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お寿司

これは、恥ずかしい話です。
日本人として、とても残念な事なのです。

こんな私ですが…どうかお許し下さい。

私は寿司のネタを知らない。


マグロとサーモンぐらいは、知っている。
だが、他のネタを知らないのだ。

どうも、生きててお寿司と言う食べ物に、
縁がなく、どれがなんなのかがわからない。

一度、接待でお寿司屋さんに行く事があった。
カウンターしか席はなく、大将と呼ばれる、
人が寡黙に佇んでいたのだ。

はて?どうしよう…。
通な食べ方があるのだろうが知らない。
はじめは何を頼めばいいのか…。

しばらくガリというモノをポリポリ食べて、
お得意様に何が食べたいのか聞いて、
それと同じモノをと頼み、食べた。

しかし、何がなんだかわからない。
魚の種類を知らないから、その注文した、
物がなんなのか、どんな形なのか、
さっぱりわからない。

お得意様が大トロと言った。
私は、大将に大トロをお願いします。
と言ったが、トロ?トロ?トロ…。
なんですか?それは…トロトロ?

出てきたそれは、テカテカに脂がのってた。

食べたら、不味くて吐きそうになる。

何だこれ?脂をそのまま食っている感触。

だが、お得意様は、うまい!とご満悦。
嘘だろ…これが?うまいのか?
えーっ!私の舌がおかしいのか…。

そんな時、光り物が欲しいと言われた。
ん?光り物?何ですか?それは?
光ってるの?そんな食べ物あるの?
って、魚ってそんなに種類あんのかよ…。

私は考えて、
大将、光り物でお任せでお願いします。
といかにも通な感じを装い注文した。

そしたら、
寡黙な大将が○○なんか今が旬ですが…。

私は、
じゃぁ、それをお願いします。

と言ったが聞き取れなかったし、
聞き取れたとしてもそんな魚は知らない。

はて、光り物って多分種類、あるんだろうな。
どんなのが出てくるんだろう…。

大将が出したそのネタは、
たしかに、身が銀色に光っていた。
そして、おろした生姜が上に乗っていた。

ほほーう。これが光り物ですか…。
ふむふむ…なるほど…。
お得意様が食べるのを見た。
すると、私はがさっきポリポリ食べてた、
ガリと言うモノに醤油を浸し、
その光り物の上にちょんちょんと、
醤油を乗せて、食べていた…。

おー!なるほど!勉強になりました…。

が、さっきポリポリ食べてたせいで、
私のガリがもうなかった…。
えーとー。これはまずい…。
ちょんちょんできないではないか…。

少し考えていると、大将がガリを、
ポンっと置いてくれた…。

大将…ありがとう…そして、すごい人だ。
さすがです…寡黙な大将はとても素敵な人。

醤油ちょんちょんして、食べました。
さっきの脂がまだ口の中に残っている、
そこに入ったその光り物とやらは、
ちょっとなまぐさいが生姜がそれを、
緩和してくれてる…なんだこれは!
口が一気にさっぱりした!

その為の生姜だったんですね!大将!

お得意様も、それをわかってて、
注文したんだ…順番って大事なんだな…。

そんなこんなで、接待とお寿司屋さんは、
無事に事なき終えた…。

そして、多分二度と、
お寿司屋さんには、行かないと誓った。

行っても大将を困らせるだけだ…。


それから、しばらくてし、
同僚が回転寿司が食べたいと言う。

なんだ?それ?あのお寿司屋さんではない?
回転してるの?ん?なんだそこは!

そして回転寿司に初めて行ったのだ。

あーなるほど…これはすごい!
寿司が皿の上に乗ってレーンに乗って、
回ってるではないか!

同僚は、次々と皿を平らげる。
私は、何を食べたらいいのかわからない。

とりあえずマグロとサーモンばかりを、
見つけては、取って食べた。

他の寿司は、得体の知れない食べ物、
にしか見えなかった。

アナゴ?あれ、何だ?ゲテモノか?
なんか甘いタレつけて食べるらしいが…。

同僚が、アナゴを食べながら、
お前、知らないの?うなぎは?

うなぎ…うなぎ…うなぎ?
あっ!土用の丑の日のなんちゃらだ!

うなぎ!知ってる!でも食べた事ない。
スーパーでちょっと見た事あるぞ。
そのアナゴとやらに似ているが茶色だった。

同僚は、腹を抱えて笑っていた。

なんだよ…そんなに可笑しいのかよ…。
はぁ…真面目に答えたオレがバカだった…。

同僚は、回る寿司を指差し、
これは?これは?これは?
と私に聞いてくる。

バカにしてんのかよ!
これは…白身だろ!
これは…なんだ!
これは…タコだろ!
お前、オレの事タコだって言ってるのか?

同僚は、面白がっていた。

同僚がじゃぁ、これ、値段いくらだと思う?
と聞いてきた。
えっ!値段なんかわかんねーよ。
それぞれちがうんじゃねーの?

同僚は笑いながら、ぜーんぶ100円だ!

とバカにして言ってきた。

ふーん。そっ!お前オレを試すのやめろよ!

同僚は、自分の食べた皿を数えて、
うーんと、12皿だから…1200円だ。
と言うと、1200円を渡してきた。

残りはお前の分な、数えてみろよ。

オレは…7皿だから…700円?

同僚は、多分な。と言うと帰るぞ!
と先に店を出た。

オレは、騙されてると思っていた。
アイツ絶対嘘ついてる!
オレに多く払わそうとしてるな!
オレをバカにしやがって!
後で請求してやる!

とレジに行くと1900円となっていた…。

マジだった…やだ…オレ…恥ずかしい…。
そんなに、安いの?嘘だろ?どう言う仕組み?
あー店出たら、同僚に絶対に笑われる…。

どんな顔したらいいんだ…。
私は不器用だ。真面目で嘘が苦手なのだ。

店を出て、笑うのを堪えてる同僚に、
頭をポリポリかきながら、

マジだった…嘘だと思ってた…。
お前は、物知りだな…びっくりした。
こんな所、あるなんて知らなかった…。
あー恥ずかしい!笑え!笑えばいいだろ!

同僚はガハハと笑って、

お前、面白いな。いやー楽しかった。
回転寿司なんて、みんな知ってるよ。
値段だって、どこも100円でやってるよ。
お前、本当に知らなかったの?
マジでウケるって…と笑って言う。

私は、
あーそーですか、面白いですかー?
よかったですねー。満足しましたかー?

とひねくれを全開にして、ふてくされた。

同僚は、
すまん、すまん、笑い過ぎた。
いや、誉めてんだぞ!お前のそう言う所、
オレは好きだぞ!言ったじゃん。
楽しかったって。それで勘弁してくれ。

私は、
いや、オレも勉強になったし、面白かった。
オレは寿司のネタは知らないし、そう言うの、
うとくて、恥ずかしかったんだ。
でも、お前のお陰で楽しく寿司食べれた。
ありがとうな。また、行こうな!

そう言うと同僚は、もちろん!と言って、
各自、家路についた。

それでも、未だに寿司のネタを知らない。
アナゴとうなぎの違いもわからない。
タコとイカはなんとなくわかった。

今更、寿司ネタ知りませんなんて…言えない。
正直に話した所で、冗談だと思われそうだ。

多分だが…回転寿司もあの同僚だから、
行けたけど、他の人とは無理だと思う。

だから、回転寿司も二度と行かない。

お寿司って奥深いな…。

私には、ちんぷんかんぷんだが…。

ちなみに、サーモンって白身なんだって!
知ってました?私は知りませんでした…。

栄養士さんから、教えてもらいました。

栄養士さんも、クスッと笑ってましたよ…。

言い訳言わせて下さい。
かあちゃんが、魚嫌いだったから…。
かあちゃん、北海道の太平洋の近くの生まれ故郷。
かあちゃんは小さい頃から魚ばかり食べてて、
肉を全然食べなかったらしいのだ。
だから、故郷を離れたら肉ばかり食べる。
かあちゃん、シャケなら、食べてくれました。

だから、シャケはサーモンですよね?
もしかして…違う?あれ?
また、恥かいた?
とりあえず、食卓には、シャケ以外の、
魚は出しませんでした…。
そのまま大人になってしまいまして…。

お寿司も食べる機会もなかったんです…。

あっ!太巻き?でっかくて具材がたくさん、
入ってる海苔巻き。あれと、いなり寿司は、
知ってますよ!もちろん!うん!そうだ!

ってな訳で、無知な私の恥ずかしいお話。
日本人として、どうなの?っていうお話。
そして、二度と寿司は勘弁して下さい。
正直、寿司が美味しいと感じません…。
私には、魅力がわかりません…。

お寿司関連に携わっている方へ。

すみますでした…。
批判するような事言ってしまいました…。
どうか、お許し願いたいです。
これは、ひねくれ者の私のバカ舌のせいで、
知識不足の私のおバカな話でして…。

お魚さん、これからは、ちゃんと食べます。


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