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アラサーとジブリと時々ハウル

 突然ですが、皆さんはジブリが好きですか。きっと、好きな人も嫌いな人もどちらでもない人もいることでしょう。

 昨日、『千と千尋の神隠し』が橋本環奈・白石萌音主演(Wキャスト)で舞台化されるとのニュースが入ってきました。翻案・演出を手掛けるのは、『レ・ミゼラブル』の演出を手掛ける、英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクター、ジョン・ケアードというビックプロジェクト。(めちゃくちゃ観劇したい!)

  でも、今日お話しするのは、『千と千尋の神隠し』ではありません。(じゃないのかい)私はジブリ作品は割合好きなのですが、中でも、「ハウルの動く城」がジブリ作品の中で個人的に一番好きな作品です。今日は、少しそんな話をしておこうと思います。

「ハウルの動く城」(2004年公開 そんな前なのか…)は、「千と千尋」(2001年)以来の宮崎駿監督作品です。「『千と千尋(の神隠し)』は宣伝のおかげでヒットした。」というような話を聴いた宮崎駿監督は、「公開の前からいろいろ情報を出して、大々的に宣伝するのはやめよう」とおっしゃられたそう。職人ですね…。ワガママというかプライドが高いとも言えますが、創造する人にはそういう拘りを大事にすることも必要でしょう。自分の関わる作品に自信があるから言えることだよな…。(巨匠だから許されるとも言えますが)

 そこで、プロデューサーの鈴木敏夫さんは、「ハウルの動く城」では予め大々的に宣伝しない、「宣伝しない『宣伝』」をすることをしたみたいです。直前まで具体的なことは語らない。一週間前くらいになって、詳細を発表することで、結果的に世間の注目を集めることができた、という逸話があるらしいです。(参考:「ジブリの大博覧会展」 2015年 スタジオジブリ)

「ハウルの動く城」の初見は映画館のはずですが、何しろ小学生だったもので、広告などはあまり意識していませんでした。

「ハウルの動く城」の成功の裏にはそのような宣伝戦略があったのだなぁと感激したものです。

 私がハウルを見ていて、印象的なのが、色の使い方です。登場人物の髪色の変化も心情描写として描かれています。今回は、それを、私なりに考察してみたいと思います。

 色彩心理学があるように、色の持つイメージでキャラ分けしてあるのかなと思い、調べてみました。

 たとえば、ハウルの髪色は、金髪 → 橙 → 紺 へ変化します。ハウルの髪色が変わった際、ハウルは相当凹んでしまいます。髪色が変わった以降から、自分語りが多くなるので、髪色の変化はキャラクターのパーソナリティーを反映していると見て、間違いはないと思います。

<ハウル>

金色のイメージからなる性格

大人、リッチ、威厳がある、指導者、心が豊かな人、よく出来た人間だと思っている、自分に満足している、自分は幸せだと感じている、人助けに喜びを感じる、個人主義、成り上がり、結果だけを求めるカリスマ、ブランド志向、目標が高い、主役になりたい (太字は、特にキャラクターの性格と一致する点、以下同様)

金髪のハウルの勝ち組感は半端ない。そりゃ、「美しくなければ生きていたって意味がない」(意訳)っていいますよね。 

               ↓

橙のイメージからなる性格

チャレンジ精神が旺盛、仲間意識が強い、社交性が高い、リーダーシップがある、何にでも首を突っ込む、うるさい、ノリが合わないとダメ、見栄っ張り、明るい、元気に見られたい、小さなことでも幸せを感じる、親切、嫌と言えない、頑張っている自分が好き自分に自信がある、オールマイティ、積極的、世話好き、目立ちたがり屋で寂しがり屋、人懐っこい

橙の髪色は金 → 紺 の間の一瞬だけ(のはず)。だけど、浴槽から出てきて憤慨するハウルの姿に、ハウルの心中みたいなものが表出しているような気がします。

                   ↓

紺のイメージからなる性格

信用できる、戦略的、ストイック、プライドが高い、冷静、常識人、慎重、相手を尊重する、思いやり、気配り、謙虚、サポーター、品性がある、世間体を気にする、控えめ、ミスを許さない、遊び心に欠ける、冷たい印象、ルールにとらわれる、ノリが悪い、自分をおざなりにする、人にも気を遣わせる、責任のない場所に安住、意思が弱い、八方美人、優柔不断、静かにしていたい、自分がどう見られているか気になる、恥ずかしがり屋、知的でいたい、笑われたくない

 自信家に見えたハウルが自分語りをするようになるのは、髪色が紺になってから。自信の無い自分を表出しているのだけれど、同時に責任感だったり、優しさみたいなものが伝わってくる印象。

結論ー どのハウルも愛おしい。

続いてソフィー。ソフィーは 茶色 →銀色 に変化します。ソフィの銀色の髪美しいですよね…!

<ソフィー>

茶色のイメージからなる性格

堅実的、安定志向、マイペース、信頼がおける、現状維持を好む、変化を嫌う、自然志向、頑固者、堅物、遊び心に欠ける、仲良くなるのに時間がかかる、泥臭い、融通が利かない、落ち着いている、人の後ろにいる方が好き、不満を我慢する、目立ちたくない、隠居したい、コツコツやりたいタイプ 

ソフィーの最初のキャラクターって、すごーーーーく、地味なんですよね。

凡庸というか。それが、茶色のカラーイメージと重なるといいますか…。

多彩な色を使っている、この映画だからこそ、最初の髪色はやはり、凡庸さが強調される形になっているのかなと思います。

                 ↓

銀色のイメージからなる性格

判断能力が高い、理想が高い、優しい、紳士的、秘めたる自信、理屈っぽい、意固地、ヨーロッパ志向、趣味人、クール、批判的、参謀タイプ、孤独を愛する寂しがり屋、信頼できる人柄、頼られるのを好む、目に見えないものを感じる

 荒地の魔女に呪いをかけられて、髪の色が一転します。最初は銀色の髪のおばあさんになるわけですが、銀色の髪の毛になってからの方が、キャラクターとして魅力的に書かれている。これも、銀色の持つイメージを反映させて、作っているのかなと考えました。

続いて、カルシファー(炎だから、赤なのは当たり前だけども…w)

<カルシファ―>

赤のイメージからなる性格

決断が速い、行動力がある、負けず嫌い、頑張り屋、元気、指導者、目立ちたがり、飽き性、まわりを疲れさせる、慎重さに欠ける、怒りっぽい、ケンカっ早い、手のひらを返す、せっかち、感情で動く、脚光を浴びたい、派手好き、持続性が欠ける、上昇志向

赤って活発なイメージがありますよね。赤という色は、カルシファ―のキャラクターそのもののような気がします。

荒地の魔女は、紫ですね…!

<荒地の魔女>

紫のイメージからなる性格

美意識が高い、精神性が高い、ミステリアス、こだわりが強い、浮き世離れ、協調性がない、効率が悪い、理解しづらい面がある、妄想癖、現実逃避、人と同じなのは嫌、優しい、静かな所が落ち着く、絵が好き、芸術に関わっていたい、自分のセンスに自信がある、繊細、少し変わっている、クリエイター、ナルシスト

「 紫」という色は高貴な色ではありますが、同時に得体の知れない不気味さを演出する色でもあります。紫を使用することで、どこか捉えがたい荒地の魔女のイメージを増幅させているような気がしています。

……ざっと、こんなところでしょうか。すごい曖昧な分析になってしまった(笑)

色による影響は、他の映画でもあると思うから、また分析してみたいと思います。雑なnoteですが、私が楽しいから良し!(笑)

また、何か映画のレビューなども載せられたらなと思います。

※ 色のイメージによる性格は、iro-color.comを参考にさせていただきました。いろんな文章書いていきたいところです……。


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