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2024.2.4 プロレスリング・ノア「CROSS OVER 2024 in SENDAI」at仙台サンプラザホール

 昨日はプロレスリング・ノアの仙台大会に行ってきた。
 場所は、昨年センダイガールズプロレスリング(略称・仙女)の際にも会場となっていた仙台サンプラザホール。JR仙台駅東口から徒歩15分程度、JR榴ヶ岡駅を利用すれば駅の出口のすぐ横がサンプラザの入口という便利な場所である。

 会場前に貼られた大会ポスターがカッコ良くて試合前からテンションが上がる。ガラスケースの中に貼られていたので写真には向かいのマンションも写り込んでしまったが。

 私がプロレスリング・ノアの大会を会場で観戦するのは約13年ぶりだろうか。札幌にいた頃は年に一度は足を運んでいたが、前職の転勤で札幌を離れてからは地元で観戦出来たのは大日本プロレス、全日本プロレス、みちのくプロレスの3団体のみ。
 決して地方巡業の少なさを責めているのではない。むしろ、北海道内の地方都市まで来てくれていたその3団体が特別なのだと思う。
 また、宮城に移住してからすぐに今の仕事に就いたためノアの仙台大会の日程と仕事の休みのタイミングが合わなかったことなどもあり、今回が久しぶりの観戦となった。
 夫に車で送ってもらって会場に着いたのは開場時刻の午後1時半より少し前。
 入場を待つ列は、すでに階段下の歩道のあたりまで伸びていた。私も列の一番後ろに並んで入場を待つ。
 ちなみに昨年の仙女や福島と東京でのDDT観戦には夫婦で出かけたが、今回は夫はお留守番で、久々の単独行動である。

 振り返ってみると、ノアの観戦にはいつも一人で出かけていた。
 札幌での大会の時も。
 北海道から武道館まで観戦に行った時も。

 そして

 チケットは取れなかったけれど、どうしてもその場で同じ時間を過ごしたくて、駐車場でのパブリックビューイングを見るためだけに北海道からディファ有明まで出かけた、あの旗揚げ戦の時も・・・

 「すみません!この列って入場ですか?当日券ですか?」
 「へっ?」

 ひとり感慨に耽っていたその時、突然声を掛けられた。
 見れば、小さなお子さんを二人連れた若い男性が目の前にいた。

 「いえ、これは入場の列で、当日券は階段を上った右手に窓口がありますよ。」
 「ありがとうございますっ!!」

 男性にも子供達にも元気にお礼を言われ、ちょっと和む。

 しかし、この行列の中、何故私に聞いてきたのだろうか

 そんなにプロレス観戦慣れしてる空気を発散してはいないはずなのだが。
 私は着て行ったTシャツも丸藤選手とジャイアント馬場さんがデザインされたごく普通のTシャツだし、持って行ったトートバッグだって大日本プロレスのデスカモが大きくプリントされるだけの普通のバッグだったんだけど。

 話しかけやすい雰囲気をかもし出していたのかしらねと都合よく解釈しつつ、入場。
 入場者全員プレゼントのクリアファイル(この日のメイン、GHCヘビー級選手権試合で対戦する拳王選手とイホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.選手がデザインされたもの。カッコいい!)をいただきゴキゲンになる。
 そのままグッズ売り場の列へ。
 今回の購入目的は、大会パンフレットだけ。Tシャツは昨年のDDT両国大会で丸藤選手のTシャツを購入済なので、今回は買わない予定だった。
 しかし、いざ自分の番になると示されたグッズの数々に心が動く。
 迷う心にとどめを刺すかのような、売り場スタッフさんの

「今日のサイン会の対象グッズはこちらです!」

の言葉。

 数分後。
 私の手には、買ったばかりのパンフレットと新ロゴTシャツ、そして3人の選手のサインが入った色紙があった。
 愛用の大きなデスカモトートバッグにそれらを収め、席に着く。ファンクラブには入っていないので優先予約等ではなくローソンチケットで2階指定席のチケットを購入したのだが、前から3列目でリングも花道も見やすい場所だった。
 試合開始までの間、大型ビジョンではお馴染みザ・リーブさんのコミカルなCMと、齋藤彰俊選手によるプロレス教室的なルール解説動画が放映されていた。

 試合開始10分前にAbema TVの中継スタート。試合が始まるまでは会場内のビジョンでも番組が同時放送されていた。試合開始時刻になると、今のノアの試合には欠かせない存在としてSNS等でも話題になっていたG-man氏が登場。
 めっちゃカッコいい!!
 試合開始前からテンションが上がる。

 ※ 観戦を終えて帰宅してから気付いたのだが、ノアの公式noteにG-manさんの自己紹介があった。これ読んでから観戦すれば良かったとちょっと反省している。


 大会結果はすでに公式サイトに記されているし、X(旧Twitter)でリアルタイムで情報発信していた方々も多かったので、プロレスファンの方々はすでにご存知と思う。


 以下は、プロレスが大好きだけれど技の名前とかあんまりちゃんと覚えてないしプロレス関連の知識も乏しい永遠の初心者プロレスファンにすぎない私の、あくまで備忘録的な感想である。
 なお、試合時間と結果は上記オフィシャルサイトに基づいて記載させていただいたことをご了承願いたい。


第一試合 3WAYマッチ ニンジャ・マック vs ×アレハンドロ vs 〇 LJ・クリアリー(9分34秒 牛殺し → 片エビ固め)

 オープニング、しかも3WAYマッチということでのんびり観戦するつもりがぐいぐい引き込まれた試合。
 3選手とも良かったけれど、中でもニンジャ・マックの動きがめっちゃカッコ良くてファンになった。

第二試合 10人タッグマッチ 征矢学、〇マサ北宮、稲葉大樹、HAYATA、Eita vs 潮崎豪、モハメド ヨネ、齋藤彰俊、小峠篤司、× Hi69(15分08秒 監獄固め)

 潮崎、第二試合なのかー、と複雑な思いにもなったけれど、この日の全カードを見れば、やむを得ないかとも思う。
 10人タッグマッチは一人一人の選手の動きをじっくり見るには厳しいけれど、でも見たかった選手をみんな見られたのは嬉しくもあった。
 齋藤彰俊選手が今もリングに上がり続けてくれることが嬉しい。チームノアというユニットには思うこともあるけれど、活躍し続けることが答えだとも思う。応援し続けたい。

第三試合 6人タッグマッチ 丸藤正道、杉浦貴、〇佐々木憂流迦 vs サクソン・ハックスリー、ティモシー・サッチャー、×谷口周平(12分43秒 三角絞め)

 この試合も面白かった!
 最後、佐々木憂流迦選手がつかまった時点で失礼ながらこのままスリーカウント取られるかと思ってしまったのだが、しっかり返して佐々木選手が勝ちを収めたのにちょっと胸が熱くなった。
 丸藤選手を見るのは昨年11月のDDT両国大会以来だったけれど、杉浦選手を生で見るのは約13年ぶり。自分より年上の選手がまだ現役で(引退せずに、という意味だけでなく)リングに上がり続けてくれているのが嬉しい。

第四試合 タッグマッチ 〇清宮海斗、大岩陵平 vs 小川良成、×大和田侑(13分31秒 変形タイガードライバー → エビ固め)

 すみませんごめんなさい小川良成選手ばっかり見てました。
 変わらないカッコ良さと変わらないえげつなさ。サミングどころかロープに相手選手の目をこすりつけるってよくもまぁ。「狡猾」って言葉をリング上で表現したら小川良成選手になると思う。あ、全部褒め言葉です
 めちゃくちゃ性格悪そうな試合を展開しておきながら、試合後、リングを降りる時にちゃんと大和田侑選手の肩をぽんぽんって叩いてたのを見て更に萌えた
 自分で書いてて思うが、これプロレスの試合の感想じゃねえな。

第五試合 6人タッグマッチ 〇ジェイク・リー、YO-HEY、タダスケ vs 藤田和之、近藤修司、×宮脇純太(15分42秒 バックドロップ → 片エビ固め)

 試合前にサイン会があったこともあってジェイク・リー選手側に思いっきり肩入れしながら観戦してしまったけれど、試合自体めっちゃ面白かった。ジェイク・リー選手を見ていると、その体格からも動きからも自分が大好きだった頃の全日本プロレスの空気を感じるし、YO-HEY選手、タダスケ選手には若手選手だったころの金丸選手を見ていた時を重ねてしまうところもある。でもやっぱり「今」の選手なんだよな。
 リアルタイムで応援出来て嬉しい。これからが楽しみ。

第六試合 GHCジュニアヘビー級選手権試合 〇ダガ vs ×大原はじめ(15分40秒 ディアブロウイングス → 体固め ※第54代王者が3度目の防衛に成功)

 この日のタイトルマッチの第一戦。
 大原選手惜しかった!
 でもダガ選手が素晴らしかった。
 ダガ選手相手に「もしかして勝てるかも?!」と何度も思わせてくれた大原選手、これからが楽しみ。

第七試合 セミファイナル GHCタッグ選手権試合 〇ジャック・モリス、アンソニー・グリーン vs ×ドラゴン・ペイン、アルファ・ウルフ(21分46秒 タイガードライバー → エビ固め ※第66代王者組が3度目の防衛に成功)

 素晴らしかった!
 あくまで個人的な感想として、この日のベストバウトはこの試合だった。
 言葉にならん。素晴らしかった。両タッグともマジ凄かった。
 ドラゴン・ペイン選手とアルファ・ウルフ選手のタッグは空中のシンクロナイズドスイミング。動きの早さ、跳ぶ高さ、全てのロープを上下左右に操るようなロープワークからの合体技への展開の数々など、まるでプロレスとサーカスの同時進行のよう。
 しかしチャンピオンのジャック・モリス選手、アンソニー・グリーン選手もまた素晴らしい。技を受け切った上でさらにその上を行くという試合展開。
 試合後の4選手の握手にぐっときた。
 いろんな形があるのがプロレスだし、トゲトゲした試合もあって良いんだけれど、私はこういう試合が大好きだ。

第八試合 メインイベント GHCヘビー級選手権試合 ×拳王 vs 〇イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.(29分37秒 ムーンサルトプレス → 片エビ固め ※第43代王者が3度目の防衛に失敗。イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.が第44代王者となる。)

 個人的ベストバウトはタッグ選手権だったけれど、メインのこの試合も名勝負だった!
 拳王選手を応援しながら観戦し始めたものの、途中からどっちが勝ってもおかしくないと思い始め、20分を過ぎる頃にはどっちも勝ってくれたらいいのにという訳の分からない思いになっていた。
 試合後は、ワグナー選手の嬉しさが伝わってきて、ちょっと貰い泣きしそうにもなった。
 んで、試合開始からずーっと「ワグナー!」って声援を送る子供の声が聞こえてたんだけど、試合後にその子たちのところにワグナー選手が歩み寄って、頭を撫でてあげてたのを見てまたぐっときた。
 でも、拳王選手もここで終わる選手じゃない。これからのノアが一層楽しみになった。

全体を通して




 一人でそっと静かに観戦するつもりで足を運んだのだが、全8試合が終わる頃には声は枯れ手拍子のしすぎて指のひび割れから若干流血するほどエキサイトしながら観戦していた。隣に夫がいないと私はいろいろダメらしい。
 しかし、それほど興奮してしまうくらい良い大会だった。特にタイトルマッチ3試合はめちゃくちゃ楽しかった。
 今回の大会では、過剰にコミカルな要素やマイクアピール等は一切無く(全試合を通してリング上でのマイクアピールは無し。唯一、選手がマイクを持ったのは全試合終了後。ジェイク・リー選手がイホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.選手に次期挑戦を申し込んだ時だけだった。)、そこにはただ、プロレスがあるだけ。

 そうだよ、ノアってこうだったよ。
 私は、これが好きだったんだよ。

 もちろん、今の私はいろんな団体のいろんなプロレスを観戦するようになって、好きな団体が増えている。
 楽しさも、面白さも、デスマッチの怖さも、全部包み込むのがプロレスだと思う。

 でも、私に最初にプロレスというものの凄さを教えてくれたのは子供の頃に見た全日本プロレスであり、大好きな三沢光晴選手が立ち上げたプロレスリング・ノアだった。
 そのことを思い出した。


 それと同時に

 プロレスは、会場で観戦するのが一番楽しいとあらためて思った。
 大満足の3時間。
 また見に行こうと思う。


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