希望という星

もう歪んでしまっているんだなーー

ーーそう感じるようになったのはなんでも出来ると思っていた自分が打ち砕かれたから。
これが夢破れたとか分かりやすい話だったら、良くないけどよかったのかもな。
器用に生きられると思ってた。
今は自分で選択して好きなようにやってるだけで、いかようにも順応できると勘違いしていた。
もう手遅れだった。そうやって無意識のうちに蓄積された歪みは、個性なんて単純に割り切れるほどかわいくはない。
自分は間違えてプログラミングされてしまった小さなエラーに過ぎないんだな、なんて感じてしまうこと自体が情けなく悔しかった。

だから空気を読もうとする。空気を読んで異物にならないように、器用に立ち回ろうとして、うまくいってるようで確実に歪みはそこにあって、限界の足音が聞こえてくる。

肺に突き刺さるように、一呼吸ごと冷たい何かが凍てついて、そいつは私の生命力をじわりじわりと蝕んでいく。

ふと息を止めてみる。
何にも囚われない違う世界に行ける気がして。
ふわりと宙に浮かぶような感覚がして、天の先をぼーっと眺める。
でも、無限に続く闇夜は友達の面をして、私の中の飲み込んで欲しい全てに対して素知らぬふりをする。

これで生きていくしかない。
たぶん、これから立ち止まったり、振り返ったりする時間なんてない。
こいつで生きていくんだって。
そう覚悟できたとき、心の底の闇が夜空に溶け込んでいった気がした。
相変わらず、境界なんてない、どこまで行っても出会わない、これが正解なんて分からない、終わりのない道。
でも振り返ることがなくなった。
不安で歩みが緩くなろうとも。
前だけ向くしかないから。
たぶんこれが私の闇を照らす唯一の希望の灯し方。

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