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つめたい風の吹く街に、ぽうっと灯りのともる頃。 ちいさい女の子のあきちゃんが、あきちゃんの部屋でひとり、絵本を読んでいました。 ぱらり、ページをめくるたび、あきちゃんの髪はふわりとゆれて、まあるいおでこがひやりとしましたが、あきちゃんはそんなこと、お構いなしでした。 「あきちゃーん、ごはんよー?」 「……今いくっ」 あきちゃんは、お母さんに呼ばれるとすっくと立って、お部屋の電気をぱちっと消して、お母さんの声のした方へと走って行きました。なぜなら、きょうの夕ご