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日向景修園

あまり知られていないのですが宮崎市は全国でも珍しく、支配的な藩が存在しない場所に作られた街です。「作られた街」なのです。
北海道の札幌に少し似ているかも知れません。
だから大きな城も無いし、庭園や寺社仏閣も無い。
戦国時代初期に島津が戦いに使用した城跡などが、微かに残る程度です。
ちなみにこれも知れらていないことですが、島津の本拠地は宮崎県の
都城みやこのじょうです。鹿児島ではありません。
では宮崎市はどのような場所だったかというと、幕府の天領でした。
というか、ただの野っぱらでした。

その結果、そもそも縄張り争いという感覚が無く、誰でも受け入れる親切で優しい風土が今でも残っている街なのです。
私も宮崎市へ移住してきて誰からも毛嫌いされるでもなく、昔から住んでいる人たちと同様に受け入れてもらっていて、とても明るくて楽しい街です。
クレームというものが基本的に存在しない風土で、みんな適当。
いや、かなり適当。むちゃくちゃ適当。
適当=「てげてげ」という方言があるほどです。
この適当さがとても楽しい。
街でクレームをつけている人をもしも発見したら、(冗談ではなく)ほぼ関東か関西などからやって来た外来者です。

また私が全国を旅した中で、もっとも街にゴミが無く、もっとも公衆便所が綺麗な街です。公衆便所は常に新品同様の状態です。
子供たちがまず教わるのは「英語」ではなく、「掃除」です。
街でゴミを発見するのは、かなり難しいと思います。
自治体や住民のモラルは、街のゴミを見れば、一瞬でわかります。
だから街ですれ違った高校生とかに、いきなり「こんにちは!」とか、挨拶をされることがあります。

さていつも通り少し話が逸れましたが、そんなわけで、宮崎市には由緒ある「庭園」がありません。
私は庭園マニアでもあり、故郷の岡山には「後楽園」があったし、となりの香川県には「栗林公園」があり撮影に通ったり、子供の頃一時住んでいた岡山県の津山市には「衆楽園」がありました。
宮崎市には庭園が無いというのが少し寂しいなぁと思っていたのですが、最近、なんと総合運動公園の端っこに、「日向景修園」なる庭園があることに気が付いたのです。
気が付くのに10年もかかりました。
総合運動公園と言えば巨人軍のキャンプ地で有名なのですが、まさかあの広大な運動公園にそんなものがあるとは知りませんでした。

さっそく訪れてみると、なんとも立派な日本庭園ではありませんか。
あきらかに大名庭園を意識した池泉回遊式で、第一級のレベルだと思いました。

素晴らしい!!

特に驚かされたのは、庭園内に高千穂峡を模した滝と渓谷があり、これには度肝を抜かれました。
新しい感性によって作られた現代の庭園であるにも関わらず、古来からの池泉回遊式庭園としての違和感が全くありません。
なんで宣伝しないんだろう??
しかも持ち込んでいる岩のデカいこと。
国内随一の迫力ある庭園であると断言できます。
大名庭園のように陰陽石があるのかどうかはわかりませんでしたが、岩の風景は本当に見応えがあります。

持って行ったカメラはOM SYSTEM OM-5、レンズはお気に入りのLAOWA Argus 18mm F0.95 MFT APO。
超高解像でありながら自然な描写が特徴で、これほど風景撮影に適したレンズはそうそう無いでしょう。

今回は様子見で訪れただけなので、時間があるときに撮影に通ってみようかなと思いました。
おすすめですよ。


OM SYSTEM OM-5 / LAOWA Argus 18mm F0.95 MFT APO
運動公園はサーフィンで有名な海岸に面していて、その境界には松林が広がる。
OM SYSTEM OM-5 / LAOWA Argus 18mm F0.95 MFT APO
OM SYSTEM OM-5 / LAOWA Argus 18mm F0.95 MFT APO
OM SYSTEM OM-5 / LAOWA Argus 18mm F0.95 MFT APO
これは必見。よくぞ作った。遠近感を利用した構造が素晴らしく、
相当な技術を持った者が設計したと思われる。
OM SYSTEM OM-5 / LAOWA Argus 18mm F0.95 MFT APO
お気に入りのマグカップと、京都のどこかで買った箸置き。
F0.95なのにこの小ささ。


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