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【EDH】《再構築者、オスギル/Osgir, the Reconstructor》Part 2

 やあみんな、シンジだ。今回も《再構築者、オスギル/Osgir, the Reconstructor》のEDHリストについての記事を書いていくぞ。

 それと、前回の記事で「スキ」ボタンを押してくれた人たちへ、この場を借りてお礼を申し上げる。記事の更新の大きなモチベーションになっているぞ。

 Part 2となる今回は、前回の記事で紹介した「コンボ・オスギル」の回し方について解説していきたい。

そもそも、オスギルとは?

 デッキの解説の前に、ここで《再構築者、オスギル/Osgir, the Reconstructor》とはどのようなジェネラルかを解説しよう。

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《再構築者、オスギル/Osgir, the Reconstructor》
 (2)(赤)(白)
 伝説のクリーチャー — 巨人(Giant)・工匠(Artificer)
 警戒
 (1),アーティファクト1つを生け贄に捧げる:あなたがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+2/+0の修整を受ける。
 (X),(T),あなたの墓地からマナ総量がXのアーティファクト・カード1枚を追放する:その追放されたカードのコピーであるトークン2つを生成する。起動はソーサリーとしてのみ行う。
 4/4

 統率者2021『ロアホールドの伝承/Lorehold Legacies』で収録された新しい伝説のクリーチャー。採掘現場で発見した遺産を2つに複製し、1つを自室に飾っているんだとか。

 4マナ4/4の警戒、ボディは十分。能力を2つ持っていて、片方はファクトをサクる能力、もう片方は墓地のファクトのコピーを2つ作製する能力だ。

 1つ目の能力について。1マナでファクトをサクることによって1体に+2/+0修正を与える。無限マナと無限ファクトで無限パンプ...ではあるのだが、これ自身が勝ち筋のデッキを組むことは難しいだろう。大切なのは、1マナ払えば好きなタイミングでファクトをサクることができるということだ。

 2つ目の能力について。これがオスギルの真骨頂となる。マナの支払い+タップ+墓地のファクトの追放で、そのコピーを2つ作製することができる。これがどういうことかというと、例えば、オスギルがいる状態で《ミシュラのガラクタ/Mishra's Bauble》をキャストするとしよう。そのままガラクタ起動、サクって1ドロー(スロートリップだけどね)。その後、オスギル起動。0マナ+タップで墓地のガラクタを追放し、コピーを2つ作製。そのままその2つをサクって2ドロー! つまり、オスギルがいる状態ならば1ドローできるファクトは3ドローに化けるのだ。このデッキリストが、《彩色の星/Chromatic Star》や《アーカムの天測儀/Arcum's Astrolabe》などの1ドローできるファクトを多く採用している理由が分かるだろう。

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 余談ではあるが、《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》や《白金の帝像/Platinum Emperion》などを増やして戦う「オスギル・ストンピィ」といったようなデッキも非常に楽しいであろう。興味のある方はそちらも組んでみてほしい。

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「コンボ・オスギル」の強さ

 オスギル自身の解説はこのくらいにして、この「コンボ・オスギル」が(1000円以下のカードしか用いていないにもかかわらず)なぜ強力かについて解説する。このデッキが強力(パワーレベル7前後)である理由は、以下の3点に集約される。

①コンボの安定性
②コンボ破壊耐性
③ヘイトの低さ

 まずはコンボの安定性について。前述したとおり、オスギルを起動すれば1ドローのファクトが3ドローになるのだから、コンボパーツにアクセスしやすいのは当然のことだ。またそれだけではなく、《太陽の指輪/Sol Ring》を自身の能力でサクってから複製して4マナ生み出す、また《睡蓮の花/Lotus Bloom》を複製して6マナ生み出す、といったように増えた手札を吐き出す時にもマナに不自由することは少ない。

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 次にコンボ破壊耐性について。「コンボ・オスギル」はファクトデッキなのだから、ファクト破壊には弱い...と思うだろう?そんなことはない。なぜならオスギル自身が破壊されたファクトを2つに増やして返してくれるからだ! また、大切なファクトがカウンターされてしまった場合も同様に、オスギルが墓地から倍にして釣ってくれる。加えて、カラーリング的に除去には不自由しない色であるため、《溜め込み屋のアウフ/Collector Ouphe》や《呪われたトーテム像/Cursed Totem》なんかを難なくどかすことができるのだ。

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 最後にヘイトの低さについて。このデッキは最終的に無限マナから無限ダメージにたどり着くデッキであるが、一つ一つの動作にヘイトを稼ぐものがほとんどない(相手からすると、ファクトをガチャガチャして遊んでいるだけに見える)ため、コンボへの道のりで誰かに妨害されることは少ないのだ。これが例えばオスギルではなく《眷者の神童、キナン/Kinnan, Bonder Prodigy》であったり、《エーテリウム造物師、ブレイヤ/Breya, Etherium Shaper》であるとそうはいかない。ジェネラルに除去を惜しむことは無いし、コンボパーツの片方も積極的にカウンターされてしまうであろう。オスギルであるならば、1試合中にジェネラルをリキャストする回数はせいぜい1回だ。ひっそりとコンボパーツを集め、周りのプレイヤーをあっと言わせてやろう。

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「コンボ・オスギル」の勝ち筋

 では、実際に勝つ時にはどのようなコンボを決めるのか?このデッキに内蔵されているコンボは、大きく分けると2つに分類される。

(A) 無限破壊
(B) 無限マナからの無限ダメージ

 (A)の無限破壊の仕組みは簡単だ。場に《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》と《イシュ・サーの背骨/Spine of Ish Sah》、それに加えてファクトを1マナ軽くするカード(《鋳造所の検査官/Foundry Inspector》など)を揃え、《彫り込み鋼/Sculpting Steel》をキャスト。背骨を指定して場に出してパーマネントを1つ破壊し、KCIで鋼をサクる。2マナ発生して、鋼は背骨を指定しているので手札に戻る。その2マナでまた鋼をキャストすれば、ループが完成して相手のパーマネントが土地も含めて全て破壊される、というわけだ。ちなみに、別の方法で無限マナが発生していれば背骨とオスギルだけで無限破壊が発生するぞ。

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 (B)の無限マナからの無限ダメージは、(A)と比べて少し複雑だ。しかしこちらが勝ち筋の9割を占めるため、しっかりと解説していく。

 まずは無限マナの発生方法について。これは以下の2つが存在している。

(i)  バサルトコンボ
(ii) KCIループ

(i)のバサルトコンボは、《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》+《黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker》、もしくは《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》+《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》+2マナが揃うと無限マナになるというものだ。

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前者はザーダの効果でバサルトのアンタップ能力が1マナになるから、無限マナ。後者は少し複雑なので、ここで解説する。

最初の状態。モノリスが起きている。残2
モノリスをタップ。残5
モノリスのアンタップを起動(まだアンタップされていない)、ブライト誘発。残2
ブライト誘発に2マナ注ぎ込む。残0
ブライトの誘発を解決。モノリスが起きる。残0(ここでもまだモノリスのアンタップ起動は解決されていない)
モノリスのアンタップ起動にスタック、モノリスタップ。残3
モノリスのアンタップ起動をようやく解決。残3

 これで最初の状態に戻り、残りマナが1つ増えている。これを繰り返せば無限マナだ。

 (ii)のKCIループは《クラーク族の鉄工所/Krark-Clan Ironworks》を用いた無限マナなのだが、このコンボは複雑怪奇で、説明すると非常に長くなってしまう。どうしてかというと、このコンボの遂行は普段意識しないマジックの詳細なルールを認識する必要があるからだ。よって、これは次回にさせていただきたい。

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 もう一つ付け加えておく。(i)を発生させる時に大活躍するのが《カルドーサの鍛冶場主/Kuldotha Forgemaster》だ。このカードは一定の条件を満たすと山札からバサルトとブライトと無限マナの注ぎ先の3つともを場に出すことができる。これはそこまで複雑ではないのだが、コンボ手順が長いのでこちらも次回に回させていただく。

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 では(i)もしくは(ii)を用いて無限マナが出たとしよう。このデッキの無限マナの注ぎ先は、基本的には《歯車組立工/Cogwork Assembler》だ。コイツの起動型能力で自身を無限回対象に取り、速攻を持った組立工のコピーを無限体生産して無限ダメージ。
 ここで、どうして小回りが利く《歩行バリスタ/Walking Ballista》を用いないのだろう、と考えた人がいるかもしれない。たしかに、バリスタは様々なサイズで出すことで除去として使うことができるし、おまけに組立工とは違って《屑鉄場の再構成機/Scrapyard Recombiner》でサーチすることができる。しかしながら、バリスタは素のP/Tが0/0であるためオスギルで釣ることができないのだ。これが組立工との最も大きな差となっている。序盤に打った《安堵の再会/Cathartic Reunion》等で捨てた時でも、無限マナが発生すればオスギル起動から無限ダメージが出るのは組立工ならではのものである。

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 あとは、無限マナから無限ドローで組立工にたどり着ける《威圧の杖/Staff of Domination》も優秀だ。組立工同様オスギルで釣ることができて、無限マナが出ない時もほどほどに活躍するのがグッドだね。

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 さて、今回も長くなってきてしまったのでこのくらいにしたいと思う。次回はKCIループの解説及びカルドーサの鍛冶場主でコンボを揃えるための手順の解説を行う予定だ。

 質問事項や改善案があれば気軽にコメント欄に記入してほしい。

 それではまた次回。アディオス!!




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