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いつもより早く目が覚めてリビングでお湯を飲みながら座っていた。 まだ時間があるのでお風呂を沸かしなおして入ることにした。 お風呂が沸くまでの間、少し伸びていた爪を切った。はじめから、爪を切るための時間だったみたいに、切り終わるとすぐにお風呂が沸いた。 せっけんを泡だてて、たくさん泡だてて、からだを洗う。 いつもは済ませるだけだったことを、気持ちを入れて、丁寧にやってみる。 湯船にくすりを入れて、お湯のなか、両手のひらで、糸を手繰るようにクルクルすると、お湯がやわらかく
夢をみました。たくさんの向日葵がゆれている夢。 風はないのに、並んでひしめきあってる向日葵はゆれていて…たぶん夢のその日は、とても暑かったのだと思います。 でも、当のわたしは汗もかかずに、それどころか汗を滑らす肌も持たずに、ただそこにいる何者かでした。向日葵に触れようと伸ばしたはずの手はなぜか見えず、ただゆらめきと熱気の屈折が増していき、いくら強く呼吸してもその音は聞こえないまま、わたしはただそこにいる何者かでした。 ……もうずっとこのままなのだろうかと、そう思った矢先