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Honda SuperCub110 JA59 2022

いつも撮影の移動手段には、車か小型バイクを使用しているということを、以前お話ししました。
もともと車でのドライブが大好きで、車での旅がメインだったのですが、
13年ほど前から写真撮影には小型バイクのスーパーカブ110を併用しています。

そしてこの4月にバイクを新調しました。
もともとスーパーカブは人気もあるため、情報を欲している人が多いだろうと思い、少しばかり新型のJA59型について記すことにしました。
一気に書き記すため、少し長い文章になるかもしれません。
また、私の場合は前述したように、撮影&旅の道具として新型カブを見た場合の考察ですので、一般のバイク好きの人の考え方とは異なる点にご注意願います。
いわゆるガチの、限界までバイクを道具として酷使する走り方なので、一般の人の参考にはならないかもしれません。

少し経緯を説明します。
今回のスーパーカブは3台目です。
2台目が6万キロを超え、9年目に突入したため新たなバイクを探していました。
スーパーカブの耐久性はご存じの通りで、6万キロ程度ではエンジンは依然として絶好調です。一点の曇りもなく、一気にスムーズに吹け上がります。
レッドゾーン近くまでしばしばブン回すし、減速時はほぼ全てシフトダウンしながらなのに6万キロでチェーンは1回も変えておらず、それでもチェーンは全く問題ないレベルなのです。
行きつけのバイク屋でもチェックしてもらっていますが、まだまだ十分大丈夫とのことでした。
このあたりはチェーンカバーケースの絶大なる効果を感じています。
これらは総じて、いかにスーパーカブの耐久性が優れているかということを物語っています。
バイクとしてはまだまだ余裕で使える状況なのですが、さすがに10年近く乗り続けているとあちこちの部品に不具合が出る可能性もあるため、新たに購入することになった次第です。

バイクを探し始めたのは去年の11月ごろで、当初はワンランク上のC125を検討していました。
最大の理由はチューブレスタイヤの恩恵です。
本気で走り回っていると年に1度くらいはパンクするわけですが、牽引距離無制限のロードサービスに入っているとは言え、人里離れた山中だったりすると非常に苦労するわけです。
やはりチューブレスタイヤは必須ですが、スーパーカブはパンクして走行不能になりやすいチューブタイヤです。でもスーパーカブ以外に本気で荷物を積んで走り回れるバイクは存在しません。
そこでチューブレスタイヤを採用したC125を考えたわけです。
ただ、C125は標準の荷台が使い物にならないほど小さかったり、燃料のタンク容量も少なく、110のスーパーカブと比較して劣っている部分が多くて、その点がどうしても不満でした。
特に大きいのがキックスターターが無いという点で、これはかなり許容し難いものです。
街中をおしゃれに走り回るなら断然C125なのですが、本気の過酷な旅ツーリングとなれば、キックスターターが無いのは致命的でもあります。

コロナ禍やウクライナでの戦争の影響で現在バイクはほとんど手に入らない状況でしたが、半年ほどC125の入荷を待っている間に新型110が出たため、こちらを購入したという訳です。
新型110がチューブレスタイヤ仕様になったというのが、一番の決め手です。

新型110は、非常に進化しています。
全てのカブシリーズの中で、本気で使うなら圧倒的にこのノーマルの110が優れていると思います。
人気のハンターカブCT125はどうなの?という声が聞こえてきそうです。私の目から見ると、やはりハンターカブもC125と同様にお洒落カブの範疇に入ると思います。
ハンターカブは車重が120キロもあり、これだけでも大きなデメリットです。ノーマルの新型110と比較すると20キロも重いわけです。
林道や荒れ地を走っているとき、どうにもならない場合が必ずあります。
そんな時、最終手段としてバイクを担ぎ上げたり、倒木の上を引きずって越えたりする必要があるわけですが、その時にこの20キロ差は非常に大きいでしょう。
ハンターカブの一つ下にあたる110のクロスカブなら車重は107キロです。クロスカブはヘッドライトとハンドルが分離していて、この設計が極めて優秀です。
クロスカブは、この分離によってヘッドライト周りに荷物をつけても操作性に問題がなく、工夫すればカブの欠点のひとつでもある前後重量バランスを、柔軟に変更することが可能になります。
一体型のハンターカブではこうはいきません。クロスカブとハンターカブならば、私はクロスカブを選びます。

新型のJA59は、まず全体にカッチリと精度が増しました。
前に乗っていたカブはJA10の後期型だったのですが、中華製ということもあって、精度は酷いものでした。
メーターの針は最初からビビっていたし、ボルトが斜めに突き刺さっていたり、同じボルトなのにこっそり安物を混ぜているためか錆びるものと錆びないものがあったり、製品としてかなり厳しいものでした。
さすが中華製。

JA59の今回の新型は素晴らしい精度です。
JA44には触れていないのでわかりませんが、JA59は機械精度が素晴らしい。JA44からは熊本工場で作られているとのことなので、納得です。
「ザ・日本製」というものを、確実に体感できます。
ギヤからのダイレクト感は完全に別物です。
精密機械を動かしているように感じるほど、全てがカッチリ作られています。当たりがつくことを想定して組まれているようで、本当に機械として素晴らしいレベルだと思います。

そして新型JA59はタイヤが念願のチューブレスになりました。
標準のタイヤがチェンシン製から、信頼のIRC製になったのもマル。
チェンシン製のタイヤは、雨天ではスケートリンクの上を走っているようでした。もともとのスーパーカブのバランスが良いため、80キロくらいから両輪をロックさせても慌てるようなことにはなりませんが、それでもタイヤが信用できないのは大きな問題でした。
私のイチオシはミシュランタイヤですが、IRCならばとりあえず及第点をクリアしていると思います。

リアサスも進化しています。
昔のふにゃふにゃサスではありません。かなりイイ線をいっていると思います。以前はノーマルサスペンションだと、荷物をたくさん積んで走ると揺れがいつまでも収まらなくて、コーナーでは怖い思いをしていました。
サードメーカーの後付けサスが必須だったのですが、今回は良くできています。普通に乗るならそのままノーマルで良いと思います。
ただし個人的な感覚として、もう少しバネを柔らかく、さらに少しダンパーを固くして欲しいと思いました。これは、自分の場合カメラ機材などを含めて、常に30キロくらいの荷物を積んでいるためなので、一般の人には当てはまらないかも知れません。

結果としてタイヤとサスは十分な水準に仕上がっています。

荷台も黒に塗装済みとなりました。
錆が気になる部分だったので、メンテナンスが楽になります。

他にもシフトインジケーターがついたり、ディスクブレーキがついたり、全方位にわたって確実に進化しており、信頼に足るスバラシイ道具に仕上がっていることを確認しました。

現在テスト走行中ですが、これでまた10年ほど命を預けることになりそうです。

JA07型
JA10型
JA59型 2022年新型


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