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Amazon、Google、Facebook、Apple は分割されるべきか

ソサエティのブログで2年ほど前に公開した中島聡による記事になりますが、noteでも公開します。後半では、2年経った現在のGAFAMやNetflixの成長についてシンラボとソサエティのスタッフで調べてみました。ぜひお楽しみください🙂

Business Insider は金融や経済のニュースを中心に配信しているネット専門のメディア会社で、私も記事を読ませてもらっていますが、そこが開催する IGNITION というカンファレンスで、NYU Stern School of Business の Scott Galloway 教授が、とても面白い講演を行ったので、紹介します。
Scott Galloway Says Amazon, Apple, Facebook, And Google should be broken up

彼は大学でブランド戦略などを教えていますが、彼が問題視しているのは、Tech Giant と呼ばれる、Amazon、Apple、Facebook、Google 4社(もしくは Microsoft を含めた5社)の大きさです。
Amazon は、米国の小売業界全体に致命的とも言える変化をもたらし、過去11年間の小売業の成長率を見ると、 Amazon の一人勝ちであることが良く分かります。

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Apple の携帯電話市場でのマーケットシェアは20%程度ですが、利益に関してはほぼ独り占めしています。
Facebook と Google はデジタルマーケティング業界で絶大な力を持ち、その成長のすべてを2社で占めています。

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この状態は、まったく健全ではないとGalloway 教授は指摘します。ごくひと握りの企業が市場で強大な力を持ってしまうと、健全な競争が行われなくなるため、損をするのは消費者だと彼は主張しているのです。
そして最後には、(社会主義者だという批判を跳ね除ける意味を込めて)健全な資本主義のためにも彼らを分割すべきだ、と主張します。

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私は、基本的には自由競争が好きで、独占禁止法は「独占状態を加速する買収」と「独占的な立場を利用して競争相手を排除する行動」の規制にのみ適用すべきだと考えています。単に独占的立場に立った企業を、その大きさゆえに分割するのは賛成できません。
その意味では、Amazon から AWS(アマゾンウェブサービス) を切り離すというのはかなり強引に思えます。そんなことをするぐらいならば、Whole Foods の買収を止めるべきだったし、噂されている Nordstrom の買収も止めるべきです。

Apple に関して言えば、Android との十分な競争があるので、分割する意味はないと思います。下手に iTunes だけ分割したら、かえってAndroid の独占を許してしまうことになると思います。
Facebook に関して言えば、Instagram の買収までは良かったと思いますが、WhatsApp の買収を許したのは失敗でした。Facebook は今後も、様々な会社を買収しようとするでしょうが、今後はもっと厳しい目で見るべきだと思います。

Google に関して言えば、やはり検索結果を自社のビジネスに有利なようにしたことに関しては、もっと厳しい措置をしても良かったと思います。今後もこの傾向が続くのであれば、なんらかの措置をすべきだと思いますが、それは Youtube の分社化のようなものではなく、検索ビジネスそのものになんらかの制約を施すものでなくてはいけないと私は思います。

いずれにせよ、これらの企業が市場の健全な成長を脅かすまでに大きくなってしまったことは確かで、Galloway 教授に限らず、分割とか制裁の話は今後ますます増えていくと思います。簡単に答えが出せる話ではありませんが、今の社会を健全な形で発展させていくために、とても重要なトピックです。

2年経ったいま

前節の記事は、2年前に執筆されたものでした。ここからは、それぞれの企業が2年の間にどれだけの成長を遂げたか、チャートを交えて一緒にみていきましょう!

各企業の2019年7月と2021年7月の株価と四半期の売上高を比較してみました。(チャートの数値を適当に拾ってます。計算は大凡です)

Google

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株価は、2019年は$1100、2021年には$2500で2.3倍になっています。
売上高は、2019年に$38.8B、2021年には$68.9Bで77.6%の成長です。

Amazon

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株価は、2019年は$1920、2021年には$3700で1.9倍になっています。
売上高は、2019年に$63.4B、2021年には$113.1Bで78.4%の成長です。

Facebook

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株価は、2019年は$200、2021年には$350で1.75倍になっています。
売上高は、2019年に$16.9B、2021年には$29.1Bで72.2%の成長です。

Apple

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株価は、2019年は$49、2021年には$142で2.9倍になっています。
売上高は、2019年に$53.7B、2021年には$81.5Bで51.8%の成長です。

Microsoft

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株価は、2019年は$135、2021年には$277で2.05倍になっています。
売上高は、2019年に$33.6B、2021年には$46.2Bで37.5%の成長です。

Netflix

四半期の売上高をみるときれいな階段ができあがってますね。サブスクモデルが順調に伸びている様子が伺えます。

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株価は、2019年は$375、2021年には$535で2.05倍になっています。
売上高は、2019年に$4.9B、2021年には$7.3Bで49%の成長です。

ちょっと豆知識

ところで、テクニカルチャートでよく登場するローソク足は、日本生まれなことをご存知でしょうか?江戸時代に活躍した稀代の相場師「本間宗久」が考案しました。当時は米相場の予想に使われていましたが、今では世界中で利用されています。ローソクの特徴ごとに面白いあだ名がついてるんですよ。

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(図はSMBC日興証券さんのサイトより抜粋)

陽の丸坊主なんて、とっても覚えやすくないですか?なんとなくお坊さんを想像して、ほっこりします。コマも形がかわいいですね。

このローソク足のように、世界中で使われる日本企業のSaaSが登場するとよいですね。

記事で取り上げられた企業の株価を見てきましたが、どの企業も2倍くらい大きくなっていますね!テクノロジーで世の中はどんどん良くなってきていますが、個人的には貧富の差が心配です。テレビ東京でやっているハイパー ハードボイルド グルメリポートで衝撃的な回がありました。Netflixでもみれるので、興味があったらぜひ見てください(カメラワークに少し酔いますが)

テクノロジーで、世の中がより良くなりますように。

最後はタイトルや本編と全く関係ない内容になってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました!

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