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#36 カナダ人のダーのパンケーキには、カナダのメープルシロップをたっぷりかけるとレシピに書いてあったが、リレハンメルオリンピックの採点疑義への怒りから不買しているので、かけられません。

【36日目】印の蕎麦粉、英のチャールズ皇太子がバックアップしてる全粒粉&強力粉、豪の米粉、以上すべてオーガニックを適当にブレンドして、パンケーキ作ったら劇的な美味しさだった。シンガポールの自炊はワールドワイドなお楽しみが出来て、超楽しい。【本帰国まであと64日】

 シンガポールの食糧自給率は1%程度。スーパーの棚に並んでいる食料品は、ほぼ外国のものばかりである。

 このようなシンガポールの事情をよく知らない観光客は、スーパーにばらまきみやげを買いに来て、とても困っている。Made in Singaporeで手頃なものが、ほぼ見つからないからだ。

 困り果てて、ばらまきみやげの入手場所をたずねてきた日本人観光客を「ムスタファセンターまで、お連れしてください。」とドライバーに告げて、タクシーを見送ったのは、2度や3度ではないと思う。

 もちろん、在住している主婦にとっては、シンガポールのスーパーは買い物のしがいがある。

 世界中からさまざまなものが集まっていて、見ているだけでも楽しい。

 私にとっては、イギリスのオーガニック全粒粉小麦粉が安いのが、もっとも嬉しいことのひとつだった。

 1.5kgで700円程度。オーガニックで全粒粉なのだから、破格値だ。

 もちろん、精白したものもあるし、薄力、強力、共に4種類がそろっている。

 日本の友人にそのことを告げると、

「その小麦粉、プリンスなんとかってパッケージに書いてないですか?」

「書いてあるよ。」

「それは、チャールズ皇太子が関わってる小麦粉なんじゃないかと思います。チャールズ皇太子は、食の安全に関心が深くて、領地の農家は無農薬栽培とかオーガニック栽培のところが多いんですよ。そこがダイアナさんと合わなかったみたいですね。」

「えー? それを聞いちゃったら、私はチャールズ皇太子派に寝返るよ。マジでいい人じゃない。国民の体を作る食べ物について、強い関心を寄せるのは君主として大切なことだよね。」

「そうですね。ダイアナさんのことがあったから、悪く言われることが多いですけど、私もチャールズ皇太子の食に対する取り組みは、すばらしいと思っています。」

 持つべきものは、英語で完璧な情報の取れる友人だと、しみじみ思った。


 そんなわけで、チャールズ皇太子印の小麦粉で、パンを焼いてきた。

シンガポールへ来てから、パンを買ったことはほとんどない。

 ドイツ製の対流式オーブンなので、所要時間の半分以下で、焼き上がる。パン屋に買いに行くよりも、時間がかからない。


 チャールズ皇太子印の全粒粉小麦粉、インドのオーガニック蕎麦粉、オーストラリアの米粉などを適当にブレンドして、パンケーキを作ってみたら、劇的な美味しさだった。

 ふんわり仕上げるコツは、ヨーグルトとマヨネーズを入れることである。

 メレンゲを作るやり方は、面倒なのでやらない。嫌気がさすと、自炊はつらくなる。

 私が使っているパンケーキのレシピは、クックパッドで拾ったものだ。

薄力粉220g、ベーキングパウダー7.5g、砂糖大さじ3、牛乳120㏄、ヨーグルト105g、玉子1か2個。

マヨネーズは大さじ2くらい入れる。入れなくてもいい。


「カナダ人のダーに教えてもらいました♡」

「ダーの大好きなカナダのメープルシロップをたっぷりかけて食べるとしあわせ♡」

とかなんとか書いてあった。

 ダーとは、個人名ではなく「ダーリン」の略だった。

 

 夫に話したら、彼にしてはめずらしく

「猪木ですか?」

という面白みのある返しであった。  

 我が夫は、アントニオ猪木の真似も、ジャイアント馬場の真似もしたことのない少年期を送ったそうである。

 もちろん、大人になってもしないから、人生で一度もやってないのだ。

信じられないが、そういう男が私の夫になったのだ。

 ダー!

 








 

 

 

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