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外来看護師のひとりごと13

みなさんこんにちは。
こうりです。


今日は問診について綴らせていただきます。


なんでこんなこと書かなきゃならないの?


初めて外来を受診すると必ず書かされるのが問診表ではないでしょうか。
現病歴から既往歴、飲んでいる薬やアレルギー、はたまた家族歴まで書かされます。(内容はその病院やその診療科によって違います)
こんなのの何が必要なんだと思われるかもしれませんが、これがゆくゆく大きな働きをしたりします。


現病歴
現病歴とは今の病気の情報です。
まずは「いつから」症状がでているのかです。
外来はトリアージをするところでもあります。
トリアージとは患者の重症度によって優先順位を決めることです。
数か月前から症状が出ているということなら優先順位は低くなります。
だって、数か月前からその症状があっても生きているんですものね。


逆に数十分から数時間前から突然に、痛くてとか、息苦しくてたまらないとなると優先順位は高くなります。
早めの診察が必要と判断し、医師に報告します。
普通に待つと私の病院なら2時間待ちが当たり前です。
その間にもっと病状が悪化してしまいますからね。

そして「どんな症状か」です。
これはその診療科によって全く違うので割愛します。

そして「経過」です。
どのような経過をたどったのか、前医ではどうしたのかとかです。

現病歴はこの辺りを押さえておくといいと思います。


既往歴

既往歴とはこれまでにかかったことのある病気です。
既往歴が今回の病気につながっている場合もあります。
あと、その患者のリスクの判断にもなります。
例えば膵臓がんで手術目的の患者が外科にきたとします。
既往歴を聴取すると数年前から心房細動で循環器にかかっていることがわかりました。
抗凝固剤という血液をさらさらにする薬を飲んでいます。
手術をするのに出血リスクが高いということになり、薬の管理や心機能の確認など、なお一層の注意が必要となります。

この既往歴を知らないまま手術をしてしまったらと考えるとぞっとしますよね。
既往歴や飲んでいる薬はとても重要です。


家族歴

これは主にふたつの意味があります。

まず遺伝性の病気を疑う指標になります。
例えば、乳房にしこりがあると受診された患者がいます。
家族歴を聞くと、親は乳がん、姉も乳がん、兄は前立腺がんなど、遺伝性の乳がんかもしれないなとの指標になりますよね。

また、その患者のサポート体制を知ることです。
がんを疑うような患者であれば、今後の長い治療生活をだれかサポートしてくれる人がいるかどうかはとても重要になります。
キーパーソンはだれか、事前に聞いておくと治療方針の説明など重要な話をだれと一緒に聞くかを確認できます。

中には家族はいない、親戚もいない、頼れる人はいないという患者もいます。そうなると今後の治療のサポートをどうするか話し合わなければなりません。ソーシャルワーカーの力も必要になります。


仕事

なんの仕事をしているのか、またはしていたのかです。
仕事内容によってなりやすい病気もあります。
あとは金銭面に不安があるかどうかを予測することができます。

嗜好品
タバコやアルコールですね。タバコは肺の病気、アルコールは肝臓の病気などなりやすい病気があります。
どちらも依存性が高いので、入院できるかどうかの判断にもなります。
(入院中は禁煙、禁酒することになりますからね)


アレルギー

色々なアレルギーを持っている患者がいます。
重要視するのはやはり薬や造影剤でしょうか。
アレルギーのある薬を処方するわけにはいきませんね。


介護保険の申請の有無、介護度
その患者のADLや認知状態を知ることは今後重要になってきます。
治療選択の場面でも本人に選択ができるのか、家族が主に行うのかなどの指標になります。
また担当ケアマネージャーやデイサービス、訪問看護など、今後連携が必要になるかもしれないので大事な情報です。


いかがでしたか。
意外と意味あるんだなあと思いませんか。

では今日はこれで失礼します。

また読んでいただけると嬉しいです。

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