Web3の技術は素晴らしいがそれを生かすも殺すもエンジニアしだい!
Web3の発展とお金はきってもきれない関係にあるが、現状は儲け優先の投機的な物が多く、詐欺に近い物もあります。このままでは、一部の人だけが儲かる現状と変わらない世界となってしまう。web3の技術をいかして広げて行くには?
Web3の信者たちは「Web2.0 の時代は、全ての利益はGAFAに吸い取られてしまったけど、Web3の時代になれば消費者も利益を分かち合うことが出来る」と言いますが、その仕組みについてNFTを例にとって解説します。
NFT業界では「NFTを誰よりも早く、安く手に入れる権利」のことを「ホワイトリスト(WL)」と呼びますが、上場前の会社の株を安く手に入れる行為と似ている面もあるため、NFTコレクターたちの間でホワイトリストの争奪戦が行われます。
そのWLの争奪戦の結果、発売前から人気が高まり「発行当初は1~2万円だったNFTが今や数十万、数百万円」などという状況が現実に起こり、それがさらにNFTの人気を高める、という形でNFTブームが作られたのです。
株のように「一株あたりの利益」のような価格を決める指標がないNFT市場では、値段は純粋に人々の「将来、今よりも高く売れるかも知れない」という期待によってのみ決まるため、先行者利益のある「ねずみ講」的な面もあるので要注意です。
NFTの世界でインフルエンサーと呼ばれる多くの人たちは、この「先行者利益」を活用して収入を得ていますが、WLを入手してNFTを安く購入し「今後の値上がりが期待出来るNFT」として紹介して市場を盛り上げて2次流通市場での値上がりを図る、というポジショントークが、堂々と行われています。
Twitter で「私は、このNFTをWLを獲得して入手しましたが、既にOpenSea市場では4倍の値段で取引されています!」のような発言を見ることがあると思いますが、これが典型的な「2次流通市場での値上がりを目的としたポジショントーク」です。
人間は、「みんなが買っているもの」「値上がりしているもの」を欲しくなる傾向があるので、その心理を巧みに利用した手法です。NFTを購入した消費者が自ら喜んでマーケティングを手伝ってくれるのが、NFT市場の特殊性です。
NFT市場における「分かち合う利益」の実態は、実は、この手の「先行者利益」であり、その原資は「インフルエンサーのポジショントークに影響されて後から参加した人たち」の財布から来ているのです。
Web3は本当に素晴らしい技術ですが、現時点では流れ込むお金の大半はキャピタルゲイン狙いのお金であり、それである限りはゼロサムゲーム、もしくはそれ以下のポンジ・スキーム(*)です。
人々が喜んでサービスそのものに価値を見出してお金を払う、そんな状況を作らない限りは、Web3の発展はありません。せっかくの素晴らしい技術を生かすも殺すも、それを決めるのはソフトウェア・エンジニアたちなのです。
(*)ポンジ・スキーム-Wikipedia
詐欺のなかでも特に、「出資してもらった資金を運用し、その利益を出資者に(配当金などとして)還元する」などと謳っておきながら、実際には資金運用を行わず、後から参加する出資者から新たに集めたお金を、以前からの出資者に“配当金”などと偽って渡すことで、あたかも資金運用によって利益が生まれ、その利益を出資者に配当しているかのように装うもののこと。投資詐欺の一種に分類され、日本語で「自転車操業」と呼ぶような状態に陥り、最終的には破綻する。
おわりに
シンギュラリティ・ソサエティでは、テクノロジーがどのように社会に影響を与えるか、様々な議論をしています。 DAOなどに代表されるブロックチェーンやスマートコントラクトのテクノロジーは、社会や経済の仕組みをコード化し、透明且つ効率に仕組みに刷新する可能性を秘めています。
現在、シンギュラリティ・ソサエティでは、DAOやDeFi、Smart Contractなどの勉強や開発、NounsDAOへのプロポーザルプロジェクトなど、Web3の活動も行っています。今後もこれらに関する記事を発信していきますのでお楽しみに!
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