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一般の人とは

テレビニュースでよく、芸能人の結婚で、お相手は一般の人です、という報道がされる。一般の人は何だろうと個人の特定には関心はなくても、範疇に悩まされる。

一般の反対語は、特殊である。すると芸能人は特殊な人ということになるのだが、辞書を引くと特殊の意味は、
特殊な技術といえば、その用途にのみ使える限られた専門的な技術
特殊な細菌といえば、性質・内容が他とは著しく異なる細菌
特殊な原理といえば、限られた範囲にしか当てはまらない原理で、対語に普遍がある。要するに特殊なものは限定的である。

一方、一般の人とは、普通の、多くの、ありふれた人とある。特殊が限定的であるのに対して、一般は非限定的である。

数学の集合で言えば、特殊は、あるひとつの性質を持つものの集合で、一般は、それに入らないもの全ての集合とも言える。

では、芸能人はどういう定義から成る集合なのだろうか。それが分れば、その定義から外れた人は全て一般の人になる。

芸を職業にしている人? 大衆の前に出る人? マスコミに曝されている人? 結婚という個人情報が世間に公表されてきた人? このあたりが、芸能人を特殊として、一般と区別する理由を解く鍵になりそうである。

一般の人は、この反対を考えれば良い。大衆の前に出ない人、マスコミに曝されない人、結婚という個人情報が世間に公表されない人、従って、プライバシーが厳格に守られる人となる。

不特定多数である大衆の前に、個人の氏名等の個人情報が公表されない権利は、プライバシー権である。「一般の人です」と明言することは、個人のプライバシーを守る意図があるからだ。一般の人は、情報を糧とする組織の干渉から自由でなくてはならない、と思う。


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