ヴィランを解釈してみた(前編)
はじめてノートを使おうと思ったのは、おととい一目惚れ、
ならぬ一耳惚れをした「ヴィラン」の歌詞解釈をどうしてもまとめたいと考えたためである。
初の歌詞解釈なので、見苦しい点もあるかと思うがご容赦いただきたい。
本家を知らないという方は、まずはこちらを見てほしい。(聞けばわかる、最高だ)
それでは本家を紹介したところで早速歌詞の解釈に入ろう。
歌詞は動画の概要欄から、適宜画像も本家のPVからお借りしている。
〇主人公について
まずこの曲の主人公は「僕」。PVに主に登場するのは赤髪赤目の容姿をしている。
そしてPVのサビの部分では青髪、青目の容姿となり
「君の前では男子のフリする」とうたわれている。
このPVの中では赤と青が効果的に使われており、
女の子のときが赤
男の子のときが青
と区別していけばよいかと考えられよう。
また、男の子のフリをしているとき涙の模様がイラストに描かれていることから、本人は男の子のフリを望んでいないが、何らかの理由でそうせざるを得ないと推察される。
つまり、この曲は主人公の性別にまつわる歌なのではないか。
この仮説をもとに解釈をしていく。
(あくまで個人解釈)(それでもよければお付き合いください)
〇歌詞の内容(1番)
まずは一番の歌詞を見ていこう
きっと手を繋ぐだけでゾッとされる
➾おそらく好きなヒト、
好意を向けている相手が普通ではない人物(=同性)だからと推察される
馬鹿げた競争(ラットレース)一抜けたら通報される
※ラットレース:資産がたまることのないまま同じ仕事や生活を続けて
いる状態。
➾歌詞の内容と合わせるとラットレース(=同じ生活)から一抜ける
普通から脱したら(=普通の恋愛ではなく同性を好きになったら)
通報される。
突然変異(ミュータント)じゃない ただの僕さ
➾別にこうなったことは突然変異ではなく、ただの僕
XとかYとか
➾性別を決めるx・y染色体のことを指していると考えられる
〇間のPVに入る文字
Histoire de Juliette, ou les Prospérités du vice(マルキ・ド・サド)
-ジュリエット物語または悪徳の栄え-
➾修道院で育てられた敬虔な少女ジュリエットが自身の快楽を追求する
ために家族や友人といった親しい人間を殺すおはなし
Vingt Journées de Sodome ou lÉcole du libertinage(マルキ・ド・サド)
-ソドム百二十日または淫蕩学校-
➾莫大な財産を有する四人組が国中から集めた美少年と美少女と性倒錯・
暴力・善悪・反道徳・無神論といったテーマとともに描かれている
Les Fleurs du mal(シャルル・ボードレール)
- 悪の華-
➾詩人の生誕から死までを退廃的、官能的に表現するボードレールの
韻文詩集
Vorlesungen zur Einführung in die Psychoanalyse(ジークムントフロイト)
-精神分析入門-
➾心理学者フロイトの講義録。
錯誤行為:意図した行為とは異なるう行為を行ってしまうこと
夢 :夢は無意識的なものを歪曲した代理物として扱う
神経症 :患者の無意識が発現したもの
といった内容を書き記したもの
Sumbole der wandiung(カール・グスタフ・ユング)
-変容の象徴―精神分裂病の前駆症状-
人間の無意識の世界から紡ぎだされた象徴的主題とそれを核にして形成された神話的なイメージや象徴的表現の分析による心の構造の探究。リビドを広義の人間的エネルギーと捉え、新しい地平を切り開いたユング心理学の記念碑。
上記の通り、性別、性愛、生と死や、心理的なものに言及する書物が多く、
仮説に基づけば、主人公が心理的に抱えもっている無意識は世間一般的に反道徳的なものであると考えることができよう。
〇サビ前(1番)
べき論者様は善悪多頭飼い
※べき論者:こうあるべきと決めつける人々は
多頭飼い:同種のものを複数飼うこと
➾こうであるべきと決めつけてくる人々は善悪を多頭飼い(強く)
持っている。
僕が君を"侵害"するって言いふらしてる
➾そのままの意味で、君(=手をつなごうとしていた人物=主人公の好きなヒト)を“侵害”する(主人公に思われていることで悪影響が出る)と言いふらしてる。
〇サビ
Oh...
Mr.Crazy Villain Villain
※crazy:気が狂った、気がふれた
Villain :悪役、悪党、悪者
気狂いの悪役、とでも訳してみようと思います。
また、PVが青に変わっていることとMr.がついていることで、
”男であること”を強調しているようにも見えます。
夜行性の花弁
違う服着て君の前では男子のフリする
➾夜には君(=好きなヒト)の前で違う服を着て男子の振りをしていると
考えられる。
PVの絵に涙の模様があることから、
先述の通り本当は男の子の振りをしたくない、女の子として愛されたいけど、手を握ってゾットされてしまうなら、そばにいるために男の人のふりをする。という思いもあるのかもしれませんね。
拝啓 Dr.Duran Duran
➾Dr.Duranは映画バーバレラに登場する悪役であり、
宇宙破壊光線をつくった悪役です。
また、この物語もエロスを扱っており、
先述のPVに一瞬登場する物語のタイトルともリンクすると考えられます。
迎えにきて下さい
➾僕も悪役の仲間にしてほしい。
あるいは、こんな世界を壊してほしいというお願いでしょうか。
顔も知らない誰かにとって僕はもうヴィラン
➾顔も知らない誰かにとって自分は悪者なんだろう
蛇蝎ライフ
➾蛇蝎:へびとさそり人が恐れ嫌うもののたとえ。
人に恐れられ嫌われる人生
挙句の糜爛
※糜爛:ただれてくずれること
➾人に恐れられ嫌われた人生の挙句生活もただれた
夜行性の花弁と言っていることから、夜遊びをするようになってしまっ
たことなどを指すのではないでしょうか。
また、「顔も知らない誰かにとって僕はもうヴィラン」と歌うとき、ヴィランの文字で涙の模様が隠れます。
また主人公の顔も隠れることから、顔も知らない誰かにとって主人公の苦悩などまったくしらないまま悪者として扱われるといった意味もあるのではないかと考えられます。
以上、前編では1番部分を解釈してきました。後半では二番についての解釈を行っていきたいと思います。
引き続きお付き合いいただけたら嬉しいです!
後編はこちら!
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