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【1期生最終発表会を終えて】黒い画面がない発表会

文責:吉岡マコ

10月7日(土)の早朝6:30。

5月から実施してきたシングルマザーズデジタルキャンプの最終発表会が開催されました。

シングルマザーズデジタルキャンプは、支援に繋がりにくい若年シングルマザーを対象としたプログラムで、一都三県在住の39歳以下のシングルマザーが、5か月で以下に取り組みました。
・自分らしいキャリアを築くためのライフスキルを身につける集合研修(8回)
・デジタルトライ講座(オンライン受講)
・グループリフレクション(ピアサポートのプログラム全5回)
・キャリア面談(2回)
・親子キャンプ(1泊2日)

その集大成として開催された発表会では、30人の観覧者rを前に7人の受講生が3分の発表。

観覧者として、シングルマザーズシスターフッドの過去のプログラムの卒業生や、このプログラムに関わってくれた講師や助成元のグラミン日本のみなさんなどのゲストが列席してくれました。

昨今、オンラインのイベントには、黒い画面が並んでいる(聞くだけの人)ものも多いと思いますが、今日は全員がカメラONで、全員のお顔が見える状態で開催しました。

観覧者も画面オン必須にした理由

今回は2つの理由で観覧者も「画面ON必須」としました。

1つ目の理由は、画面OFFの人がいると「なりすまし」が侵入してるんじゃないか?と恐怖を感じてしまう方がいるということ。

2つ目の理由は、ひとり一人が一生懸命準備して発表する大切な発表会なので「ながら聞き」は遠慮いただきたい、という理由です。

全員がお顔を出しての発表会はとても壮観で、爽やかで、希望を感じる時間でした。過去のシングルマザーズシスターフッドのプログラムの卒業生は、今回のプログラム受講生の頑張りに敬意を表し、チャット欄にたくさんの応援コメントや感想を書き込んでくれました。ゲストコメンテーターの皆さんからは暖かい励ましの言葉が一人一人に贈られ、サポーティブな空気感に満ち溢れていました。

訓練、自立の土台となるもの

シングルマザーズデジタルキャンプは、グラミン日本さんの休眠預金を活用したシングルマザーのデジタル就労支援事業の一つとしてシングルマザーズシスターフッドが実施しているものです。

日本にはすでに、ひとり親向けの就労支援はたくさん実施されています。行政で全国的に行われている就労支援は職業訓練と職業紹介の2本柱ですが、その支援から実際に就職につながるのは30%弱というデータが発表されています。

訓練や紹介を受けても7割の人がこぼれ落ちてしまうのはなぜかということを考えたときに、その土台となるものが提供されていないからではないか?という仮説を持ちました。

その土台となるものとは、①心身のセルフケア、②自己探究、③ピアサポートの3つです。

私たちはシングルマザーのセルフケア講座を定期開催しています。色々なセルフケアの方法がありますが「体を動かす」というセルフケアの方法は、単に筋肉や関節への影響だけではなくて、自分の体をじっくり感じながら体を動かすことで、自分を大切にするということを短時間で思い出す、非常に有効な方法です。

自己探求については、このコースを通じて、とにかく自分に向き合うということをしてきました。そして、それを仲間と一緒に切磋琢磨しながらやっていくことで、自分にはない視点を仲間からもらえたり、仲間の姿を見て刺激をもらえたりします(ピアサポート)。そんなグループのエネルギーを実感しながら、進んできたのがこのプログラムです。

自分らしく生きる、自分らしく働くためのライフスキルを

忙しいシングルマザーたちが土曜日の早朝に集まって、自分らしいキャリアを築くためのライフスキルを身につける集合研修を受けたり、デジタルトライ講座を受けたり、グループリフレクションというピアサポートのプログラムに取り組んだり、キャリア面談を受けたりしてきました。

このコースは、「就労支援」の名の下に実施していますが、お仕事だけではなく、生きることそのものの土台となるライフスキルを身につけるコースになっています。ただ生きるだけでなく、自分らしく生きる、自分自身を精一杯活かして生きる、そのために必要な知識と技術を身につけてきました。

勇気ある語り

そんな濃厚な5か月を経て迎えた最終発表会。

受講生たちは、過去を振り返り、この5か月で得たものを振り返り、そしてこれからのビジョンを、3分間の発表という形に昇華させるために、さらに深く自分と向き合ってきました。

自分の言葉を紡いでは、それを何度も直して、その言葉の精度を高めていく時間は、これまでのコースの道のりの中でも、とりわけ濃厚で、充実したものになったと思います。

そんな1期生の勇気ある語りを、観覧者は静かに見守りました。時には涙をこぼしながら。

アリーナの人

最後に、勇気を持って発表の場に立った1期生の皆さんに、「アリーナの人」というスピーチの一節を捧げました。

観客席からは、どんな批評も簡単に言えてしまう。だけど、1番の栄誉は、アリーナに立った者にあるのだ。その努力こそが尊いのだというその言葉を1期生の皆さんに捧げました。

この3分のプレゼンは、ビジネスコンテストやピッチコンテストのプレゼンではなく、社会を大きく動かすようなものではないかもしれません。

でも、逆境を乗り越え、学ぶ機会をつかんで活かし、これからのビジョンを明確に持ち、真剣に努力しようとしている市井の人の語りは、3分でも心を動かされるものであり、支援者として伴走できたことを誇りに思いました。

このシングルマザーズデジタルキャンプで、「学ぶ」だけではなく、「表現する」というところまで追究する経験は、これからの仕事にも人生にもきっと活かされると信じています。

シングルマザーズデジタルキャンプはこれから2期生も実施します。支援に繋がりにくい若年シングルマザー(39歳以下)を対象としたプログラムです。助成元のグラミン日本さんの意向で一都三県在住者が対象となってしまうのですが、もし我こそは!という方は、ぜひ2期生のプログラムにご参加ください。参加を希望の方は、まずはシングルマザーのセルフケア講座にご参加ください。優先的に情報をご案内いたします。


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