさえ、一列前にフィジカル面で大きなマイナスを背負う小泉を起用しているのだから、これ以上の穴を増やしていては継続した結果を出し続けるのは困難としか思えません。
更に言えば、岩尾は35歳。
これから生まれ変わろうとするチームで何故、彼を中心にしようとしているのか理解に苦しみます。

次に選手層の差です。
後半の頭に慎三さんが出てきて流れが変わったのにも関わらず、中々点が取れずにいて戦力を投入していかなければいけないときに出てくるのが関根では相手に対して一息つかせてしまう交代にしかなりません。
松崎も何か出来たわけではありませんが、これからを考えて打たれた策とも考えられません。
実際に関根しかいないというのが実情なのでしょう。
対して横浜はエウベルに代えて出てきたヤンマテウスはプレー面では何か特別なものを感じたわけではありませんが、追加点を決めていますし、39分にアンデルソンロペスを代えてマルコス ジュニオールが使えて、喜田を下げて藤田を出すことが出来る。
もう一度相手を押し込む交代が出来るわけです。

また去年の話だけど、KY7だけじゃなくて江坂も松尾もいたんだよなぁ。

正直、レッズの戦力は去年と比較しても相当ダウンしています。
特に2列目の量の低下は深刻ですし、上記にもいった中盤の質も厳しいです。
そんな中でスコルジャ監督は苦しい采配を強いられることでしょうが、何とか彼に現代フットボールのオーソドックスとは何なのかということを叩き込んでいただいて、それでいて勝ち点を拾っていけるチームに作り替えていってもらえたらと切に切に願うばかりです。

東京戦とは1試合でのガッカリ感は少ないものの昨シーズン騒いでた結果に辿り着くのは遠い道のりの先になりそうだなぁ。
なんてことを思う雨の土曜日。


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