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【落語】 千一亭志ん諒「 百年目 」(ヒャクネンメ )【 第125回志ん諒の会(千一亭志ん諒独演会)2022年3月27日 】

 なぜ、あんなに堅い番頭さんになったんだろう。その疑問への答えの一つを「百年目」に加えました。

 周りでしくじっては家へ帰される仲間を見て、番頭さんは自らの帰る家の無い心細さを感じていたことでしょう。それに加えて親代わりと思っている旦那からの心無い言葉にどれほど傷ついていたことでしょう。

 大きな孤独感から、頼るのは自分だけと、きっと番頭になったときに堅く決意したことでしょう。そして、別の世界で本来の自分を取り戻していたのかもしれません。

 今回、柳亭こみち師匠の素晴らしい二席の後でしたので、なんとも、ザッバァンと大きな波をくらって浜に打ち上げられていくような心持ちでした。そんな軽い目眩を覚えながらの語り出だしでしたから、ペースをつかんで走り出すまでには、ずいぶん時間がかかりました。

 切磋琢磨する気持ちは振動しているようです。振動する物同士は共鳴することがあります。柳亭こみち師匠のそんな振動に、きっと、私のどこかが共鳴したようです。映像や音源では感じられないものが、あの瞬間、確かにそこにありました。

 メディアからではなく生の落語の生命力のような物を確かに実感しました。

 いつまでも高座に居たい気持ちの「百年目」でした。充実した67歳の誕生日でした。みんな心からありがとう。

https://youtu.be/XJHdK6Xz2Vk

落語を考える事は限りなく深い森の姿を探求する旅のようなものです。森の中にいる私には、森の外から見ての意見で、見えないものが見えてくると思います。そして、一人より二人、二人より三人と、誰かと一緒に考えて行きたいです。スキ、コメント、サポート、みんな大歓迎です。よろしくお願いします。