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戦略ってそもそも何やねん!(後編)

お疲れ様です!泣ける"志事"を創り出す!Singerly株式会社・代表の奥田(まーたん)です。またの名をミスターMVVの奥田です。今回でなんと6回目となるnoteとなりました!コツコツ続けるとコンテンツはドンドンと溜まっていきますね。まさに塵も積もれば山となる、です!
さて、今回は戦略テーマの第三弾・後編ということで戦略の一番濃厚な部分を余すことなくお伝えしていきます。これまでの前編・中編と今回の後編をマスターすることで『戦略』については十二分にハイクラスの知見がゲット出来たかと思います(それほど世の中の人は『戦略』について無知すぎる)
この後編は超絶重要なパートとなりますので、確実に抑えていきましょう!
ちなみに今回のnoteは約1万文字です!書き過ぎ!やり過ぎ!ってか指の指紋消えたっ!という意気込みとなっております!!

前編・中編の振り返り

それでは皆さん!これまでの前編・中編でどんなことを学んできたか?バッチリ覚えているでしょうか!?
どーなんだい!どーなんだいっ!!
『あっ!ヤベっ!全く覚えてなーい!』
と言って過去の記事に軽やかにジャンプをした、そこの諸君!正しいっ!!正しいから、まずはスキマークを押したまえっ!!すぐっ!ということで簡単に前回までのダイジェストを見ていきましょう!
※詳細は過去のアーカイブをご覧ください

①戦略って何やねん!(前編ダイジェスト)

・戦略は”To be”の数珠繋ぎ、戦術は”To do”の数珠繋ぎ
・日本企業に戦略は必要なかった!?
・戦略とは『戦わずして勝つ!』
・100戦100勝ではなく100戦100不戦勝が最強だ!
⇨とにかく『戦略』においては競合と戦ってはいけない。いかにOnly oneになるか?が最重要だとお伝えしました。
♬No.1にならなくてもいい、元々特別なOnly one♬
※平成の名曲をここでピックアーーーップ♫

②戦略って何やねん!(中編ダイジェスト)

・戦略の基本的な構成要素はSPとOCである
・SPは戦略的なポジショニング
・OCは組織が持つ固有の能力
・戦略はつい話したくなるストーリー
・戦略はストーリーであり、物語のタイトルである
(一言でシンプルに言えるようにする)
⇨ユニクロとZARAの事例を出しながら、戦略の構成要素に触れた中編。基本骨子としてはポジショニングのSPと組織能力のOCを組み合わせ、Only oneになっているかを見ていく。またそれらを包括した戦略を”一言”でキャッチーに言えるかどうか?足し算ではなく引き算。
ダラダラと説明が必要な戦略はストーリーではない。
余分なものを削ぎ落とした”引き算”で示せるかどうか?
『戦略はストーリーであり、物語のタイトルである』という名言の所以。

③記憶はすぐに吹っ飛ぶ!復習しないと意味ないで!

『ぐふっ!!!全く覚えていない!』という方が大半かと思います。人の記憶はすぐに吹っ飛ぶように出来ています。インプットした1時間後には約50%が吹っ飛ぶという話もあります(エビングハウスの忘却曲線)忘れて当然。これは生きていく上での生物学的な防衛本能です。何でもかんでも記憶に残り、忘れられない方が圧倒的に地獄ですよね!?
だって、高校1年の時に付き合っていた彼女にフルスイングで振られたことが今も............うぇーーーんっ!!!ってなってたら地獄やん!圧倒的に地獄やん!なので忘れて当然。だからこそ復習が大切です。何度も何度も繰り返して脳みそに刻み込みましょう!

さぁ、ここから後編が始まるぞー!
よっしゃ!ここから『戦略』3部作の後編を書いていきます。今回は戦略論の具体的な部分に触れていきます。まー、おもろいですぞ!
再三ではありますが、この『戦略』を理解しているかどうかでビジネス戦闘力がグググっと変わります。ぜひこのnoteをキッカケに知識や学びをゲットしてビジネス人生の差別化の武器にして下さい!
改めて当社はMVV(経営理念)を軸に組織コンサルティングや戦略構築を支援するベンチャー企業です。このnoteではビジネス戦闘力が上がるコンテンツやインサイト(気づき)発信していきます。ぜひ、宜しくお願い致します!※面白いな!と思ったらスキ・フォローもお願いします。Twitterのフォローもぜひ!

つい話したくなるストーリーとは?

つい話したくなるストーリーって何やなねん!?

戦略とはストーリーである。と再三お話をして来ました。この『ストーリー/物語』という言葉の本質を紐解くと、そこには”つい誰かに話したくなる”という要素が垣間見えます。
皆さんは人生において”つい誰かに話したくなるストーリー”ってありますか?例えば映画、漫画、アニメなどのエンタメコンテンツもあれば、恋愛トーク、借金地獄、サクセスストーリーなどの人生コンテンツ・・・etc。
面白いほど”つい誰かに話したくなるストーリー”ではないでしょうか?
私は『ドラゴンボール』『ダイの大冒険』『ワンピース』などは大好き×面白すぎて、知らない人がいれば
『はっ!ご飯食わずに生きて来た人生くらい損してるで!キミぃ!』
と鬼のマウントを取ってそのストーリーの素晴らしさを力説します!
(全身全霊で嫌われているだろうことに今ほど気づきました!感謝!)
では”つい話したくなるストーリー”を要素分解するとどうなるのか?ここを紐解いていきましょう!
※ここからは超尊敬する楠木健先生の名著『ストーリーとしての競争戦略』の考え方をベースに展開していきます(超必読なので未読者は絶対に読むべし)

賢者の盲点(バカなる)を設計しろ!

まずストーリーは全体構成と部分構成に大きく二分されます。
例えば『ドラゴンボール』という全体構成のストーリーに対して、
『ドラホンボール』
『ドラゴンボールZ』
『ドラゴンボールGT』
『ドラホンボール超』
など部分構成のストーリーが走ります。
さらに『ドラゴンボールZ』で言えば「フリーザ篇、セル編、魔人ブウ編」と更に細かい部分構成も走っています。他にも『スターウォーズ』であればエピソード1〜9(4からスタート)が部分構成で走り、『ジョジョの奇妙な物語』であれば1部、2部・・・と部分構成が走ります。『ワンピース』も"空島編"ってな感じで部分構成が走りますよね。
このように全体のストーリーを”全体構成”、それらを構成する部分ストーリーを”部分構成”とした時に、それぞれのストーリーが合理的(確かにその通りだ)または非合理(えっ!何でそんなことわざわざするの?)の4マトリックスで構成されるとすれば(下記の図)一番素晴らしい戦略はどこになると思いますか?①〜④で選んでね!!

どれが一番イケてる戦略でしょーーーか?!

さーて、恒例のスクロールストーーーープッ!!!
レッツっ!シンキングターーーイム、スターーートっ!

シンキング now…
シンキング now…
シンキング now…
シンキング now…
シンキング now…
シンキング now…
シンキング now…
シンキング now…
シンキング now…
シンキング now…
シンキング now…
シンキング now…
シンキング now…
シンキング now…
シンキング now…
シンキング now…

はい!一旦ここでシンキングタイムは終了です!

賢者の盲点(バカなる)を設計しろ!

どどん!!正解は④でした!!!!88888888888(パチパチパチっ)
実は多くの人は②の『全体構成が合理、部分構成も合理』が素晴らしい戦略だと言います。本当にそうでしょうか?!前編のお話を思い返して下さい。
『戦略は戦ってはいけない』・・・です。
②の『全体合理×部分合理』は一見素晴らしいように思いますが一番危険なのです。なぜなら、多くの人がここに集まるからです。スタートラインに一番多くの人がいる状態。これは一番危険ですよね。より多く戦うハメとなり、勝率も一番下がる。戦いコストも一番かさんでしまいます。これが一番の地獄です。戦略論上では一番ダメなのが②の『合理×合理』。
これまで約500人以上にこの質問をして約8割の方はこれを選びます。その時点で400人が集まる計算です。

全体構成×部分構成のマトリックス

『全体合理×部分合理』
▶︎普通の賢者(最も人が集まり危険))
『全体非合理×部分合理』
▷合理的な愚か者(アンポンタン)
『全体非合理×部分非合理』
▶︎ただの愚か者(話にならん、去れっ!)
『全体非合理×部分非合理』
▷賢者の盲点(別名:バカなる)

他にも『全体合理×部分合理』の合理的な愚か者、『全体非合理×部分非合理』のただの愚か者もダメです。そもそも全体のストーリーに合理性が無ければ話になりません。そして最終的に残ったのが・・・
『全体非合理×部分非合理』
▷賢者の盲点(別名:バカなる)
全体構成は合理的なんだが、部分構成で『えっ!何でそんなことわざわざするの?』という非合理さを内包しているのが『賢者の盲点』(別名:バカなる)賢者に指摘してもらって気づくレベルのインサイト。それが賢者の盲点。また別名を『バカなる』と呼びます。
バカなるとは・・・
『バカだなっ!』と『なるほどそういうことだったのか!』を組み合わせた造語
初めは『バカだなっ!』と思っていた事が、時間が経過した後になって『なるほどそういうことだったのか!』と気がつく様を表現しています。もーイチイチ秀逸!
この賢者の盲点がいかに重要かをここから具体例を交えて見ていきましょう!

出典:スターバックスコーヒージャパン様

スターバックスコーヒージャパンの戦略!

どーーーーーんっ!みんな大好きスタバ!スタバなう!のスタバ!いつまで経っても色褪せることのないブランディングのスタバ!そんなスターバックスコーヒージャパン様(以下スタバ)の戦略を紐解いていきましょう!このスタバの戦略が鬼凄いんですよ・・・マジで!
スタバの戦略を知ると、マジで”つい誰かに話したく”なりますw それくらいインパクトある戦略ストーリー。楽しんでいきましょう!
※本編に出てくる各社データが古い or 齟齬があればご容赦下さい。あくまでも戦略理解の読み物としてお楽しみ頂ければ幸いです🙇‍♂️

スターバックスってどんな会社なの?!

今でも飛ぶ鳥を落とす勢いのスタバ。そんなスタバの戦略的な強さを紐解いていきましょう!まずはスタバの概要をご覧ください。
スターバックスはアメリカの上場会社です。1971年にアメリカ合衆国ワシントン州シアトルで開業し、現在は世界最大のコーヒーチェーン店となります。2020年時点では世界83カ国に32,660店舗を展開しており、16,637店舗が直営店、16,023店舗がFC店舗となっております。圧倒的な数字ですね!
そして、そんなスタバが日本に上陸したのは1996年。当時はまだ『カフェ』という言葉自体もそこまで浸透していないであろう時代に黒船の如く上陸。ペリーっ!!
東京の銀座松屋通店が第一号となります。当時のスターバックスジャパンは米・スターバックスとアパレルメーカーのサザビー社との合弁会社としてスタート。その後は一度上場するものの、米スターバックスが完全子会社化をすることで2015年には上場廃止。現在は非上場企業として展開中。現在は国内店舗数が約1700店舗(うちライセンスが約140店舗)となり名実ともに業界最大手のカフェチェーンと言えるます。しゅごーーい!
※これだけどこにでもあるのに色褪せない『カッコ良さ』って凄くない?!いや、しゅごくない?!

喫茶店とスタバのビジネスモデルの違い!

喫茶店とスタバのビジネスモデルの違い!

スタバが日本に上陸した1996年にタイムスリップしてみましょう!!ドラえもん!カモーーーーンっ!!
当時の1996年と言えば私はまだ11歳・小学5年生の時代です。春夏秋冬オールシーズン半パン少年っ!!
もちろん『カフェ行こうぜ!』なんてセリフを人生で発したことがない時代。街にカフェなんかはなく、あるのは喫茶店だけ。けど子どもが行く所ではないですよね。そう、当時は『カフェ』ではなく『喫茶店』が主流の時代。そんな時代に彗星の如く、黒船の如く、現れたのがスタバなのである。ペリーーーーーーーっ!!!
そしてそれらのビジネスモデルは大きく異なります。一見すればコーヒーやお茶をする所!?に見えますが戦略が全く違うので別物です。
上記の添付資料をご覧下さい。以下の4軸においても全く違うのです。
①客層 ②商品 ③環境 ④用途(何しに行くか)
そしてここに賢者の盲点(バカなる)がふんだんに盛り込まれています。
当時の常識だった『喫茶店』を運営する亭主はスタバに対しておそらくこう言ったはずです。
①客層:OLや学生
『そんなお金を持っていない人を相手にしてどうすんねん!バカだな!』
②商品:幅広い&バリスタ
『そんな幅広い商品置いたら仕入れ原価上がるやん!しかも店員をバリスタ?って呼んでいろいろ教育を手厚くする?バイトは学生ばっかやろうから卒業したら辞めるんやで!バカだな!』
③環境:禁煙、デザイン、開放感
『タバコ吸えないの?マジ?絶対行かないわ!しかも開放的なデザインは何なの?もっと机と席を置いて席数増やさないともったいない!バカだな!』
④用途:リラックス、仕事に集中
『リラックスだったらマッサージ屋に行くし、仕事に集中したいなら会社にいくだろうよ!わざわざお店に来るわけないやん!バカだな!』

はい!いかがでしょうか!?
必殺”バカだな”の乱れ打ち。亭主の無呼吸乱舞。
剣心の飛天御剣流・九頭龍閃ばりの乱れ打ちです。
(知らない人が多そうだなw)
これ以外にも”バカだな”ポイントは多数あるのですが、それほどに当時の常識とされていた『喫茶店』業界の人からするとスタバの戦略は”バカだな”と言われる要素がふんだんに使われていたのです(めっちゃゆーやん!)
『米国から来た会社だろ?そのうち潰れるさ...』とね。
そしてスタバの最大の”バカなる”は上記4軸だけではありません。ここからスタバの真の賢者の盲点(バカなる)を見ていきましょう!

直営店でやるなんて信じられない!という世間の声

最大の賢者の盲点は『直営主義』だ!

スタバの戦略における賢者の盲点(バカなる)を見て来ましたが、最大にして最強のバカなるが『直営主義』という考え方です。以下はスタバジャパンの公式HPにあるQ&Aの抜粋です。

■スタバの公式HP(https://starbucks-faq.force.com/s/a/2314
<日本でフランチャイズ展開していますか?>

全店直営で運営し、基本的にフランチャイズ展開はしておりませんが、一部、特殊商圏においてはライセンス事業を行っております。
※ライセンス事業:スタバの価値観とマインドに共感し、高いクオリティに強いこだわりを持つ企業との連携事業のこと。

ここでも公言しているように国内のスタバは直営主義が大前提です。一部ライセンス事業(TSUTAYAなど)はありますが、フランチャイズ契約によるフランチャイズ展開はしておりません。再三ですが日本には2020年時点で全国約1700店舗(うちライセンスが約140店舗)もあり90%以上が直営店です。ではなぜこの『直営主義』が最大にして最強の”バカなる”なのか?

まずスタバはアメリカ発のブランドです。それをそのまま日本に持ち込んで、ローカライズ(現地に合わせたカスタマイズ)もせずに上手くいくでしょうか。
アメリカと日本では文化や商習慣が全く違います。そうなると試験的に、リスクを抑えつつ事業を進めて行きながら、でも拡大は急いで行いたい、というのが経営者としての考えかと思います。なので全国展開を狙う、規模の拡大を狙う小売・リテールビジネスはFC(フランチャイズ)契約での展開パターンが多いです。コンビニ、学習塾、フィットネスクラブ、クリーニング店など世の中にFCビジネスはいっぱいあります。最近ではデリバリーサービスやレストランの1メニューだけFCという新しいモデルも出て来てます(ボロネーゼ専門店のBIGOLIさんなど)
さらに直営で店舗を出すということは
①出店コスト②設備コスト③仕入コスト④採用コスト
⑤教育コスト⑥運営コスト⑦CSコストなど
全てが自費です。スタバを1店舗出店するのに数千万の費用がかかるはずです。そんなリスクを毎回背負うなんて『どうかしてるぜー!FCでしょ普通は!』と言うのが喫茶店業界サイドの意見なのです。
しかし!しかしなのです!
そんなことは世界展開しているスタバも分かっておるわい!ということで、ただの愚か者、合理的な愚か者ではございません。
ここで重要になるのはスタバが掲げる戦略ストーリー。
『サードプレイス』
という考え方になります。ここも紐解いていこう!

『サードプレイス』って何やねん?!

スタバが掲げる『サードプレイス』とは何なのか。
それは家庭(第1の場)でも職場(第2の場)でもない、第3の居心地の良い場所にスタバがなる!という考え方です。もちろん家庭も職場も居心地の良い場所は多数あるでしょうが、一人で落ち着いて過ごせる場所は中々ないものです。特にコロナ禍でリモートワークが推進され、自宅には家族がいる、職場にはいけない・・・なんて時にはスタバというオアシスに行きたい!というニーズは高まったのではないでしょうか。
スタバはこの『サードプレイス』という考え方を何よりも重視し、ここは絶対に外さない前提で戦略決定をしているのです。この全体ストーリーに『???』と首を傾げる人は少ないと思います。全体構成としては合理的というのは当てはまりますよね。

競合から見た”バカなる”がてんこ盛り!

『直営主義』が突き刺す非合理さの凄さ

スタバの全体構成としての『サードプレイス』は非常に合理的でした。時代にも沿っていますし、何よりも人間の本質を突いています。誰もが『そーだ!そーだ!その通りだ!!!』と声を揃えるのではないでしょうか。
しかし、戦略の部分構成を見ていきましょう。多くの”バカなる”がそこにはあります。上記資料の濃いオレンジをご覧下さい。
様々な戦略に対して『ビジョン経営、新卒採用。高価格帯、一等地出店、店舗がメディア』は合理的に理解が出来るが、濃いオレンジの部分は『???』と一見思わざるを得ないものが多く含まれます。
『多彩なメニュー』や『FC無し』はすでに述べましたが、それ以外にもいくつかポイントがあります。見ていきましょう。

①ミッション浸透
「人々の心を豊かで活力あるものにするために—
ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」
スタバのミッションです。これを浸透させる為に様々な教育や研修が行われます。バリスタとしてのマインドもここから来ています。
『ミッション浸透?何を言うとるねん?それより1秒でも早くコーヒーを作る技術を教えた方がええやろ!バカだな!』という声が聞こえてきます。
②独自OP(オペレーション)
スタバに行った時にふと思いませんか。『めっちゃ待たされるやん!』と。レジはいつも列を成しており、オーダーしたら商品を渡すカウンターに誘導されるのだが、5分くらい平気で待たされる。だがしかし、もっと早く出しなさいよ!とはそこまで思わない。他のお店だったら1秒でも早く出してほしい!と思うのに、スタバにおいてはその感情が非常に希薄になるのである。
なぜか?!
それは”待たされる”というのを十分に理解した上でスタバに行っているからだ。あと5分後にMTGが始まる!あと10分後に電車に乗らないと!というような超絶急いでいる場面では絶対にスタバには行かない。どうしても干からびた喉を潤したいのなら、自動販売機かコンビニだを選ぶはず。絶対にスタバという選択肢はない。この列をなす、待たせる、というOP(オペレーション)がフランチャイズ展開でならどうだろうか?『1秒でも早くコーヒー出せよ!』と亭主が言ってくるイメージしか湧かない。『なんでそんなに待たせるねん!バカだなっ!』である。
③PR宣伝無し
スタバはTVCMを打たない。”店舗がメディア”と昔から言っている。しかし、スタバの認知や集客を考えればTVCMを打つ、は合理的にアリ。かと思われる。だが彼らは絶対にCMは打たないのである。これももしフランチャイズ展開ならどうだろうか?『スタバさんよ!季節イベントでCM打ってよ!』と亭主が言ってくるイメージしか湧きません。これも『なんでCM打たないねん!バカだなっ!』である。
ここでもスタバに対して・・・
必殺”バカだな”の乱れ打ち、乱舞。無呼吸連打。
聖闘士星矢のペガサス流星拳ばりの乱れ打ちです。
ボッコボコです!しかし、しかしなのです!
この”バカだな”がスタバの戦略の強さを証明している。
次は賢者の盲点(バカなる)の正体を見ていこう!

バカなるの正体とはいかに!?

賢者の盲点(バカなる)の正体

さて、再三に渡り何度も言及してきた『賢者の盲点(バカなる)』。その正体を解き明かしていこう!
まず、賢者の盲点(バカなる)は2つの壁を築きます。
①『バカだな!の壁』
②『なるほど!の壁』
一つ目の『バカだな!の壁』から解説していこう。
全体合理×部分非合理=賢者の盲点(バカなる)であり、競合からすると『何でそんなことわざわざするの?』と理解不能になる。またその的外れな戦略に対して『はっはっはっ!バカだな!』と絶対に真似をすることはなく距離を置こうとする。この”真似をされない”が『バカだな!の壁』として大きくそびえ立つのだ。
競合はスタバが直営店で展開をすればするほど『はっはっはっ!バカだな!そんなハイリスクな投資をしていればその内に潰れるだろうよ!』と高を括って傍観する。しかし、しかし。スタバが10店舗、50店舗、100店舗とガンガン拡大していく。『あれ?何かおかしいな、上手くいってるやんか!』と競合が気づいた時にそびえ立つのが『なるほど!の壁』だ。
『なるほど!そういうことだったのか!サードプレイスという世界観を実現するために自社で全てをコントロールする為にリスクを背負ってでも直営主義で事業展開していたのかぁ!!!してやられたぁぁぁ!!!』
ミッション経営、独自OP、多彩なメニュー、FC無し、 TVCMなどのPR宣伝は無しは『直営主義』だからこそ出来たことである。フランチャイズでは出来ないのだ。この賢者の盲点(バカなる)がすべての要素を横串で刺し、”一見”すると非合理に見える戦略が、戦略ストーリーと照らし合わせることによって、究極の合理性に変換するのである。しゅごーーーい!!
そして競合がスタバの賢者の盲点と戦略の本質(サードプレイス)に気づいた時には時すでに遅し。時間軸の経過とともにスタバのOC(組織能力:ブランディング、OP、デザインなど)が高まり、競合からすれば『今更もう真似出来ないよー!』となるのである。
(※高校時代に150kmの球を投げていた大谷翔平選手が、数年経ったらメジャーに移籍しており、気づいたら160kmクラスの球をバンバン投げれるようになっていた。これも時間軸の経過とともに彼のOCが高まった結果である)
この”時間軸の経過”とともにOCが溜まっていくことで、競合との差が圧倒的に開くことで、結果的に独占市場である”自分たちだけ”のOnly Oneになれるのである!しゅごい!!

スタバの戦略骨子まとめ

スタバの戦略骨子まとめ

さぁ、スタバの戦略をここでまとめていきましょう。
①戦略ストーリー
サードプレイス
②SP(戦略的ポジショニング)
快適&デザイン空間、こだわりの商品、親身な接客 etc
③OC(組織能力)
圧倒的な資本力、ミッション経営、色褪せないブランディング力 etc
③意味のイノベーション(詳細は追って)
喫茶店の提供価値:暇つぶしの場
④賢者の盲点(バカなる)
直営主義

スタバの提供価値:自己実現の場
上記のようにまとめていくことが出来ます。
SPだけでも競合がなかなかおらず、OCだけでも競合がなかなかいない。
SP、OCの掛け算だけでもOnly Oneになっているにも関わらず、業界や競合が提供している価値すらも変えてしまう(意味のイノベーション)まで掛け合わせて、圧倒的なOnly Oneになっている。
更に『直営主義』という賢者の盲点(バカなる)が競合に対して
❶バカだな!の壁
❷なるほど!の壁
を構築することで時間軸とともに大きく突き放し、独占市場の形成まで行なっているのであーーーる!その結果として圧倒的なNumber Oneになっているのがスターバックスジャパンなのである!
しゅごい!しゅごしゅぎる!リスペクトっ!!

戦略論が書き切れませんでした(陳謝)

さて、具体的な戦略論についてスタバを事例に掘り下げて来ました。いかがでしたでしょうか?ここで皆さんに謝罪が御座います・・・🙇‍♂️
戦略テーマ三部作と銘打って取り組んで来ましたが、戦略論の全てを書き切れませんでした!
実は今回の後編に盛り込む予定だった内容がまだこれだけあります。
①意味のイノベーション
②突き抜けた企業の提供価値はハンパない
③戦略骨子の応用篇
④捨てた先の追い風設計
⑤営業プロセスの意味のイノベーション
ということで上記の内容は続編に書くことにします!さーせん!!でも許して!無料やねんからさ!ね!ね!
今回の後編でも十二分に戦略論の知識が付いたかと思います。今回のnoteを通じて皆さんの理解が更に深まるきっかけになれば嬉しいです。
私自身も元々は戦略的なことなど全然知りませんでした。ノリでビジネスをしていました。しかし、戦略的な知識と思考を手に入れることで、名も無いベンチャーであるSingerlyでは超大手上場企業の戦略コンサル案件などを担うことが出来ております。これも日々の学習、努力の賜物かと思います。そして戦略の強さです。
勉強の『べ』の字すら取り組んでいなかった私が出来る!と言っているのですから、絶対に皆さんにも出来ると思います。私は圧倒的に庶民なのです。ノーマル!
そんな想いがありますので、惜しみなく自分たちが持つコンテンツやノウハウはどんどん発信していきたいなと思っております。戦略テーマはこれでは終わりません。次回は『超編』とでもしましょうかね。さすがにそこで完結させるつもりです。ぜひ次回もご覧頂ければ幸いです!

最後に我々の考え方に共感し一緒に働く仲間も募ってます。いつでも気軽にお待ちしております。福岡で働きたい方は超絶優先しております!またMVV(経営理念)や戦略でお困りなことがあればお気軽に相談下さい。少しでもお役に立てたなら「スキ」「フォロー」もぜひお願いします!最後まで有難う御座いました!また次回、お会いましょう!!
バイバイキーーーーーンっ!

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