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言葉・イメージ・インスピレーション①

大きな公園に母と男の子がいる。
二人は青空を見上げている。

母親が空を指さして、男の子に微笑む。

「空には沢山の生き物がいるんだよー。探してごらん」

すると男の子はある雲を指さす。

「あの雲、カニさん!」

母親は男の子の指差した雲を見る。
雲はモコモコの四角い形をしているが、カニのように見えない。
母親はニッコリと男の子に微笑む。

「そうだね。あの雲はカニさんに似ているね」

今度、男の子は違う雲を指さす。

「あの雲、猫さん!」

母親は男の子の指差した雲を見る。
雲はモコモコの四角い形をしているが、猫のように見えない。
母親はニッコリと男の子に微笑む。

「そうだね。あの雲は猫さんに似ているね」

男の子はじっと空を見て、雲を指さして笑っている。

「カニさん! 猫さん!」

何度見ても母親にはモコモコした雲にしか見えない。

男の子は空を見上げて実に楽しそうだ。
男の子は幸せの世界の住人だ。
しかし母親は幸せの世界に入れない。

母親は男の子と一緒にいる幸せを感じる。
しかし、男の子と一緒に空の生き物たちを楽しむ幸せを逃してしまった。

インスピレーションを忘れた故に。
イメージを忘れてしまったが故に。
言葉というモノをきちんと理解していない故に。

気づく人は気づく。
この一つの未知は、大いなる満足へ続く道なのだと。

詳しく知りたい方は、言葉・イメージ・インスピレーション②へ

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