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#42 スマホがシンガポールの日本人駐妻+ママ友社会を変えた。

【42日目】多くの日本人は良い意味でも悪い意味でも自分と他者の境界線が曖昧。だから面白エピソードとして自虐トークすると「それって私のこと?」とキレる人が必ずいる。なので日本人と話すときは細心の注意を払う。疲れる。だから関わらないのがラク。【本帰国まであと58日】

 とある日本人駐妻さんと話す機会があった。彼女には小学校高学年のお子さんが二人いて、駐在は3年目でラストイヤーなのだそうだ。

 お子さんのいる駐妻さんには、駐妻社会に加え、ママ友社会ももれなく付いてくる。

 さぞかし大変なのだろうと思いきや、そうでもないのだと彼女は笑っていた。

「ひと昔前は、先輩に訊かないとわからないことが多かったから、我慢してつきあってたでしょう。でも今はスマホがあるから、何でも自分で調べて、自分で動けるじゃない? 学校のことも、先生から直でLINEが来るから、外されたりとかすることもないしね。いい時代になったと思う。」

 ママ+駐妻のダブル社会で苦労していると勝手に決めつけていたが、そんなことはなかった。

 先輩駐妻としてのアドバンテージがなくなった大長老、PR持ちのマダムなどは、頼られることがなくなり、寂寥感が漂っているのではないだろうか。


 スマホさまさまとはいえ、彼女のようなお子さんのいる方は、ママ友社会にまったく関わらないというわけにはいかないので、それなりの苦労はあるようだ。

 PTAやマウンティングなどに苦労をしているのかと思ったら、それは特に何でも無いのだそうだ。

 彼女のように頭の良い、自立したビジネスマンにとっては、暇でモテない駐妻の諸君のすることなど、パターンが読めてしまうのだろう。

 いちばんの苦労は、自他の境界線が曖昧な人が多く、被害妄想で騒ぐ人がいることなのだそうだ。

 面白エピソードとして、英語が通じなくて失敗した話などをして、もっと勉強しないとダメですねぇ、などと言うと

「それって私に言ってる? 私、英語話せないですし!」「私は働いてもいないですし。いいですよねぇ、お仕事の出来る方は」

とキレ出したり、裏掲示板やSNSで暴れたりする。


 私にも経験があるが、どうして多くの日本人は、自分と他人はまったく違う人間だということがわからない人が多いのか。

「どうしてお子さんがいないの? 産めないの? 産まないの? 旦那さんや親御さんがかわいそうよ...」

などと面と向かって言ってくる日本人の高齢者がよくいるが、夫も親も、目の前にそんな輩がいたら、代弁してくれてありがとうと感謝するどころか、輩を絶対に許さないだろう。

 子どもがいないことを嘆くのは、自分だけの価値観である。

 それを相手に押しつけるなど、頭のおかしい人間のすることだが、日本独自の軍隊教育で調教済みの多くの日本人にとっては、このような人は頭がおかしいのではなく、子どもがいないのに楽しく幸せに充実して生きている方が、頭がおかしいとされるのである。


 ちなみに、シンガポールのオーチャード区域のスターバックス、コーヒービーンズなどのカフェには、子どもを連れていない日本人女性客を見つけては、このような行為をくり返す高齢の日本人女性が実際にいるそうだ。

 その日本人女性は注文をせずにスマホの充電をするために店内で過ごし、日本人を見つけると、席にやって来て一方的にしゃべり散らすのが日課らしい。

 宗教的なことを延々と話したりもするそうなので、専門医による治療が必要な人であることは間違いない。

 しかし、このような病人をひとりで自由にさせて、一般人の心を無差別に傷つけておいて、知らぬ存ぜぬはないだろう。

 家族親戚に、損害賠償を求めてもいいと思う。

 知り合いの日本人女性が被害にあって、同席のシンガポール男性が店員に強く言ったが、病人に何を言っても無駄だから(問題人物の排除は職務範囲にないし、自分の給料が上がるわけでもない)、と取り合ってくれなかったそうだ。

 口喧嘩では負けたことのない私、一度は遭遇して、知り合い女性のカタキを取りたかったが、出逢えなかった。

 出逢わない方がよかったかもしれない。

 狭い日本人社会、知り合いの知り合いの奥方である可能性はゼロではないだろう。


 まあそれはさておいても、やはりシンガポール在住の日本人とは、最初からできるだけ関わらない方が安全というものだ。

 スマホさえあれば、いくらでも必要な情報は取れる。

 日本は外圧がなければ、何も変わらない国だが、シンガポールの日本人駐妻社会も、アメリカ人の考えてくれたスマホで変わった。

 地球上のどこにいても、日本は外圧がなければ、良き変化の得られない国なのだろうか。  

 



 


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