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Oculus Go

シンギュラリティ・ソサエティのスタッフです。今年もよろしくお願いいたします。
2年前に公開したブログですが、noteにも転載します。Oculusは現在 Oculus Quest 2 に名称をかえてます。最近は、メタバース空間にあつ森のようなビジュアルのお家を建てて、そこで仕事したいなと妄想してます。

Facebook がリリースしたばかりの VR ヘッドセット、Oculus Go を早速入手しました。パソコンやスマートフォンなしで単独で動く上に、値段も $199 (2万円強)とお手頃です。

とりあえずいくつかアプリをダウンロードして試してみましたが、結論を先に言えば、「まだ発展途上」です。

一番の問題は、ピントがしっかりと合わないことで(常にどちらかの目のピントが若干ずれた状態になります)、このせいでとても疲れ、1時間以上連続で使うことは私にはできません。多分、両目の間隔は人それぞれ異なるため(私は平均よりも広い方です)、平均に合わせて作られている VR ヘッドセットだと、こんな問題が生じるだと思います。少なくとも、その調整機能ぐらいはほしいものです。

コンテンツはそれなりに面白いものもあるのですが(Oculusストア:現在はMeta Quest からダウンロードが可能で、無料のものと有料のものとがあります)、私が試した限りでは、最初は目新しくて面白いがすぐに飽きてしまったり、VR であることの目新しさだけに頼って作られていてゲーム性がどうしようもなかったりで、VR Zone の「ハネチャリ」のような「これは一度体験したら忘れられない」という体験を提供してくれるコンテンツにはまだ出会えていません。

VR ムービーのサンプルとして Jurassic Park があり、臨場感があって良いのですが、(ゲームのように)インタラクティブなわけでもなく(360度自由に見回せる点だけが普通の映画と違います)、監督が決めた時間軸に決まってストーリーが展開していく上に、「見るべき場所」は常に決まっているので、それに逆らってキョロキョロしていると、大切なシーンを見逃してしまうのが問題です。

今後も VR ムービーは作られていくと思いますが、これまでと同じようなコンテンツを作るのであれば、従来型のカメラワークが定まった映画の方が結局は楽しめる、ということになってしまうと思います。特にハリウッドの場合、制作費のことを考えて、同じシナリオから VRムービーと通常のムービーのを作るでしょうから、なおさらです。

そうなると、VR ならでは没入感がものすごく重要な役割を果たす新しい形のコンテンツを誰かが作ってくれるまでは、VRムービーは、通常のムービーを見た人向けのボーナスコンテンツ(おまけ)のような存在でとどまると思います。

試したゲームの中では、Tomb Raider が良くできていると思いました。ただし、自由自在にバーチャル空間を動き回れるわけではなく、シナリオに従って進む VRムービーに少しだけインタラクティビティを加えた、アドベンチャーゲームです。

最新のゼルダ(ブレスオブザワイルド)のようなオープンシステム(仮想世界のどこにでも自由に移動できるゲームのこと)を VR で実装したらどうなるのか試してみたいと思いました(まだ試していないコンテンツにそんなものがあるのかもしれませんが、今のところ見つかっていません)。

VR といえば、ジェットコースターの類が人間の脳に錯覚を起こしてスリルを味あわせてくれることが良く知られていますが、何度も楽しんでもらうには、もっと工夫が必要だと思います。

その意味では、やはり「ハネチャリ」のように空を滑空するタイプの VR コンテンツは、適度なスリルと没入感があるので、ちゃんとゲーム性を高めたコンテンツを作れば、VRヘッドセットにとっての「キラーコンテンツ」になるポテンシャルはあると思います。有料コンテンツの中に、空を飛ぶアプリがいくつかあるので、近いうちに試してみようと思います。

キラーコンテンツと言えばアダルトですが、今のところ Facebook は避けているようです。そちらに関しては、確実なニーズがあるので、VRの普及の過程で重要な役割を果たすだろうことは確実です。

ちなみに、ざっと見た限りでは、Sony の Playstation VR 向けの「サマーレッスン」のような、美少女ものも、Oculus ストアには存在しないようです。こちらは、日本のお家芸なので、日本のコンテンツメーカーとの関係が強い Sony が特徴の一つとして攻めていくのだと思います。

話は変わりますが、任天堂は VR ヘッドセットは出してこないと思います。発育中の子供が VR を長時間遊ぶと、斜視になる可能性が高いことが分かっているからです。Oculus Go は13歳以上が対象ですが、私が親であれば、18歳になるまでは VR ヘッドセットは使わせません。

追記:左右の瞳の距離(英語だと PD、Pupillary Distance)は、個人差が大きく、大人で 54mm から 74mm という開きがあるそうです。より高価な Oculus Rift や Sony の Playstation VR には調整機能がついていますが、安価な Oculus Go にはその機能がないようです。

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