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【エミューを飼っているITエンジニアのエミューの飼い方入門】:#2 話題のペット、自宅で孵化させる方法とは?(後編)

みなさんこんにちは。島根県出雲市でエミュー飼育しているITエンジニア、松田と申します。このnoteでは最近話題のペット、エミューの飼育方法を解説いたします。なお、本記事は素人である私の経験によるもので他の飼育者さんや専門家によっては違う方法、ご意見もあるかもしれません。予めご了承頂ければ幸いです。

本記事は「話題のペット、自宅で孵化させる方法とは?」の後編となります。
前回は卵の入手から孵卵に必要な設備をご紹介しております。
【エミューを飼っているITエンジニアのエミューの飼い方入門】:#1 話題のペット、自宅で孵化させる方法とは?(前編)


孵化までの様子

孵化予定日の1週間くらい前から孵卵器の転卵機能を外します。
温度はそのまま。
※転卵機能・・・温度や湿度の他に、卵の孵化に欠かせないのが「転卵」。 卵の中の胚が殻に癒着するのを防ぐために、一定時間の間隔で卵を転がしていくものです。前回紹介した孵卵器に備えられている機能です。


孵化間近になると卵の中から声が聞こえたり、殻にヒビが入ってきます。
このまま孵化しきるまで暖かい孵卵器に入れたまま観察しましょう。

私は撮影するためにこの段階で予め制作しておいた保育器に移しました。
なお、この動画では孵卵器も自作のものを使用しています。

孵卵器は狭いので孵化したら保育器に移します。

保育器について

保育器とは
この記事では、孵化したばかりの雛を保護するためのケースを「保育器」と呼んでいますが、他にも違う名前が存在するかもしれません。新しく生まれた雛は自分で体温を調節するのが難しいため、初期のうちは暖かい環境で育てることが重要です。これは人間の未熟児が保育器でケアされるのと似た理由です。保温が可能なら何でも使えますが、具体的な参考のために私が作った保育器の例を紹介します。

1.簡単な保育器

・材料

・ペット用ヒーター

・ペット用サーモ

上記の材料を購入して、水槽などに設置する方法です。ただし、このヒーターは大きくて場所を取るため、床に置くと歩行の邪魔になったり、糞や尿がかかったりすることがあります。天井に取り付けると頭をぶつけてしまうこともあります。また、温度設定はできるけれど、現在の温度を表示する機能がないため、別途温度計が必要になります。

2.自作した保育器(オススメ)

パネルヒータと温度表示のできる温度コントローラを使用して自作してみましたのでご紹介いたします。なお、ちょっとだけ電気配線を行います。

・材料

・STボックス #45・・・このサイズだと雛3羽くらいまでです。

・暖突 M サイズ・・・STボックスの蓋に丁度いいサイズのパネルヒーターです

・デジタル温度コントローラ

※よく似たデザイン、価格でDC電源の物があるのですがこれはAC電源。パネルヒータと共有して配線がとてもシンプルになるのでこの機種がおススメです。

・つくり方

暖突と温度コントローラーを設置
STボックスの蓋部分に暖突 M サイズとデジタル温度コントローラを取り付ます。

①パネルヒータは電源ケーブルが直付けされています。このままではプラグが邪魔で配線が通せませんのでパネルから25cmくらいのところで切ります。

②切ったところの被覆を剥いでおきます。
ここはあとでコントローラの端子に接続します。

③STボックスの蓋に配線を通すための穴をあけます。
蓋にパネルヒータを乗せて穴開け位置を決めます。

④STボックスの蓋にパネルヒーターを取り付けます。

⑤パネルヒーターに付属しているビスで裏側から止めます。

⑥あけた穴に、パネルヒーターのケーブルを通して外に出します。

⑦温度コントローラを適当な位置に両面テープなどで取り付け、以下の様な配線を行います。

⑧熱電対も蓋にあけた穴を通してボックス内の温度を測れるようにします。熱電対は温度コントローラに付属しています。

・床材を敷く

⑨STボックスはポリプロピレン製で床が滑りやすいので、なにか滑りにくいものを敷きます。頻繁に掃除することになるので、私は段ボールや新聞紙、雑巾などを敷いています。

※はじめ、何を使っていいかわからなかったので、ペット用のおねしょシーツを購入し使ってみました。しかし、エミューの赤ちゃんはたくさん水を飲んで大量におしっこするので、シーツを頻繁に交換する必要があり、費用が高くつきそうでした。そのため、途中から新聞紙に変えることにしました。

⑩コントローラを操作して温度を30度あたりになるように調整します。


これで完成です。


以下は、使用例のYouTubeです。



ちなみに雛3羽入れるとこんな感じです。かなり狭いですね。

※あくまで一例です。衣装ケースを電気毛布でくるむ、とかでもOKかもしれません。エミューの赤ちゃんはすぐに大きくなるので保育器もすぐに不要になります。が、なくてはならないものなのでなるべく手間をかけずに、安価に済ませたいところです。

給水・給餌

孵化当日から数日間は水も餌も口にしません。しばらくは保育器にいれるだけで様子を見ましょう。
つい慌てて水や餌を入れてしまいがち(←自分)ですがまともに歩けないので器をひっくり返したり餌箱にダイブするだけですのでぐっと我慢です。

まずはお水
3日目あたりから水をあげてみましょう。容器はいろいろ試してみましたがすぐにひっくり返したりダイブしてしまいますのでこういう小鳥用の給水器が調子が良いようです。

雛が水を飲むことができるようになったら、食事を始めてみましょう。初めての食事はご家庭のお米で十分で、一つまみだけでも大丈夫です。最初は食べずにただつつくだけかもしれませんが、これは普通のことなので心配は不要です。雛は孵化後も卵から得られた栄養をしばらく保持しているためです。
雛が餌に興味を持ち、食べる動作を始めたら、養鶏用の餌や刻んだ野菜などを少しずつ与えてみてください。食事を始めたばかりの雛はあまり食べないかもしれませんが、これも心配いりません。わずかな量から始めても大丈夫で、すぐに雛はたくさん食べるようになります。

室内飼育について

エミューの産卵期は冬、孵化するのは冬から春にかけてなのですが、雛は寒さにとても弱いので、しばらくは室内で飼育することになります。最初は30度くらいの保育器から徐々に室内温度(人が快適と思う温度)に慣れさせていきます。室内温度になれた頃には保育器から飛び出すくらい大きくなっています。(暖かい日は、外で遊ばせて日光浴などさせてもいい。)
しばらくは少しずつ大き目の飼育ケースに移しつつお外デビューの機会を待ちます

この動画では成長に応じて段階的に大きいケースへ移しています。

お世話をしていると人間を警戒しなくなるばかりか、飼い主の姿が見えなくなると寂しがって大騒ぎしたり、姿を見つけると駆け寄ってきたりしますのでこの頃の雛が一番可愛いですね。

エミューの成長はとても早く、1年ほどで身長1mを超えます。いつまでも家の中で飼うことはできません。
と、いうことで次回は屋外飼育への移行について解説いたします。

ご清覧いただきありがとうございました。


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