見出し画像

知識はピンチを救う!

執筆者:やまのて

病は突然やってきた!

今年の9月末に突然の腹痛に見舞われ慌てて受診すると、卵巣嚢腫茎捻転(らんそうのうしゅけいねんてん)と診断された。その日は痛みが治ったものの、11月に入院手術しましょうと医師から告げられた。

我が家は4歳の息子と私の二人暮らし。自分の病状のことよりも、生活に関する心配事が次々と浮かんだ。

1週間の入院期間中、まだまだ手のかかる息子の預け先をどうしよう…。仕事もちょうどこれから繁忙期、どうやって調整しよう…。入院手術ともなれば膨大な医療費が必要なはず、お金は大丈夫かな…。とにかくひとつひとつ解決していくしかない。

幸い息子は近所に住む母親に預けることに決まり、同じく近所に住む兄家族と遠方に住む父親も、可能な範囲でサポートしてくれることになった。職場の上司と同僚にも直ぐに報告した。入院中の業務をチーム内で分担してもらい、退院後は在宅勤務で体調を見ながら復帰させてもらえることになった。

そして残すはお金問題。私は迷うことなくゼミメンバーのメッセンジャーグループにメッセージを送った。当時、私は、シングルマザーズシスターフッドの「人生を豊かにする講座シリーズ」の中のマネーリテラシー講座「ゼミ編」に参加していたのだった。

マネーリテラシー講座での学び

受講生8名で全4回に渡って開催されたゼミ編。お金に関する知識を身に着けるだけでなく、お金をひとつの「ツール」として自らの人生を自立/自律的に生きることを目指す場となった。

ゼミ期間中は日々の家計簿をつけるのが必須で、その上、毎回新たな課題が出るというシングルマザー対象にしては中々にハードな内容だったのだが、「講座」⇒「課題」⇒「フィードバック」+「メッセンジャーグループ」といったサイクルで疑問や不安にも手厚くフォローしていただける併走型のプログラムがとても身になった。

忙しいことを理由に後回しにしていた家計簿が習慣化し、収支を客観的に把握できるようになった。私の場合、家計と向き合うのが怖いと目を背けていたことが却って、不安を募らせる原因となっていたようだ。

どこでお金を使いすぎていて節約すべきなのかが明確になっただけでなく、どこにお金を使いたいのかといった自身の価値観の気づきにもなった。お金周りを整えることで、生き方も整っていくように感じた。

メッセンジャーグループでは、講師や他の受講生と気軽に意見交換をすることができた。医療費についての質問を投げかけたところ、高額療養費制度や保険について詳しく教えていただいただき、ゼミ仲間からも地域医療連携室についての情報をシェアしてもらい、とても心強かった。

「入院手術⇒お金がかかる」と考えていたが、知っていることで利用できる制度は案外多い。事前に限度額適用認定証を申請することで退院時の支払いの負担を軽減でき、本当に自分が入るべき保険が何なのか見直す機会にもなった。

知識を味方に

そんな中、再度腹痛に見舞われ、結局予定を前倒して10月中旬に緊急手術を行うことになった。結果として急な入院手術になったが、事前に息子、仕事、お金のことで準備を進めていたおかげで、心穏やかに治療に専念することができた。

つい先日、気がついたのだが、今年は厄年だった…。

今回の入院手術は本厄全開!といったような出来事だったが、家族や職場の温かいサポートと、お金にまつわる知識を味方につけて不安をひとつひとつ解決し、何とかピンチを乗り越えられたと感じている。

退院、そして今思うこと

入院中楽しみにしていたのが、退院後1週間ぶりに会う息子の反応だった。息子が生まれてから4年間、1日たりとも離れたことがなかった私達。さぞかし喜んでくれるだろうなぁ。仕事と育児と家事でてんてこ舞いの毎日から離れた静かな病室で母の妄想は膨らむ。

記念すべき再会の瞬間、保育園帰りの息子は、祖母にピタッとくっついたまま遠くからニコニコとしていた。私がたまらず「おいで」と両手を広げると、はにかみながらゆっくりと近づいてきてくれた。予想外の控えめなリアクション。だが、抱きしめ返してくれた腕は驚くほどに力強かった。きっと彼にもこの1週間たくさんの学びがあって、彼なりにひとつひとつ解決していったのだろう。

知識はピンチを救ってくれるし、自分の人生を前向きに生きる糧にもなる。今回マネーリテラシー講座を受講して体感したことだ。

ひとり親になることを決意した時に「とにかく息子の成長を見守ろう!自分のことは二の次…」と思っていた自分が、今は自身の成長も楽しみになっていることも驚きだ。様々なことに興味を持ち始めた我が子と「学び、理解し、活用する」ことの楽しさや心強さをともに経験していけたら素敵だなと思う。生涯お世話になるお金との付き合い方についても引き続き学びを深めていきたい。

そして、同じ空の下で毎日それぞれに頑張っているシングルマザーとその子ども達に、これから更に学びや気づきの機会が増え、彼女達の人生の糧となってくれることを願ってやまない。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。このエッセイは、NPO法人シングルマザーズシスターフッドの寄付月間キャンペーンのために、シングルマザーのやまのてさんが執筆しました。
このキャンペーンでは、シングルマザーのマネーリテラシー向上を呼びかけています。「こういう支援て大事よね!」とご共感、ご賛同くださる方には、ご寄付をお願いしております。いただいたご寄付で、シングルマザーがマネーリテラシーを身につけるための講座を実施いたします。ぜひ、寄付月間キャンペーン応援ページもご覧ください。

画像1


よろしければサポートお願いします。いただいたサポートはひとり親の心身のセルフケアとエンパワメントの支援活動に使わせていただきます。