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宮城県産の養殖ニジマスとオリジナル曲

 自分のオリジナル曲を思い出す。
 昨夜は、そんな晩酌だった。


とんだ名前負けさ 恥ずかしいね
七色には遠い黒まだら模様
虹色に輝くなんて怪しいものさ
嘲笑うよな声は水音のいたずら

ここは流れ者の池 果て無き大地
枷を振りほどいて辿り着いた
けれど水音に混じり聞こえてくる
あたしを呼ぶ声
「ほら あれが余所者」

永遠に続く命の輪の中で
ここが終の棲家では無いとしても
変わることの無い流れを呪うよりも
今ある命の限りに泳ぐ

生まれ出し理由を誰も知らず
生きることの理由を知る筈もなく
されど魚はゆく
川を遡り
汚された水にさえその身を晒して

生まれ出し理由を悩むよりも
生きることの理由を迷うよりも
はるか水音の先に待つ光に
託すものがあると呼ぶ声がする

永遠に続く命の輪の中で
ここが終の棲家では無いとしても
変わることの無い流れを呪うよりも
今ある命の限りに 泳げ 泳げ

“ココニ アタシラヲ 連レテ来タノハ 誰サ”

食うために増やすためにここに放たれ
もういらぬと邪魔だと追い立てられ
故郷へ帰る術も持たないままに

されど魚は行く 果て無き旅を
誰を恨むことも憎むことも無く
ひたすらに泳ぐ
川を遡り
水面が虹の色の血で染まるまで

永遠に続く命の輪の中で
ここが終の棲家では無いとしても
変わることの無い流れを呪うよりも
今ある命の限りに
泳げ
泳げ

「ニジマスノウタ」2011年初出 作詞・作曲 シノブ
昨夜の晩酌風景


昨夜の晩酌
 宮城県産の養殖ニジマスの塩焼き
 三陸産ワカメとツナのゴマドレッシング和え
 宮城県産の大根の葉のおかか炒め
 宮城・古川産のナスの味噌炒め

宮城県産 養殖ニジマスの塩焼き


 昨夜は期せずして地元食材だけでの晩酌。味噌もかつお節も石巻産。
 久しぶりの養殖ニジマスは、ウロコとワタを取って丁寧に洗って水気を取ってから、少し強めに塩を振って塩焼きに。
 美味しかった。

 地元食材で晩酌が出来るのは幸せなことだと、しみじみと思う。
 そして、自然界では要注意外来生物とまで呼ばれているニジマスが、美味しい魚として自然界に悪影響の無い形で養殖されて、こうして美味しくいただけるようになっていることに、感慨深いものがあった。


 不快なニュースに、天然であれ養殖であれ東北で魚の奇形なんて発生してねーよ、と呆れつつ。

 でも「安全」だという事実が浸透するまでに、こんなにも長い時間がかかったのもまた事実で。

 なんにせよ、魚に罪はないのだよね。

 感謝して、これからもたくさん美味しく食べようと思う。


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 冒頭の動画は、2020年2月、コロナ禍突入直前の東京で、現在の夫とのユニット「イカシノブ」でライブを行った際のもの。
 お時間のある時に、見ていただければ幸いです。
 ニジマスのことも、「ニジマスノウタ」というオリジナル曲のことも、書き始めると何千字になるかわからないので、またいつか日を改めて。
 特に、オリジナル曲の歌詞については、近いうちにあらためてきちんと書きたいと思う。


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