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【劇場版ブルーロック-EPISODE 凪-】天才から星が生まれ、命が生まれる。【感想文書】

皆様こんにちは、肴矢三祈です。
初めましての方へ、さかなやさいのりと読みます。
本日は上映中の『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』を視聴して来ました!
この記事ではネタバレもありつつ映画館で観られて嬉しかった場面や演出などを紹介させていただきます。

注意!!
この記事を書いている人間は腐女子です。
この言葉の意味がわからない方、または嫌悪感を抱いた方は十分お気をつけてお進みください。
どうしてもよろしくない時は読むことを止め、お水を飲んで深呼吸して見なかったことにしてください。
よろしくお願い致します!

【前情報から色々話題になっていた作画について】

全体で言うとアニメ一期とほぼ同様のクオリティです。
一期からの作画をそのまま流用しているシーンもそこそこあります。
劇場版アニメに精通されている方からすると少し物足りなさを感じるかもしれません。
しかし!! 新規描き下ろしシーンはもちろん既存シーンが新たに描かれた場面もあり一概に作画のクオリティのみで評価したくない一本でございます。
連載されている漫画『ブルーロック -EPISODE 凪-』を読まれている方はあんなシーンもこんなシーンもアニメ化されている……と言う事だけでも観に行く価値が十分にあると思います。

【前半と後半、一粒で二度おいしく一粒まるごとで最高体験】

前半は白宝高校での凪さんと玲王さんの出会いからブルーロックへ招集され、Vチームで斬鉄さんとも出会い勝ち進んでいく様が明るくさくさくと描かれています。
主人公である凪さんの感情もここまでは非常に緩やかで、入寮後から違和感を感じつつも大きな波はなく進んでいきます。
終始楽しそうな玲王さんや互いを知り合う斬鉄さんとのやりとり。
観ている側としても微笑ましい場面が多く、展開としても一種の安心感があります。
ここまでは正直『脱落したら一生日本代表になる権利を失う』と言うブルーロック最大の特徴であり登場人物たちのエゴを刺激する一番の要因がほとんど感じられません。
あまりに軽快、あまりにほっこりしていてこちらもつい忘れそうになるくらいの温かな空気感で描かれています。

この前半部分からチームV vs チームZ、一次選考最終戦に突入してからの『にじり寄るような恐怖』は、展開を知っていても肝が冷える感覚がありました。
サッカーを始めてからとんとん拍子に勝ち上がって来て、おまけにこの戦いの中で自分の才能をより強く実感していく凪さんは敵無しにも見える高揚感を纏っていました。
しかし『久遠渉による妨害を受けたことで得点出来なかったこと』と『読み方も動き方も間違っていなかったのに潔世一に勝てなかったこと』から、知らなかった感情を強制的に知ります。
ここに来て運が味方しなかったと映るような敗北の中、凪さんはその先を渇望します。
凡人の感覚であれば『良い感じで進んできてさらに良い感じに乗って来た所で思い切りくじかれた』と言う、状況も感情も急降下しかねない所で凪さんは『もっと強くなりたい』と思うようになります。
この敗北直後の場面演出や表情の描かれ方がぱぁっと光が広がるようなもので、凪さんの感情は挫折していないことがはっきりわかります。

ここでより、凪誠士郎は天才であることを我々視聴者は理解します。

前半のポップさと後半のドラマティックさ、それぞれを観ても通して感じても楽しめます。

【夢の先でまた】

二次選考にて三人一組を組む時、凪さんが先に進み玲王さんは残った所でのシーンです。
漫画で描かれていた、玲王さんが凪さんに『こう言ってやりたかった』と思っていた理想がしっかりとアニメーションで描かれ、内田雄馬さんのお声が入った状態で観られます。
ここで凪さんもお返事をしているのですがこちらは島﨑信長さんのお声が入っておらず、何と言って先に進んだかわからないと言う演出がされています。
口の動きから恐らくは『レオ、いってきます』あるいは『いってくるね』だと思うのですが、実際はこのシーンは玲王さんが言えなかった理想の場面であり、『実際には聞いていない凪さんの言葉を再生出来なかった』為にお声がなかったのかもしれません。

このシーンは少しスケッチのように見える柔らかいタッチで描かれています。
思い描いた理想が実現出来ず、声を押し殺しながら涙を零す玲王さんは前半の元気さとの落差もありこちらも泣いてしまいそうでした。我慢しました。

【天才から星が生まれ、命が生まれる】

ブルーロックに入寮後、特にチームZ戦中にて現われる『銀河が揺らめいているような演出』と『深海から泡が昇っていく演出』があります。
宇宙空間のガスとチリが集まり星が誕生するように、凪さんの覚醒が進むにつれて輝きを増していきます。
その後もっと自分を知りたいと感じている凪さんに、海の中で生命が誕生し地球上の歴史の発展が始まった時を思わせる演出が重ねられます。
本編『ブルーロック』の主人公である潔世一様のパズルピースの演出との違いとして、凪さんのこの演出には『0が1になった瞬間』即ち『無から有を生む』と言う天才ならではを感じました。

【知らない方はもちろん、知っているからこそ観に行ってほしい!】

『聞いたことあるけどいきなり映画から見てわかるかな?』と悩まれている貴方様。
『総集編的なのだったら絶対観なきゃってこともないかも……』と視聴を躊躇っていらっしゃる貴方様。
どちらの場合でも全く問題ありません!!
最初の導入部分はサッカーを知らなくてもお話がわかりやすく、観ていく内に凪さんたちのことや世界観がだんだんとわかっていきます。
アニメ一期も漫画原作も全部網羅されている方も、『ここでしか観られないシーン』それのみを目的に行って絶対に損はありません。

是非、ゴールデンウィークは『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』を観に行ってみてください!
                         肴矢三祈








【おまけ・赤い髪で三つ編みの彼】
漫画にはなかった『二次選考の三人一組を作る部屋で、凪さんが潔様を誘い断られ自分が入ると言い玲王さんが落ち込むまでをそこそこ近い距離で見ている』と言う映画のみのシーンが追加されています。
この時この部屋にはまだチームを組んでいない他の方も居るのですが、何故か彼だけ思い切りそのやり取りを見ている位置に立っています。

この追加シーンは漫画原作本編における『何故彼は殆ど面識が無い相手に対していきなりそうしたのか?』と言う理由の一つになる一場面かもしれません。
と筆者は思っておりますが、ファンサービスで深い意味はないかもしれません。


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