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【私の愛した重金属音】メタル界の頂上戦争〜DOWNLOAD FESTIVAL 2022〜

第1 はじめに

 2022年、8月14日に3年ぶりとなる2回目のDOWNLOAD JAPANが開催されました。
 メタル好きの自分にとっては知ってるアーティストが来ること、何よりこの日が誕生日だったのもあり速攻でチケットを確保して楽しみにしていました。
 人生初の東京、慣れない飛行機と人混みに疲れもしましたが、肝心のライブはもう凄まじいの一言…!世界を相手に君臨してきた名の知られた名バンド達が眼の前でライブをしているという事実に感動しました。
 タイトルにもありますが、まさにメタルの頂上戦争。今回はそんなDOWNLOAD JAPANの感想をまとめてみたので、ライブ余韻に浸りたい方、お暇な方は是非ご覧ください〜。

【9/1 追記】
 ライブ余韻が冷めることがなく3週間…今回のプレイリストを作りましたので投下します。(Spotifyのみで申し訳ありません…!)
 なお、At The Gatesの“The Night Eternal”とSTEEL PANTHERの“Tomorrow Night”はサブスクにありませんでした…。

【今回の参考サイト(激ロック様のライブレポートです。ありがとうございました!)】



第2 アーティスト感想

1. BAND-MAID(バンド-メイド)

ー プロフィール ー
 ライブ活動を「お給仕」と称するメイド服姿のガールズバンド。見た目に反して演奏とパフォーマンスはパワフルさに極振り。
 全国のみならず世界規模で高い評価を得ており、海外フェスへの出演も多数。2022年には最新作“Unleash!!!!!”を引っさげ、総勢2万人を動員する単独USツアーを予定している世界最強のメイド軍団。

ー 感想 ー
 2018年に鹿児島で開催されたTHE GREAT SATSUMANIAN HESTIVALではタイムテーブルの都合で惜しくも見逃したBAND-MAID、今回はようやくライブが観れるということで朝から望みましたが…メイド服姿に反してゴリゴリパワーに満ち溢れた演奏は素晴らしいの一言。
 そして何よりも圧巻だったのは持ち時間の30分、全くMCを挟むことなく歌いきった凄まじいタフネス。そのオーラはブルーアーカイブ二登場するキヴォトス最強のメイド集団“C&C(Clean&Cleaning)”と全く同じものでした…。
 怒涛の勢いで押し寄せる演奏に今日のフェスはヤバいことになる…そう思わざるを得ないライブでした。


2. The Halo Effect(ザ・ヘイロー・エフェクト)

ー プロフィール ー
 
2021年結成。メンバー全員が北欧屈指のメタルバンド“IN FLAMES(イン・フレイムス)”と何らかの形で関わっていることで注目を集めた。IN FLAMESが持つメロディアスかつハードな音楽性、通称「ヨーテボリ・サウンド」を継承しつつ、二番煎じではない深みのある演奏が最大の魅力。又の名を「メロデスの最終兵器」。

ー 感想 ー
 1stシングル“SHADOWMINDS”を聴いたときからこのバンドに魂を奪われていました。「何だこのクソデカ感情炸裂の曲展開は!?」となり、続く2nd、3rdシングルでも全く方向性の異なるハードさ、そしてハードさの中で引き立つ美しい旋律やリフ…“IN FLAMES”のイメージとは全く違う一方で決して見劣りしない凶悪さに虜になり、「是非ライブに行けるなら行きたい…けれど当分は来ないだろうな…」と思っていたところに出場連絡。チケット即買いでした。
 今回のライブは1stアルバム“The Days Of The Lost”の発売後初のライブとなりましたが、ライブもえげつないの一言。一曲目の“The Days Of The Lost”を皮切りにあらゆる角度から押し寄せるメロデスの洗礼に押し流されました…。


3. CODE ORANGE(コード・オレンジ)

ー プロフィール ー
 アメリカ出身のポスト・ハードコアバンド。デビュー時点で「恐るべき10代」と称される若さに裏付けられた凶悪なサウンドとパフォーマンスで注目を集める。若さの勢いのみならず演奏力、技術も優れており2018年、2021年のグラミー賞にノミネートする実績を持つ。
 2020年にはよりエレクトロ要素に力を入れたアルバム“UNDERNEATH”をリリースしたUSポスト・ハードコア界の「最悪の世代」。

ー 感想 ー
 実は自分はCODE ORANGEの名前自体は知っていましたが、あまり積極的に聴いていませんでした。一時期少し曲を聴いたりしていましたが「何か違うな…」という印象で定着せず…という印象でした。
 ただ、ライブを観たらイメージが180度変わりました。エレクトロサウンドを駆使するバンドだと大阪の“Crossfaith(クロスフェイス)”が有名ですが、Crossfaithが「ロマン要素や王道要素の強い作品(自分の中では“ワンピース”)」なら、CODE ORANGEは「陰惨かつ壮絶なダークファンタジー(自分の中ではアークナイツ)」に傾倒したサウンドという印象でした。
 全てを破壊するような圧倒的なパフォーマンスに終始釘付けになり、最後の代表曲“Swallowing the Rabbit Hale”が終わる頃にはすっかり沼にハマっていました。


4. At The Gates(アット・ザ・ゲイツ)

ー プロフィール ー
 前述の"The Halo Effect"でも取り上げた"IN FLAMES"と同じ、スウェーデンの大都市ヨーテボリ(イエデポリ)出身のヘヴィメタルバンド。
 北欧の近代ヘヴィメタルの基礎を築いたバンドとして“IN FLAMES”や“Dark Tranquility(ダーク・トランキュリティ)”と並び立つ実力者だったが、1996年に解散。
 その後2008年に再結成し、現在はライブ活動や新作リリースなど積極的な活動を続けている。

ー 感想 ー
 2020年のインタビューで、彼らの名作の一つである4thアルバム“Slaughter of the Soul”の完全再現ライブを行うことを明言していた彼ら。アルバムを予習で聴いてみましたが、演奏が速い、速すぎる。ギターリフは多くのアーティストが用いるスタイルですが、数倍の速さで目まぐるしく展開されるリードトラック、メロディアス要素に力を入れた楽曲など、「これぞ北欧のメタル、ヨーテボリサウンドの真骨頂」とも言える内容に期待しか生まれませんでした。
 そしてライブ当日、バックドロップにはアルバムのアートワークも映し出され雰囲気は抜群。そして演奏は極悪の一言。うねるように歪んだギターとゴリゴリしたドラム、突き刺さるようなシャウトは期待を遥かに上回るものになりました。名作と呼ばれる理由や名バンドたる由縁を見事に見せつけていった50分でした。


5. Soulfly(ソウルフライ)

ー プロフィール ー
 ブラジルを代表するヘヴィメタルバンド“SEPULTURA(セパルトゥラ)”。そのボーカルを努めた“Max Cavalera(マックス・カヴァレラ)”率いるバンド“Soulfly”
 SEPULTURA時代のヘヴィメタルスタイルを追求しつつ、民族音楽にも力を注いだ尖っていながらも壮大な音楽性を切り開いたことで世界のロック、メタルシーンからの信頼も厚い名バンド。
 DOWNLOAD JAPAN直前の2022年8月に4年ぶりの最新アルバム“Totem”をリリース。

ー 感想 ー
 今回のDOWNLOAD JAPANでも特に期待を寄せられていた印象のSoulfly。何でもバンドとしても20年ぶりのライブだとか…。
 という前情報を耳に挑んだライブでしたが、一曲目の"Superstition"から一気に幕張メッセがサルゴンに早変わり。無骨さと繊細さという矛盾に、つい異格ガヴィルさんが脳裏を過ぎりました。それくらいパワーに満ち溢れた楽曲の数々…。
 ボーカルのMaxも、新作アルバム初ライブの手応えにご満悦の様子で今回のゲストギタリストだった"Fear Factory"の楽曲カバーを披露するなどサービス精神も旺盛。
 これは惚れてまうやろぉぉぉぉ…!!!


6. STEEL PANTHER(スティール・パンサー)

ー プロフィール ー
 アメリカ屈指のおふざけパーティーロック野郎ども"Steel Panther"。馬鹿騒ぎゴキゲンサウンドに加え、80年代のロックをリスペクトした完成度の高い音楽には曲を知らなくてもついつい体が動いてしまう。
 2021年にはオリジナル・メンバーのLexxi Foxx(Ba)が脱退するが、サポートメンバーを迎え現在も積極的な活動を続けている。

ー 感想 ー
 
Steel Pantherの曲はライブを観るまで全く知りませんでしたが、そんなことは一切関係ありませんでした。
 ステージの後ろにいても聴こえてくる馬鹿騒ぎとファンキーな楽曲の数々。踊り出さずにはいられない愉快で軽快なサウンドであっという間に彼らの世界に引きずり込まれていました。
 曲の合間にはメンバー間で小ネタをはさみながら繰り出されるノリノリの楽曲(中身は大体R-18)だけでなく、突如キーボードに腰掛けてバラードを歌い出すなどやりたい放題…今回のフェスでも一際自由なバンドでした。
 最後はポールダンサーまで登場するというまさかの展開も。これぞアメリカンなロックンロォォォォル!!!!!!な世界に酔いしれました。


7. MASTODON(マストドン)

ー プロフィール ー
 USヘヴィメタル界屈指の実力者にして、常に演奏への探究心を忘れない熱意を持つバンド。重さだけでなく、魅せる音作り、所謂「プログレッシブ」な音楽性にも力を注いでおりそのサウンドは唯一無二なものがある。
 彼らの探究心は多数のリスナーだけでなく、多方面からも極めて高い評価を受けており、2018年には楽曲“Sultan's Curse”でグラミー賞最優秀メタル・パフォーマンスを受賞していることからも証明されている。

ー 感想 ー
 アルバムで聴いたら特に何も思わずとも、ライブで衝撃を受ける。こういう経験は音楽好きだけでなく他の様々な分野でも経験したことがある人がいると思います。(所謂「わからせ」)
 ライブと同時に会場のスピーカーが壊れたのではと思うくらいの揺れるような音圧、そしてそれだけの激しさを乗りこなしながらところどころで繰り出される超絶テクニックの数々…。まるでプロのサーファーのような演奏に吹き飛ばされました。
 メタルでイメージされる汗臭い無骨なイメージを想像している人ほどこのバンドは聴いたほうがいいと思います。サイケデリックさと地に足のついた重さが同居する奇跡のバンドでした。


8. BULLET FOR MY VALENTINE(ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン)

ー プロフィール ー
 イギリスはウェールズで結成された4人組メタルバンド。極悪でヘヴィーな音楽性に耳に残るメロディアスさを練り込んだ「メタルコア」の第一人者として君臨しており、日本でも彼らの音楽性に影響を受けたバンドも少なくない。
 世界のロックシーンでも率先して取り上げられるカリスマ性と実力を持ちながら、「自分たちがやりたい音楽」を常に表現し続ける貪欲さを忘れない世界最強のロックキッズ軍団。

ー 感想 ー
 「このバンド、このバンドは死ぬ前に一度は観なければ…!」と以前から思っていたバンドの1つです。今回のDOWNLOAD JAPANへの参加が発表されたときには変な悲鳴が出たくらい驚きました。
 今回の日本でのライブは2018年の“SUMMER SONIC”以来という彼ら。一目で今回のライブに対する熱意が伝わってきました。
 特にその雰囲気が伝わったのはセットリスト。いきなり名曲中の名曲“The Betrayal”から始まり“The Last Fight”、“Shatter”、“Over It”など新旧の名曲が目白押し…とにかく「久々の日本だ。お前らこれくらい覚えて帰れよ。」と言わんばかりのぶち上げ曲のオンパレードでした。
 最後は発狂間違いなしの“Scream Aim Fire”圧倒的スピード感と凶悪さを見せつけたライブで理性は空になりました…。


9. DREAM THEATER(ドリーム・シアター)

ー プロフィール ー
 アメリカ出身、世界の「プログレッシブ・ロック」の頂点に立つ超絶技巧音楽集団。生演奏の魅力を余すことなく詰め込んだ音楽は10分近いボリュームになることはザラ。それでいて一切演奏に飽きが来ずついつい聴き入ってしまう中毒性を持つ。
 2022年、最新アルバムの収録曲"The Alien"がグラミー賞最優秀メタル・パフォーマンスを受賞するなど、現在も確かな実力を更新し続けている。

ー 感想 ー
 
凄すぎる。超絶という言葉すら霞むレベルの演奏技術と歌唱力の数々に圧倒されました。
 110分の持ち時間があっという間に過ぎ去っていき、気付いたら最後の"Pull Me Under"。まるで嵐の中に放り出されたような感覚に陥りました。
 語彙力がありませんが、とにかく凄かったです。あんなバンドは観たことがないし、そりゃ頂点に君臨してるわ…。


第3 終わりに

 実は海外アーティストのライブを観るのは今回が初めてでしたが、どのアーティストも演奏の重さとカリスマ性は見事の一言でした。特に世界規模で見るとメタルは一際多様な音楽性を持つので、そういった個性も垣間見えたように思いました。
 東京旅行はかなり大変でしたが、その苦労が報われるような一日、そして誕生日になったと思います。
 最後にライブの様子を映したアフタームービーを紹介して今回の感想を締めたいと思います。これだからライブに行くのは辞められない…。