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架空喫茶ホボハチ

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架空喫茶ホボハチ〜夢か誠か〜

カランカラン

出迎えてくれたのは、街の銭湯の女性番台さん。
今日は、喫茶ホボハチに常連さんが集まるという日。
私も行っていいものか、悩んだけれど会ったことはないけど話に聞いたことのある方達が集まるというので
勇気をえいやっと出して足を運んでみた。

中に入ると、いつものマスターふたり、講談師グループのお三方と、講談師の彼女さん、それに草野球の監督さん。あとひとり、どなたか分からなかったけれど、話

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架空喫茶ホボハチ

カランカラン

耳になじんできたベルの音を聞きながら喫茶ホボハチにはいるとKPOPがかすかに流れていた。

あ、今日はたつまさんがBGMのセレクトをしたんだな、と思いながら壁際の席へ座る。

店内には、しょーたろーさんが海外で買ってきたという置物が、乱雑だけどそこが自分の場所であるというように置いてある。

いつものようにトーストサンドと、豆乳ラテを注文する。ここのトーストサンドは厚切りの卵焼きが

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架空喫茶ホボハチ~さくら~

カランカラン

その日ホボハチを訪れたらいつもと様子が違っていた。なにやら催し物が行われているらしい。カウンター近くにある掲示板を見てみると、講談師の方がきているようだ。講談師といってもグループで活動しているらしく、身長の高い作家さん、デザイナー兼マネージャーの方、お酒好きな講談師の3人で構成されているらしい。

作家さんはホボハチに度々訪れており、その縁で今回の催し物が決まったんだとか。作家さん

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架空喫茶ホボハチ~不純~

カランカラン

今日は不純喫茶ホボハチの日。不純とはいってもいやらしい意味ではなく夜の部としてアルコールが提供されるのだ。ソフトドリンクと対をなしてホボハチではアルコールは「ハードドリンク」と称される。私はお酒が強くもなければ弱くもないので、嗜む程度に楽しく飲むお酒が好きだ。ナッツをあてにジンバックを飲んでお店に来ているお客さんの話を盗み聞きするのが楽しみになっている。

お昼のホボハチでは決まっ

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架空喫茶ホボハチ~インド~

カランカラン

あっ!この香り、このBGMは、チャイの日だ!

チャイとはインド発祥のミルクティーで、その昔インドで作られた紅茶のうち良質なものはイギリスに輸出されてしまって、インドに残った商品にならない茶葉を美味しく飲むためにスパイス、シュガー、ミルクで煮だした紅茶のことだ。とっても甘くてスパイスの香りがよく、あたたかいチャイは茶葉から家で作るには少し面倒で、でも簡単に作れる市販の粉のチャイでは

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架空喫茶ホボハチ~たられば~

カランカラン

その音で、読んでいた本にしおりを挟み閉じる。すこししか時間が経っていないと思いきや飲んだ豆乳ラテはすっかり冷めていて集中して本を読んでいたんだな、と思う。
今読んでいる中山七里さんの能面検事は、続きが気になって一気読みしてしまいそう。検事と新米事務官、ふいにスパイス的に飛び込んでくるこてこての関西弁の先輩とのやり取りがなんとも、面白く次に次にとページをめくってしまう。

少し目を休

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架空喫茶ホボハチ〜REAL〜

今日ホボハチへ向かう足どりはいつもより軽い
いつもも軽いけど今日はお気に入りのスニーカーにバネが付いているよう。軽いスキップ並み。

それは何故かと言いますと、ホボハチさんからお手紙が届いたからなのです。
お仕事から帰って来た母に何かお便りとどいてるよー、ふーん、と何気に手に取った小さめの茶封筒。差出人の下の名は聞き慣れたお名前。
わくわくしながら開けるとそこには幸せが詰まっておりました。

手作

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