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僕が、映画「エゴイスト」を2回観に行った理由。

[2023/02/20:1回目の鑑賞]
まず、最初に書いておくと、僕はゲイではないです。
なので、こういう作品を観る時は、やっぱり少し気構えてしまうし、好んで良く観ようと思う事も、あまり無いと思う。
でも、予告編を見たり、公開してすぐの評判を聞いて、やっぱり観に行こうと思って、観てきました。

そして、やっぱりいい映画だったなぁと思いました。

最初のシーンから、いきなりもう直感で、

「あ、これはいい作品だ」

って、そんな予感が過ぎる作品が時々あって、
それは、大抵間違っていない事が多いのですが、
この作品もファースト・シーンでいきなりグッと心を掴まれてしまいましたね。

そして、そのまま、最後まで。
ゲイではなくても、そのひとつひとつのシーンに感情を揺らされながら。
そして、タイトルの意味がようやく終盤になって、少しわかるようになって、
見終わった後には、この作品が伝えたかったものも、自分なりには理解出来たと思います。

鈴木亮平が、やっぱり素晴らしかったですね。
それは、観る前から想像はしていたけど、想像以上でした。
迫真という言葉で語ったとしても、なんだか、それすらチープに感じてしまうような、
それでも、それしか言いようの無いような。
一瞬も途切れる事なく、その役柄を演じ切るという、役者としての魂を感じる事が出来たのはとても良かったです。

そして、そんな彼を捉える映像も、敢えて主人公・斎藤浩輔の目線を意識した、
主観の映像を多用していて、それが時間と瞬間の流れや、感情のゆらぎを、上手く表現していたと思うし、凄く感情が入って行きやすくなってたなぁと思いました。

制作がROBOTだったのも、なるほどなぁって、納得させられましたね。

購入したパンフレットと月刊シナリオ誌


[2023/03/03:2回目の鑑賞]

失敗したなぁと思っていた。

それは、先日の事。

その日は、午前中に初回の「エゴイスト」を観て、
観終わった後で、凄く心に残るものがあり、その余韻に浸っていた。
でもその日は、午後からも観たい映画があったので、
鑑賞したショッピング・モールの休憩所で、30分くらいで感想を書いて投稿した。

そして、次に観た映画は「タイタニック」だった。

その2作品は比較するようなものでは無かった気もするけど、
午前中に観た「エゴイスト」の印象を、「タイタニック」が強烈に薄めてしまったような実感があった。
その日、帰宅した後も、どちらかというと「タイタニック」の余韻を強く感じていた。

でも、ジワリジワリと、この映画の事を思い出して行く。
日を追う毎に。

どうしても気になるシーンがあったので、月刊シナリオを買って、
シナリオを読み返した。
もっとこの作品を咀嚼したい、深く知っておきたいと思って、
後日に改めて、劇場でパンフレットも購入した。

そして、今日、2回目の鑑賞をしてきました。

まず確認したかったのが、シナリオを読み返して脚本通りだったのか気になってたシーン。
ここは、ほぼ脚本通りだったけど、
最初の鑑賞時に凄くアドリブを入れているように感じたのは、鈴木亮平の間の取り方や、間投詞の挟み方が、凄く自然に聞こえてたんだなぁって事。
このシーンは、初回に感じた通り、物語の中でもとても重要なシーンだったと思うし、自分の心の中にも響くものが大きかったなぁと思います。

しかし、そもそも台本自体、当初は簡単なもので、
撮影前のリハーサルで加えられた設定やセリフから、生まれたものが正式な台本に組み込まれて行ったらしく、役者も自由にセリフを変えたり足したりしても良いという環境で進めたそうで。
その方式が、物語にリアリティを与えていたんだなぁという事が、よく理解出来ましたね。

そして、2回目の鑑賞でハッキリとしたのが、
自分は作品を通して、主人公・斎藤浩輔の生き方に強く感銘を受けていたんだなぁという事。
そこに、ゲイであるとか、普通か普通ではないとか、そういう事は関係無く、
実直に愛を貫き、ストイックに自分の信念を貫き通していた、
その生き方に、自分の姿勢を正されるような、そんな思いを持ったのだと、
それが、クッキリと明確になったなぁという感じがしました。

そして、そんな斎藤浩輔を演じた鈴木亮平の凄さ。
やっぱり、それの演技は素晴らしいものだったと思う。
パンフレットを読むと、今回の役柄を演じるにあたって、実際のゲイの方と触れ合う機会を持たれたりしたそうですが、
作品の中では、それが斎藤浩輔、そのものになっていた。
鈴木亮平が、撮影の前に目指したという、”100%の浩輔”に、
限りなく肉薄した演技が見れたのは、本当に貴重な経験になりました。

「エゴイスト」という映画は、それでもやっぱり、
ひとつの信念に基づく”愛”の物語だと、自分は感じました。
だからこそ、1回目でぼんやりとしていた、その輪郭をはっきりさせたくて、
それが2回目で、やっと理解出来たような気がする、そんな作品でした。

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