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世界ふしぎ発見 グレートジャーニー

人類が最終氷期の末期にベーリング地峡を渡りアメリカ大陸に渡った時期については、いくつかの異なる記述が見られる。
①今から1万1500年前にベーリング地峡を渡りアメリカ大陸にやってきた人類は、1千年かけて1万500年前に南アメリカ大陸の南端までたどり着いた(『ニュートン別冊 日本人のルーツ』)。
②東京国立博物館「古代メキシコ展」のパネルでは、1万3000年以上前にシベリアから渡った。
③アメリカ大陸に渡った時期は、約1万4000年前ごろと考えられている(「世界史の窓 ベーリング海峡」)
④最終氷期の後期(1万8000年前 - 1万5000年前)にベーリング地峡を渡りアメリカ大陸に着いた(ウィキペディア)。

研究が進みにつれて、過去に遡るようであるが、先日TBS『世界ふしぎ発見』(2023.8.19)を見ていたら、2万3千年前の人間の足跡が発見されたという。そもそも研究には同調圧力があり、発掘は想定外の地層に達するとやめてしまう。学問の自由といっても研究者は組織に属する人間なのでいろいろな束縛(先達の学説や予算)があるのだろう。2万3千年前の人間の足跡は、それをくつがえす大発見である。

かつて、相沢忠洋の岩宿遺跡発見までは、日本には旧石器時代はないといわれ、関東ローム層に達すると発掘しなかった時代があった。在野の研究者だった相沢忠洋には同調圧力がなかったことが大きい。

もうひとつ面白かったのは、カルフォルニアのチャンネル諸島に住むチュマシュ族の系譜である。定住狩猟採集民族である彼らの作る黒曜石の石器は縄文時代ものと類似している。チャンネル諸島からは1万3千年前の人骨が発見されているという。どんぐりを擦り石で粉にする文化も縄文に似ていた。ユーラシア大陸から北米大陸の沿岸部に繁殖するジャイアントケルプ(昆布類)の海域を伝って、縄文人が北米大陸にやって来たと推測していた。縄文人が舟で移住したということは興味深い。縄文時代と環境が類似しているチャンネル諸島で縄文的な文化を新たに定着させたのだろうか。

しかし、チャンネル諸島の住民の源流が分かっても、それより古い2万3千年前の人間がどうやって北米に来たのかは分からない。ホラアナライオンという大型のライオン化石も発見されていて、ユーラシア大陸の動物がアメリカ大陸に渡っている。動物が渡れるなら人類も渡れるのだろう。出演者の方がマンモスを追って人間は移動したと言っていたことも印象的だった。テレビ番組にも、このようになかなか興味を注ぐものがある。

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