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くるみ

現状、回復してきてはいるものの…。

だがしかし、
はるかに若い看護師に、
全力で、しがみついた所、
いとも簡単に振りほどかれまして…。

ちょっと…ショックだったんです…。

いくら、指文字を日課にしてひたすら、
やってても、それだけじゃダメなんだと、
私…気付いてしまいました。

そんなんで、
リハビリの先生に、
くるみ二つを、手の上で指を使いながら、
くるくると回すんですけど…。
やってみましょうと、勧められたのだ。

思いっきりリハビリじゃないか!
ふん!バカにしやがって!
はいはい、やればいいんだろ!

ちょっと、ひねくれた思考が戻ってきました。

ふーん。
脳みそにも、いいんだ…なるほど。

くるみをくるくる。

くるみをくるくる。

手の中でひたすら、くるみを転がすのだ。

あっ!手がつった!

くるみがコロコロと、手の上から、落ちて、
リハビリの先生の所に、帰って行きましたよ…。

リハビリの先生、笑ってた。

なんだよ!難しいじゃねーか!
これは、あれだ!なんだ?どうしてだ?

ぐぬぬ…不甲斐ない…。

あれ?おかしいなー?
こんな事もできなくなっちまったのか…?

そんなわけない!違うもん!

今のは…うーんと…気が緩んでいただけだ!
あなどっていた…もっと簡単だと思ってた…。

くるみよ…。
お前…やるな…。
そんな、可愛らしい名前しといて、
逆にオレがお前の手の上で転がされていた…。

今度こそ、お前を転がしてやる!

それから、私は、
くるみに、ほんろうされるのだ。

私の手の上がそんなに嫌なのか?
なぜ、逃げていくんだよ…。
オレ、結構優しいヤツだぜ?

お前を振り回してばかりじゃないんだ。
お前を大切にしたいだけなのだ。

くるくると、お伺い立てながら、
くるみと会話している…私。

よし…よし…お前は素直だな…。
そうだ!このままでいてくれよ…。

お願いだ…くるくると転がってくれ。
オレの手の中にくるまっていてくれ。

お前…結構…かわいいヤツだな。
くるくるとキレイに転がりやがって。

お前といると…飽きないな。

なーんて、くるみに感情移入してしまう、
また、私の悪いクセが出できてます。

くるみ、お前は出来たヤツだよ。

聞いたけど、中にある実は、
健康にもいいらしいじゃないか!

だけど、こんな硬い殻に閉じ込めて…。

オレの心の様だな。

お前には、完全に負けてるけどな!

オレの中身は…ただの病み上がりだもん。
健康とは、程遠い存在だ…。

くるみよ、お前はそんなオレの為に、
くるくると転がってくれるなんて…。

お前も大変だな…。
色んなヤツの為に、いつも転がされて、
時に突き落とされて…傷ついてないのか?

お前は、けなげだな。

オレ…頑張るから…お前の為に。

なるべく、優しく転がしてやるからな。

キレイな舞いを見せてくれよ。

くるみ、ありがとうな。

お前のおかげで、脳みそが喜んでるよ。

なんか…心が落ち着いてくるな…。

くるみ、お前すげーな。

オレ…お前に出会えて…よかったよ。

指文字も、手話も、
スムーズに出来る様になってきた気がする。

このnoteも、
だいぶポチポチと打てる様になったぞ!

多分…。

くるみ、オレ…感動してるぞ!

お前は、オレを救ってくれたんだ。

くるみ…今まで存在は知ってたけど、
リスの食いもんだと認識していました…。

ごめんなさい…お前は素晴らしいヤツだった。

これからも、
オレの為にくるくると、手の中にいて下さい!

よろしくお願いします!


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