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騙されないために知っておこう!ステマレビューの実態

家電を購入するときに、購入者のレビューをチェックする。
ランチのお店探しは口コミを見てから入るかどうかを決める。
買い物や食事で失敗をしたくないという心理から、他の人の評価を参考にすることが一般的になってきました。

ところが、その評価が不正にコントロールされたものだとしたらどうでしょう?
自分のレストランの評価を友人に依頼して「星5つ」にしてもらうというようなことは、これまでもあたり前のように行われてきましたが、これがもっと組織的になって「ステマレビュー」というひとつのビジネスになっています。

Amazonではステマレビューがあたり前

Amazonで買い物をしたことのない人は、ほとんどいないかと思います。Amazonの商品には購入者のレビューがあり、それが購入の決め手になることもありますよね。ところが、Amazonのレビューの多くがステマレビューで、大きな問題となりつつあります。

ステマレビューというのは、ある商品に対して星5つなどの高い評価をして、ポジティブな内容のコメントを書き込むことを言います。Amazonの場合には、この書き込みを請け負う会社があり、そこに依頼すると、何百件もの高評価でポジティブなレビューを集めることができます。

もちろんステマレビューを依頼するのにはお金はかかりますが、高い評価が購入につながりますので、その投資したお金は簡単に回収できるというわけです。

問題なのはそのステマレビューの内容が、事実とは異なるということです。レビューを信じて商品を購入したら、すぐに壊れたなんてことが頻繁に起きています。

NHK「クローズアップ現代」でも特集が組まれていましたが、ステマレビューは中国に発注されることが多いので、以前は日本語の間違いなどで見抜くことができるようになってきました。ところが、最近は手口がかなり巧妙になっており、ステマレビューなのか本当のレビューなのか見抜くのが難しくなってきました。

ステマレビューのないレビューサイトはない

Amazonはステマレビューだらけだとお伝えしましたが、実は他のレビューサイトも同様です。例えば食べログもステマが多く、さらに食べログに年会費を払わないと評価が上がらないという仕組みがあり、何のためのレビューサイトなのかわからなくなっています。

レビューサイトとしてすでに体をなしていない状態にあるため、インターネットに詳しい人たちは「もう食べログはオワコン」として、Google Mapを使ってお店探しをしています。ただし、ステマレビューを知らない人たちのほうが多いため、食べログが改善される様子はありません。

ところがGoogle Mapの評価も徐々にステマレビューが増えてきました。そこに影響力の高いレビューがあるかぎり、ステマレビュービジネスがなくなることはありません。まるで餌場を探す肉食動物のようですが、これが現代のインターネットの現実です。

他にも映画の評価サイトなどでもステマレビューが増えつつあります。映画は1回で2,000円近い出費になるので、失敗したくないという心理から、他の人のレビューを参考にするかと思いますが、ネタバレになるのが嫌なのでコメントまではあまり深く読み込まない傾向にあります。

このため、単純に評価点だけをチェックして、観に行くかどうかを決めてしまうため、ステマレビューで星5つを増やしておけば、それだけ動員数を増やすことができるわけです。

ブログやYouTube、SNSでもステマレビューがある

ステマレビューがあるのはレビューサイトだけではありません。人気の高いブログやYouTube、SNSでもあたり前のように行われています。

インフルエンサーと呼ばれる影響力の高い人に商品を紹介してもらうことで、それを見た人が購入するという仕組みです。例えば人気モデルが「このドリンクを毎日飲みだしてから、肌がとてもきれいになった」とSNSに投稿すると、その投稿があっという間に拡散され、商品が売れるというわけです。

好きなアイドルや芸能人が使っているのと同じものを手に入れたい。そういう心理をうまく利用したマーケティング方法です。ただ、実際に使っていて紹介するのであればいいのですが、使っていないのにお金をもらって紹介していることが多々あります。

あまり意識をしたことがないかもしれませんが、テレビ番組などではステマが横行しています。CMは明確に広告になっているのでステマではありませんが、自然な形で商品やサービスを紹介するといったことがあたり前のように行われています。

他の人の評価は参考程度にする

ステマレビューは海外では違法となっていますが、日本では取り締まるための明確な法律がありません。様々な法律により違法性は高いとされていますが、法律の抜け道が多くて、機能していないのが現実です。

このため、私たちには「レビューをあまり参考にしない」というスタンスが求められます。商品購入前などに、少し目を通すのはかまいませんが、そのレビューが嘘である可能性も頭に入れておかなくてはいけません。

そういう意味では低い評価のレビューのほうが参考になるかもしれません。ただし、最近はライバルが相手の評価を落とすために、逆ステマレビューをすることも増えつつあります。こうなってくると、もはや何を信じればいいのかわからなくなってしまいます。

どこの誰が書いたかわからないレビューには、嘘が含まれている可能性があります。本当の評価を知りたければ、信頼できる人の個人レビューを参考にするか、親しい友人の情報を参考にするのがおすすめです。

現在、私はステマレビューのような社会に潜む闇について調べています。
初めて書いたnote「ひととき融資はリスクが高くて割に合わない 」もよろしければご覧ください。

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