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日進月歩と無洗米〜Vol.1 「いつもの米」自己紹介 編〜

中小企業向けDX支援コンサルの会社で「ものづくり新聞」というメディアを運営しているPR・マーケ担当のいのうえです。

このシリーズでは、日本のものづくり企業のDX化に役立つ情報発信をする立場の私が、日々の生活の中の小さな改革を”DX=人間がラクをするための技術”と勝手に定義し、更に実際のDX(デジタルトランスフォーメーション)にまつわる知識も自らの学びとして記録し紹介していきたいと思います。
4年前、DX(ディーエックス)をデラックスとしか読めなかった私です。
どうぞ気軽に読んでいただければと思います。


1.軽く自己紹介

まずはこちらをご査収ください。

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Facebookの広報職の素敵なグループに招待いただいた際の、私の自己紹介の投稿です。
ちょっとふざけた人が入ってきちゃったね、と素敵な参加者の皆さまに思われてしまったかもしれないことに後から気づいたのですが、自分の投稿を冷静に見つめたのは”いいね!”をいただいた際の通知だったので、時すでに遅し。本の影響ってすごいですね。。内容が気になる方はどうぞ読んで見てください。ちなみにこの本をくれたのは、ものづくり新聞の編集長 伊藤です。引き出しの多さとその深さに定評がある伊藤の記事も、ぜひ一度読んでみてください。

2.無洗米と私

無洗米に手をだした。
極小の一歩だが、日々、一家の食を司る私にとっては多大なる革命の一歩だった。
存在はもちろん知っていた。でも、踏みだせない自分がいた。踏みだせない自分の背中を強く押したのは、同じ歳で二人の娘を育てているシングルの友達の何気ない一言だった。
彼女は1時間半ほどかけて都内に働きにでているので、少し残業になった時などこちらが心配すると、「子供にとりあえずご飯だけ炊いてもらっているので適当にお惣菜買って帰るから大丈夫」と言う。
娘さんたちは当時ウチの2年生の娘と同じ歳の妹ちゃんと5年生のお姉ちゃんの二人姉妹である。なるほど、その年齢なら米くらいは確かに炊ける。
「でも偉いね〜。まだウチおしえてないや」と超甘やかしでバカ親の自覚がある私が言うと、「無洗米だから米入れて水入れてスイッチ押すだけだし!(笑)」と、華奢で声がか細くしかしよく聞くとめちゃシュールで面白いことを発言しているでおなじみの彼女が、めずらしくはっきりと聞こえる声で言う。いや、彼女がいつもより声を大きくしたわけではなく、おそらく神が私に「無洗米」という存在を気づかせたくて、お告げというかたちで鮮明にこの耳に轟かせてくれたのだと思う。
その日の帰り、最寄り駅のスーパーで私は初めて無洗米をカゴに入れた。

3.神米という呪縛

周りにどれくらいいます?無洗米つかっている人。
あえて聞いてこなかったけど、おそらく私の周りにいないと思う。聞いてないけど。でも、いないと思う。
日本人にとってお米って、古代より受け継がれてきた日本人たる所以の賜物として神が宿ると謂れる唯一の食物でしょう。一粒でも残したらその一粒の中には10人のお百姓さんの家族が住んでるとか物心ついた頃から言われて凄まじいプレッシャーをかけられてくる食べ物ですよね。なんならその洗い方も、かき混ぜ方、すすぐ水の回数、洗い終わりを判断する適切な水の白濁ぐあい、それぞれの米の特徴に応じた水の量などがあり、隅々まで神経を使わせられること止ん事無しではないですか。洗うではなく「研ぐ」って言っちゃってますし。少なくともお米の中にはお百姓さんが云々と言い継がれていた私と同年代の主婦たちは、その呪縛の渦中にいる人が多いはず。神聖なお米を洗わないなんて、背徳感しか感じられないのではないでしょうか。
あとは、"清潔の国 日本"で生きている我々が、食べ物を洗わないことに踏み切るには固定観念からの脱却という相当な覚悟も必要です。少なくとも私はそうでした。たかが3分くらいの家事なんですけどね。

でも、ほぼ毎日食べるから一年365日で1,095分、18時間25分はかけてるんですよね。ただ、この3分をサボってしまうとその代償はかなり大きく、家族からは猛烈な抗議と落胆をされ、もし世間様に知られてしまうと米を炊き忘れた非常識な主婦というレッテルを貼られ子供が悲しい思いをするかもしれないという勝手な妄想までして自分を追い込んでしまう恐るべし日常食です。だって、お米は日本の心です。みたいな事も絶対どこかで聞いたから。
日本の心が日本の食卓にないなんて、許されないから、、、。

なので、どんなに疲れていても日々3分の米を研ぐ時間はマスト。最後にタイマーなども含め、炊飯ボタンを押すことも忘れずに、日々、米を食卓に用意することにこんなに神経をすり減らしてきている私たち。

4.「神経をつかう」からの解放

私たちが勝利をつかむまでもう少し、、もう少々お付き合いください。

さて、私たちが古代からの言い伝えなどからいかに日々の3分程度に神経を尖らせて己を追い詰めてきていたのか、おわかりいただけたかと思います。そして、たかが3分が億劫なのは、米と水というシンプルすぎる素材の調理の割に高度な技の妙を求められるという事と、日本の食卓における白米の罪深いほどの存在感にその理由があるという事を。

そう、私たちは白米に尋常ではない神経をつかっているのです。

間違いなく由緒正しいであろう「全国無洗米協会」のホームページで、
無洗米について調べてみました。

01.無洗米ってどんなお米?
無洗米は、とぎ洗いせずに水を加えるだけで炊飯できるように工場で肌ヌカを取り除いたお米です。1991年に誕生しました。
現在、国による品質基準がないため、品質にバラツキがあります。
全国無洗米協会の審査に合格した無洗米は、以下の要件を満たしています。① 製造時に異物を添加しない。
② 食味を落とさない。
③ 環境への負荷を軽減する。
④ 産業廃棄物を出さない。   
肌ヌカ:精白米の表面に残っている粘着性の高いヌカのこと

さらに、全国無洗米協会はおしえてくれます。

02.今までお米をとぎ洗いしていたのはなぜでしょうか?
実は、精米した白米の表面には、従来の精米機では取りきれない、粘着性の強いヌカ(肌ヌカ)が残っています。
この肌ヌカを取り除くために、精白米を炊く前にとぎ洗いが必要でした。
洗わずに炊くと、ヌカ臭いご飯になってしまうからです。

03.無洗米はなぜ洗わなくていいのでしょうか?
その今までとぎ洗いして落としていた肌ヌカを、工場であらかじめ取り除いているからです。

イエス!無洗米は洗わなくていいんです!!
家でやってる「洗う(研ぐ)」をあらかじめ工場でやってくれてるから!!

知ってたけど疑ってましたよね、ほんとに洗わなくていいの?というか、米は尊い信仰ジャパン育ちの自分自身が無洗米を無意識に日常から除外してましたよね?だから、何がどうなってて無洗でいいのかなんて真剣に考えてこなかったのではないでしょうか。
このあと、04と05の章があり、無洗米がどうやって作られるのか、そして無洗米と研ぎ洗いしたお米の比較の電子顕微鏡写真まで掲載されていますので、百聞は一見にしかず、無洗米に躊躇していたそこのあなたはぜひ一度ご覧ください。 そして、大手を振って洗米につかっていた神経を解放してください。

5. 当たり前は変えていい

あの日、まだ喧騒があった頃の帰りの電車内で、か細すぎる声なのに言っていることはシュールで面白い彼女の話にいつも以上に耳をそば立てていた自分を褒めたい。
彼女の一言が、自分の中の当たり前を大きく変えた。当たり前だと積んでいた苦労が一つ減ったことは想像以上に大きかったし、何より無洗米に変えたことに気づいた家族は一人もいなかった。それが何よりの勝利の証だ。

違う工程を経てできたものでも、目の前の結果が同じであれば、ラクな方を選びたい。身の回りの当たり前をデジタルな技術を用いてラクな手段で確実にできるように変えていくことを、ここ何年かはDX(ディーエックス)「デジタルトランスフォーメーション=デジタル技術を用いて、生活やビジネスを変容していくこと(良い方向に)」と言われています。そのDXが、いま確かに私たちの身近で日々着々と広がっています。よくわからなかったり、空回ったりしているものもあるけれど、人類のラクの為にデキる人たちの叡智により日々作られているその技術の賜物を、必要な人のところに情報として届けたい。
無洗米とか言って騒いでいる場合ではないのですが、新しく技術を加えることによってこれまでの常識がラクな方に変わる感動は半端ではないことをお伝えしたく、ごく極まりない日常の一点の変化について、長々と書いてきました。

お伝えしたかったのは、DXってざっくり何かっていう事と、初めましての私の自己紹介でした。

そして、今日も家族は黙々と無洗米を食べています。
洗っても洗ってなくても、そこにあるのは結果「いつもの米」だから。


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