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心理検査の世界
こんにちは。しんしん心理研究所の心理師Shingoです。今回はあまり一般的な認知度は高くないかも知れませんが、「心理検査」について紹介してみたいと思います。
心理学は、人間の心や行動を理解するための学問です。そして、心理学の一分野である心理検査は、個人の性格、知能、行動、感情などを評価するための重要なツールです。本記事では、心理検査の基本的な概念から、メジャーな心理検査について、わかりやすく紹介します。
心理検査とは?
心理検査は、個人の心理的特性を測定・評価するための標準化された手段です。これらの検査は、臨床心理学、教育心理学、職業心理学などさまざまな分野で使用され、個人の特性や問題点を把握し、適切な支援や介入を行うための基礎資料を提供します。
心理検査の種類
心理検査は大きく分けて以下のカテゴリーに分類されます
知能検査
性格検査
適性検査
臨床検査
それぞれのカテゴリーについて、代表的な心理検査を具体的に見ていきましょう。
1. 知能検査
知能検査は、個人の知的能力を測定するための検査です。知能検査は、教育や職業の分野での適正を判断するためにも使用されます。
ウェクスラー知能検査(WAIS)
ウェクスラー知能検査は、知能検査の中で最も広く使われている検査の一つです。WAIS(Wechsler Adult Intelligence Scale)は、成人向けの知能検査で、知能を言語性知能(Verbal IQ)と動作性知能(Performance IQ)の2つの領域に分けて評価します。以下は、WAISの主な特徴です:
構成
言語理解、知覚推理、作業記憶、処理速度の4つの指標で構成される。目的
個人の知能の全体的なプロフィールを把握し、強みと弱みを評価する。使用分野
教育、職業適性評価、臨床診断など。
スタンフォード・ビネー知能検査
スタンフォード・ビネー知能検査も、歴史的に重要な知能検査の一つです。1905年にフランスの心理学者アルフレッド・ビネーによって初めて開発され、その後スタンフォード大学で改良されました。
構成
5つの認知領域(流動性推理、知識、定量的推理、視覚・空間処理、作業記憶)で構成される。目的
知的発達の全体的な評価と、特定の認知領域の強みと弱みを把握する。使用分野
教育、臨床、発達障害の診断など。
2. 性格検査
性格検査は、個人の性格特性や行動パターンを評価するための検査です。これらの検査は、臨床心理学やカウンセリングの分野で広く使用されます。
ミネソタ多面的人格目録(MMPI)
MMPI(Minnesota Multiphasic Personality Inventory)は、精神疾患の診断や治療のために開発された性格検査です。
構成
10の臨床尺度と3つの妥当性尺度から構成される。目的
精神的健康状態の評価、特定の精神疾患の診断。使用分野
臨床心理学、精神医学、法医学など。
ビッグファイブ性格検査
ビッグファイブ性格検査は、性格の主要な5つの次元(外向性、神経症傾向、開放性、協調性、誠実性)を測定する検査です。
構成
5つの主要な性格次元に基づく質問項目。目的
個人の性格プロファイルの評価。使用分野
組織心理学、カウンセリング、自己理解の促進など。
3. 適性検査
適性検査は、個人の能力や適性を評価するための検査です。これらの検査は、職業選択やキャリア開発に役立ちます。
職業適性検査(VPI)
VPI(Vocational Preference Inventory)は、職業適性を評価するための検査です。
構成
6つの職業興味領域(現実的、探究的、芸術的、社会的、企業的、慣習的)に基づく質問項目。目的
個人の職業興味や適性の評価。使用分野
キャリアカウンセリング、職業選択、教育指導など。
ストレングスファインダー(強みの探求)
ストレングスファインダーは、個人の強みを評価するためのツールで、特にビジネスやキャリア開発の分野で使用されます。
構成
34の強みのカテゴリーに基づく質問項目。目的
個人の強みを特定し、それを活かすための戦略を提供する。使用分野
キャリア開発、リーダーシップ研修、自己啓発など。
4. 臨床検査
臨床検査は、精神疾患の診断や治療計画を立てるために使用される検査です。
ロールシャッハ・テスト
ロールシャッハ・テストは、投影法の一種で、被験者にインクの染みの図を見せ、その解釈を求める検査です。
構成
10枚のインクブロットカード。目的
無意識の心の状態や深層心理の評価。使用分野
臨床心理学、精神医学、カウンセリングなど。
バウムテスト
バウムテストは、被験者に木を描かせ、その絵を分析することで心理状態を評価する検査です。
構成
一本の木を描くという課題。目的
無意識の心の状態や性格特性の評価。使用分野
臨床心理学、教育心理学、カウンセリングなど。
心理検査の実施と倫理
心理検査の実施には、いくつかの倫理的な配慮が必要です。以下に、心理検査を実施する際の主な倫理的考慮点を示します。
被験者の同意
心理検査を実施する前に、被験者に対して検査の目的、方法、結果の利用方法について十分に説明し、同意を得ることが重要です。
検査結果の保護
検査結果は、被験者のプライバシーを尊重し、厳重に保護されるべきです。結果を第三者に提供する際には、被験者の同意が必要です。
公平性と正確性
心理検査は、公平で正確に実施されなければなりません。検査者は、検査結果の解釈や評価において偏見を排除し、専門的な知識とスキルを持って対応することが求められます。
まとめ
心理検査は、個人の心理的特性を理解し、適切な支援や介入を行うための重要なツールです。本記事では、知能検査、性格検査、適性検査、臨床検査の各カテゴリにおける代表的な検査について紹介しました。心理検査は、多くの分野で広く活用されており、個人の成長や発展をサポートするための有力な手段です。心理検査を適切に理解し、活用することで、私たちはより良い生活を送るための重要な洞察を得ることができます。
しんしん心理研究所では心理検査自体を専門には取り扱ってはいませんが、精神科との連携なども行なっていますので、気になる人は相談してください。
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