見出し画像

【伴走スタッフ日誌2】シングルマザーズデジタルキャンプ実施レポート:自己紹介シートの効果

就労支援プログラム「シングルマザーズデジタルキャンプ」伴走スタッフの檸檬です。

このnoteではスタッフの目線から気づいたことや感じたことをご報告していきます。

今回は、受講生が最初に記入する「自己紹介シート」を通じた、自己理解と受講生同士の交流についてご報告します。

キャリア構築には自己理解が重要

ひとり親として長く働き続けるためには、“とりあえず”の就労から一歩進み、自分の力を発揮できるサステナブルな働き方へ舵を切ることが必要です。

そのための行動を起こしたいと思っていても、日々を回すことに忙しく、なかなかアクションを起こせないというのが現実でしょう。

そんなとき、一人で行動を起こすことは難しくても、サポートを受けながら、仲間と励まし合いながらならできるかもしれない!

シングルマザーズデジタルキャンプに参加することは、その行動を後押ししてくれるステップなのです。

そこで必要になるのは、「自己理解」です。自分の力を発揮できるサステナブルな働き方を実現するためには、自分が何者で、どんな強みや弱みがあり、どんな場所でどんな貢献をしたいと思っているのか?を理解して表現できるようになる必要があります。

問われてすぐ答えられる人は、すでに自分らしく働いているでしょう。多くの人は、そう問われてもすぐには答えられません。

だから、シングルマザーズデジタルキャンプでは、「自己探求と自己表現」に重きをおいています。

最初の自己紹介シートは、その「自己理解」「自己探求」の第一歩でもあります。

1枚の自己紹介シートからの広がり

シングルマザーズデジタルキャンプでは、受け入れ面談でプログラムの受講が決まったかたに、順次『自己紹介シート』のGoogleスライドのリンクを共有します。

本格的なプログラム開始までに、自己紹介を記入してもらう仕組みです。

自己紹介シートのGoogleスライドを開くと、受講生全員分のシートが並んでいます。そこから自分の名前を見つけて、記入していきます。

シングルマザーズデジタルキャンプの自己紹介シート

このシートには、一般的な自己紹介に加えて、私の信念(BeingとDoing)や、1年後・3年後「こうなっていたらいいな」という項目もあります。

これにより、共通の趣味や出身地などを通じて仲間に親近感を抱くだけでなく、未来への希望や迷いを言葉にし、お互いを深く知る貴重な場となっています。

どのシートにも個性豊かな自己紹介がぎっしりと書き込まれています。

ひとり親として忙しい日々を過ごしているにもかかわらず、こうして時間をとって記入する、受講生の意欲的な姿に頭が下がります。

多様な仲間とともに歩む

就労支援プログラムであるシングルマザーズデジタルキャンプの特徴のひとつに「多様な仲間の存在」があります。

居住地、子どもの年齢、シングルマザーになった背景、これまでの学歴やキャリア、そしてパーソナリティもさまざまな受講生が集まり、それぞれが「自分らしく働く」を目指してともに歩んでいます。

そこに多様性があるからこそ、互いを知れば知るほど、新しい視点を得たり、応援したい気持ちになったり、自分も頑張ろうと励まされたりするのです。

だから、このプログラムでは、自己開示できる安全な場づくりを意識的におこないながら、自分を知る・相手を知る機会を積極的に作っています。

繋がりの中で浮かび上がるもの

多様でありながらも、シングルマザーという共通点を持つ仲間と、お互いの話に耳を傾け、問いかけ、自己表現をし、励まし合う。

仲間から刺激を受け、自分も頑張りたいと思えたり、仲間からの問いかけによって自己理解が深まり、これまで蓋をしていた自分の本当の望みに気づく。

このような多様な仲間とのつながりのなかで「自分らしさ」や「自分らしく働く」ということの輪郭が浮かび上がってくるのです。

オンラインでの交流の工夫

以前、こちらの記事でも触れたのですが、シングルマザーズデジタルキャンプでは、性質の異なる3つの交流の場を用意しています。

1.深まる交流の場 :グループリフレクション
2.広がる交流の場 :グループチャット
3.自発的な交流の場:もくもく会

シングルマザーズデジタルキャンプ3つのコミュニティデザイン

「自己紹介シート」は、この3つの中の「2. 広がる交流の場」にあたります。

オンラインでおこなう就労支援プログラムだからこそ、交流の場を通じたつながりで起こるポジティブな変化を最大化するために、こういった工夫をしています。

自己開示をするために必要なこと

さて、はじめて出会う受講生同士が自己紹介をするときに、迷うことは、
「何をどこまでかけば大丈夫なのか」ということです。

普段、マイノリティとして「ひとり親」ということをカミングアウトせずに生活していたり、別居や離婚に伴うさまざまな出来事によって傷ついていたりする人は、実は非常に多いです。

そのため、自己開示に慎重になることは、想像に難くないでしょう。

受講生のみなさんが安心して、安心と安全と感じる場で自己探求ができるように、このようなに一見当たり前に思えることも繰り返し伝えていくように工夫しています。

シングルマザーのための安心な場

自己紹介シートで準備された項目に対して「書く」「書かない」を選べるだけでなく、自己開示の程度も自分で選べます。

離婚や別居に伴う痛みを抱えている場合は、無理にそれについて触れる必要はなく、心地よい範囲で自己紹介することができるのです。

このような些細な選択が「自分らしくある」ことにつながり、ひいてはそれが「自分らしく働く」ための小さな一歩にもつながっているのです。

ポジティブな交流

全ての受講生が自己紹介シートを入力し終わると、今度はお互いのシートにコメントを入れ合います。

これが想像以上に盛りがありました!

共通の趣味や共感した点、応援の言葉など、仲間からの前向きなコメントは、お互いを幸せな気持ちにさせたのではないかと思います。

大盛り上がりのコメント祭り

3期生のスタートは7月。外は暑い夏まっ盛りの時です。

日々仕事に、子育てに追われながら、さらにシングルマザーズデジタルキャンプにも参加している忙しいシングルマザーには、「楽しみ」が必要です。

そこで「受講生が楽しめる仕掛けをつくろう!」と、「納涼コメントまつり 」を企画しました。期間を決めてお互いの自己紹介にコメントを入れ合うイベントです。

やってみると予想以上に反響が大きく、コメント欄は大盛り上がり。コメント祭りが1週間延長になるほどでした!

コメントにコメント返しが何度も続いたり、横から他の受講生が話題に参戦したり…。

多くの受講生が、びっくりする量のコメントのやりとりを交わし、楽しくポジティブな交流を楽しむ姿に、わたしたち伴走スタッフも喜びを隠せませんでした。

次のプログラムへ高まる期待

残念ながら、内容は個人情報となるため濃密で楽しいオンライン上のコミュニケーションをそのままお伝えすることはできませんが、受講生の皆さんは多様な仲間の存在に心強さを感じ、次に始まるグループリフレクションのプログラムに大きな期待を抱いている様子でした。

一歩踏み出した先にある出会い

伴走スタッフとして受講生のみなさんが入力した自己紹介を読んでいると、知らず知らずのうちに微笑んでしまいます。

応募フォームや受け入れ面談で知ったこと以上に、個々の望みやバックグラウンド、大切にしていることがひしひしと感じられるからです。

たった1枚の自己紹介シートに、みんなが想いを持って書き込むことで、相互にポジティブなエネルギーが交わされる場へと変わっていった。

そんな様子が、少しでも皆さんに伝わっていれば幸いです。

次回は、さまざまな意図と効果がある任意参加イベントについてレポートします!お楽しみに。

文責:檸檬(伴走スタッフ)


よろしければサポートお願いします。いただいたサポートはひとり親の心身のセルフケアとエンパワメントの支援活動に使わせていただきます。